ジャニーズ、性加害問題“対応”でテレビも一斉報道も…「相談窓口は“ジュリニ”ばかり」の悪手
#井ノ原快彦 #松岡昌宏 #村上信五 #国分太一 #山田涼介 #菊池風磨 #ジャニーズ事務所
のらりくらりでどこまでいけるか。
ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害疑惑について、元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモトが日本外国特派員協会で顔出し実名告白をしたのが4月12日。被害者はほぼ未成年とみられ、さらに、ジャニー氏の“行為”を受け入れるかどうかと事務所内での扱いには大きく関わりがあったとの認識がジャニーズJr.内にはあったとの証言から、優位的な立場を利用したきわめて悪質な行為が何十年にもわたって続けられていたとみられている。
「週刊文春」(文藝春秋社)も追及の手をゆるめず、証言をする元ジャニーズJr.の数は増えていく一方。20日発売号では、ジャニー氏が指名したジャニーズJr.を事務所スタッフがジャニー氏のいるホテルまで送迎していたとも伝えており、現社長で、20年以上前から取締役として経営に関わってきた藤島ジュリー景子氏ら上層部のみならず、スタッフにいたるまで、“事務所ぐるみ”でジャニー氏の性加害を黙認し続けてきたと考えられる。
ジャニーズ事務所の企業としての社会的責任が問われるなか、ジャニーズ側は一貫して〈経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存〉などと回答するのみにとどまり、性加害疑惑について具体的な言及を一切してこなかった。その姿勢に批判の声が高まっていたが、21日、ジャニーズをめぐる報道が一変する。
同日夜、東京新聞や朝日新聞などが一斉に、ジャニーズ事務所が一部の取引先企業に対し、「私たちは本件につき、問題がなかったなどと考えているわけではございません」「このようなメディアでの報道、告発等については真摯に受け止めております」とする文書を内々に送付していたことがわかったと報じた。
報道によるとこの文書には、社員や所属タレント向けの相談窓口をすでに設けて「ヒアリング及び面談」を実施してきたほか、元所属タレントに対しては外部専門家の相談窓口を設けて個別に応じる準備を進めているなどとも説明されていたという。
「文春の独自調査によれば、120社以上に確認したところ、無回答などをのぞけばほとんどが文書を受け取ったと回答。代理店など含めかなり広範囲に送付されているため、情報が漏れるのは理解できるが、問題はその報じられ方。カウアンによる12日の記者会見は、大手新聞もようやく取り扱う姿勢は見せたものの、NHKが翌日の夕方のニュースで2分にも満たない時間で触れた程度で、地上波ではゼロに等しい扱いだった。ところが、ジャニーズ事務所が対応を進めているとする報道が出た途端、翌日にはNHKが昼と夜に2度報じたほか、TBSの『サンデーモーニング』、フジテレビの『Live News イット!』を始め、各局が一様に取り上げた。記者会見はスルーするのに、公に発表されたわけではない内部文書については一斉に取り扱うということは、“ジャニーズ事務所側が取り上げてほしい情報”を選んでいるということでしょう」(芸能記者)
突然の報道姿勢の変化には驚かされるが、「所属タレント向けの相談窓口」の実情も世間を呆れさせている。
27日発売の「週刊文春」によれば、カウアンの記者会見の翌週に、所属タレント向けに相談窓口の案内があったというが、その窓口を担当しているのはなんと所属タレント。しかも、ジャニーズアイランド社長に昨年就任した元V6の井ノ原快彦を始め、TOKIOの国分太一と松岡昌宏、関ジャニ∞の村上信五、Hey! Say! JUMPの山田涼介、Sexy Zoneの菊池風磨という、「ジュリニ」――ジュリー社長“お気に入り”の面々ばかりだったのだ。
「今年17年ぶりに復活したジャニーズ成人式には、井ノ原、国分に加え、再開を提案したとして菊池の姿も。山田も以前からジュリー社長とたびたび食事をしていることが報じられ、“ジュリニ”と目されてきていましたし、そもそも山田や菊池もメンバーの『ジャニのちゃんねる』自体が“ジュリニ”揃い。嵐やKAT-TUNだけでなく、TOKIO、関ジャニ∞、Hey! Say! JUMPも生粋の“ジュリー派”です。村上、山田、菊池の3人はそれぞれ事務所からもプッシュされてますし、特に村上は先日、非常勤ながら農業関連企業の事業開発担当に就任するという異例の発表があり、『ジャニーズの副業禁止ルールとは何だったのか』との批判の声も出たばかり」(女性誌記者)
親・社長派の面々ばかりを揃えたこの「相談窓口」に、近年の事務所に失望しているジャニーズファンからは失笑の声が相次いでいる。無論、現役タレントが窓口を務めるという体制に、「なぜ第三者機関を入れないのか?」と世間も呆れ声だ。
「さらにいえば、タレントが相談窓口を務めているのなら、彼らもこの性加害問題への事務所の対応について少なからず責任が明確に生じることになる。さすがにそのことは全員理解して引き受けたはずだが、21日に関係各所に送られた文書では『現在在籍の社員、タレントからは、現時点では問題となる点は確認されておりません』としている。『問題がなかったなどと考えているわけではございません』といいながら、ちゃっかり『現状問題なし』とアピールしているわけで、相談窓口が本当に機能しているのか、疑問の声が出るのは当然。下手すれば疑惑の目は“担当”のタレントたちにも向けられてしまうでしょう」(前出・芸能記者)
加えて、「週刊文春」記者に突撃された国分の回答も、整合性が伴わないという。
「文書ではすでに相談窓口を設けてヒアリング及び面談を実施済みとしているが、タレントの相談に乗る担当になったのは事実なのかと訊かれた国分は『これから、そういうかたちを取っていけたらなと』と、今後の話かのように答えている。ヒアリングや面談がちゃんと実施されたのか、あまりに不透明」(同)
所属タレントにまでも、先代社長による長年の所業の“尻拭い”を担わせることになりそうなジャニーズ事務所。Kis-My-Ft2・北山宏光の退所報道や、ジュリー氏の社長退任の噂も出ているが、2023年は昨年以上に大揺れとなることは間違いなさそうだ。
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