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ジャニーズに革命? 『CDTV』でSMAPら過去映像放送&見逃し配信もノーカット解禁

ジャニーズに革命? 『CDTV』でSMAPら過去映像放送&見逃し配信もノーカット解禁の画像
『CDTVライブ!ライブ!』番組公式サイトより

 これもまた「新たな風景」のひとつなのだろうか。

 4月3日に放送されたTBS系音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』が業界から注目を集めている。この日は、前身となる『COUNT DOWN TV』(1993年4月8日スタート)から数えて放送開始30周年を迎えたことを祝福した4時間半のスペシャル特番で、同番組のオリジナルランキング30年間の総合ベストを発表しながら、同ランキングで週間もしくは年間1位を獲ったアーティストがヒット曲の数々を披露するという企画に。King & Prince、Snow Man、SixTONES、なにわ男子、KinKi Kids、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Z、ジャニーズWESTらジャニーズ13組に加え、三代目J SOUL BROTHERS、三浦大知、優里、ゆず、ポルノグラフィティ、浜崎あゆみなど総勢29組がパフォーマンスを披露した。

 まず視聴者を沸かせたのが、SMAPや山下智久の映像が流れたことだ。30年間の総合ランキングトップ100の発表とともに、同番組などTBSの音楽番組でのパフォーマンスなど当時の映像が流されたのだが、SMAPはこの総合ランキングで45位に「夜空ノムコウ」、そして1位に「世界に一つだけの花」がランクイン。いずれも、5人での当時の映像が流れた。また、51位には修二と彰の「青春アミーゴ」がランクインしており、こちらも山下がカットされることなく当時の映像が放送された。

 これにはそれぞれのファンを中心に大きな反響が。SNSでは「革命起きた! これまで歌だけやったりランキング入ってても文字だけやったりあったけどちゃんとSMAP5人映ってます」「久しぶりに5人揃ってる映像が流れた」などとSMAPファンが大興奮。Twitterのトレンドに「SMAP」が入ることになった。また、山下についても「テレ朝も、フジテレビも山P映してくれなかったのに、昨日のCDTVではちゃんと山P映してくれてた」「ありがとうCDTV 同じTBSでも山Pの写真すら使わない初耳学とは大違い」と、喜びの声が上がっている。

 これだけ話題になったのは、ジャニーズ事務所を退所してしまうと、編集されたり放送されないといった形で、過去の映像を流す上でまるで“存在しなかった”かのように扱われることが頻繁にあるためだ。2021年の日本テレビ系音楽特番『ベストアーティスト2021』では、ジャニーズ特別企画として20年分の秘蔵映像を「惜しみなく大放出」するとしながらも、観客などの別の映像に差し替えたり、別の年の歌唱シーンをミックスするなどして退所者のシーンが映されず、意地でも映さないとの気概すら感じられるほど細かく編集が施されていた。また日本の音楽番組の老舗『ミュージックステーション』(テレビ朝日)などでも、ランキング企画でなぜかSMAPは映像が流れないケースも散見された(放送されたこともある)。

 加えてTBSでは、昨年11月放送の『日曜日の初耳学』において、戸田恵梨香が山下主演のフジテレビ系ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズに言及する場面で、戸田が山下の名前も挙げているにもかかわらず、他のメインキャストのものは問題なく流れているのに、主演の山下だけ写真・映像が流れないという不自然なことが起こり、視聴者から怒りや不満の声が噴出したのも記憶に新しいところだ。

「今回は『CDTV』というTBSが誇る音楽番組の30周年記念ということもあり、30年間の総合ランキングを届けるというコンセプトを守るために、TBS側が頑張ったのかなと思いましたね。『CDTV』はジャニーズもかなりお世話になった番組ですから、事務所の協力も得られやすかったでしょう」(芸能記者)

 しかし、これが30周年記念のための“特別措置”ではなく、ジャニーズ事務所の方針転換と見る向きもある。というのも、見逃し配信においてもジャニーズ勢の映像がカットされなかったのだ。

 『CDTVライブ!ライブ!』は2021年6月から段階的にTVer等での見逃し配信をスタート。当初はBTSなどK-POP勢のパフォーマンスのみを切り出して配信していたが、昨年10月からは本編の配信が始まった。しかし、「一部放送とは内容を変えてお届けします」という注意事項のあるとおり、ジャニーズ勢は見逃し配信から軒並みカットされてきた。それが今回は、ランキングでの過去映像、パフォーマンス映像いずれもジャニーズ勢の部分も配信されており、江藤愛アナウンサーが番組の最後に「ノーカット」で配信すると断言したとおりとなったのだ。

「音楽番組の配信は権利処理がネックと言われがちですが、テレビ東京の『プレミアMelodiX!』やNHKの『Venue101』など特に深夜帯のものは見逃し配信されており、ジャニーズ勢の出演部分もカットされていないため、別に“不可能”ではなかったんです。結局のところ事務所との交渉の問題とみられ、ネットにおけるタレントの肖像権に異様に厳しかったジャニーズ事務所は、特にゴールデン・プライム帯の音楽番組の映像の配信に神経を尖らせていたようです。ただ、結局は違法アップロードが溢れる事態を招いただけでした。

 今回、『CDTV』の公式Twitterアカウントが『なんと!!ついに!!((ノーカット)))で無料配信』と強調しているのに加え、Hey! Say! JUMPの公式Twitterアカウントも『なんと、TVerで配信中!!』と宣伝しており、ジャニーズ事務所側が協力的になっているように映ります。もしジャニーズ事務所が、音楽番組の見逃し配信について姿勢を転換させたのだとしたら、YouTubeチャンネルで一部パフォーマンス映像を細々とアップしてきた『ミュージックステーション』なんかも番組丸ごとの配信へと動くかもしれません。日本の音楽業界にとって重大な前進となるかもしれないのです」(レコード会社関係者)

 2023年1月1日、ジャニーズ事務所は藤島ジュリーK社長名義で日経新聞に企業公告を掲出。〈「変えるもの」と「変えないもの」の軸を強く持つこと。それが今、一番必要なことだと感じています〉〈タレント、支えるスタッフ、舵取りを担う経営者が、同じ目線で語り、夢を分かち合う。それぞれが未来を見つめ、プライドを持ってプロとして技を磨き、思いをぶつけ合う。そこで生まれる絆が、支えてくださるファンの皆様とも重なった時、また新たな風景が見られると確信しています〉などとメッセージを綴っていた。

 〈“私たち”の約束〉という項には、〈ファンファーストを原点に〉という言葉もあったが、ジャニーズ事務所は見逃し配信や退所者に対する映像の扱いについて、ファンの望む方向へと転換していっているのだろうか。今後に注視したい。

加賀美ジョン(音楽ライター)

洋邦問わず、音楽にまつわる編集・ライティングで十数年。クレジットを眺めるのが趣味。

かがみじょん

最終更新:2023/04/04 20:00
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