ジャニーズ起用の『24時間テレビ』が「子どもの未来を考える」に失笑…「まず説明責任を」
#日本テレビ #24時間テレビ #ジャニー喜多川 #ジャニーズ事務所
日本テレビ系チャリティ特番『24時間テレビ46』が8月26日と27日に両国・国技館にて開催されることが発表され、あわせてメインパーソナリティをジャニーズの人気グループ・なにわ男子が務めることが明らかになった。
第46回となる今回のテーマは「明日のために、今日つながろう。」で、「子ども、環境、SDGsなど、未来に向けて考えるべき社会問題」について考える「未来志向の24時間テレビ」を目指すのだという。平均年齢23.1歳のなにわ男子の7人に加え、チャリティパーソナリティとして今年大学1年生となった18歳の芦田愛菜が参加し、この若い8人が、未来を担う「新・社会人世代」の代表にふさわしいということのようだ。
1978年の第1回から続く日本テレビの伝統的番組だが、1997年の第20回でKinKi Kidsがメインパーソナリティに抜擢されたのを皮切りに、当然のようにジャニーズグループが番組の顔を務めることでも知られており、ジャニーズ事務所がプッシュしているなにわ男子のメインパーソナリティ就任に対し、驚きの声はない。
しかし問題なのは、現在のジャニーズ事務所が置かれている状況だ。英BBCが先月放送したドキュメンタリー『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』を皮切りに、ジャニーズ事務所創業者で前社長の故ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害疑惑が再燃。さらにドキュメンタリーにも協力した「週刊文春」(文藝春秋社)による追撃も始まり、続々と被害者による訴えが報じられているのに加え、4月12日には元ジャニーズJr.が実名顔出しで日本外国特派員協会で記者会見を開き、ジャニー氏から受けた性的被害を生々しく伝えるとともに、ジャニーズJr.の中ではジャニー氏の“行為”を受け入れないとデビューできないという認識があったと証言した。
被害者はほぼ未成年とみられ、国外メディアからは厳しい批判が寄せられているが、ジャニーズ事務所と共存関係にある国内メディアはおとなしい。NHKは会見翌日にようやく夕方のニュースで取り上げたものの、数分ほど。新聞各紙、キー局系のニュースサイトなども取り上げるようにはなったが、民放のニュース番組などでは取り上げられず、NHKの動きも鈍い状況で、世間からはジャニーズ事務所だけでなく、こうした国内大手メディアの報道姿勢にも厳しい目が向けられている。
こうした状況下で、例年通りとはいえ、ジャニーズのグループがチャリティ番組のメインパーソナリティを務めることを発表したわけで、週刊誌記者は「今回の問題に対する民放各局の姿勢は、ここからも明らか」と失笑する。
さらに今回のテーマの中に「子どもの未来」が含まれており、「未来に向けて考えるべき社会問題」について取材し、発信すると発表されたことから、怒りの声も上がっている。ネット上では、「これだけ騒がれている中、日テレは24時間テレビのメイン司会にジャニーズを使うのか」「ジャニーズのタレントをそのテーマのメインとして立たせる日本テレビに意見メール送りました」「日テレさん、24時間テレビにジャニーズ出すなら、ジャニー喜多川の性虐待についての考えを視聴者にまず説明するべき。ましてや今年のテーマ、ホント恐ろしいわ」など、厳しい批判が多く上がっている。
「日本外国特派員協会での会見では、告発した元ジャニーズJr.が、一番に求めることとして『事務所のトップや事務所の人たちに認めてほしい』と、ジャニ―氏による性加害が事実であるとちゃんと認めるべきとしました。そもそもジャニ―氏による性加害疑惑は、80年末に元フォーリーブスの北公次が暴露したのを皮切りに、長らくあったもの。1999年末に『週刊文春』がキャンペーンを展開した際にはジャニーズ事務所が名誉毀損の民事訴訟を起こしたものの、法廷陳述でジャニ―氏が『彼たちは嘘の証言をしたということを、僕は明確には言い難い』と、被害に遭ったとする少年たちの証言を否定しなかったほか、判決では性加害の記事内容について『記事の重要部分は真実』と認定されていました。そのときから数えてもおよそ20年近く経っており、しかもこの判決以降も性加害が続いたことは、ここ20年の間も被害者が多数名乗り出ていることからも、疑いようがない。ジャニーズ事務所はBBCの取材を受けたためか、今年1月からやたらと“社会から信頼いただける透明性の高い組織づくり”だとか、“コンプライアンス順守の徹底”だとか耳ざわりのいい言葉を目標として掲げていますが、ジャニ―氏はすでに亡くなっているとはいえ、存命時からジャニーズ事務所にも黙認してきた非があり、この件に関して説明責任があります。チャリティをやるというのなら、性的虐待に遭った被害者の支援に真っ先に向かうのが筋だし、昨年末の段階でも『男性は性被害に遭わないという社会的偏見はいまだ根強い』と性犯罪被害者の支援団体が指摘しており、この社会問題に真摯に取り組むべきでは」(前出・週刊誌記者)
一方、今回のパーソナリティ発表の方法からは、日本テレビとジャニーズ事務所が神経質になっているのがうかがえるという。
「これまでならメインパーソナリティの発表は、ゴールデン・プライム帯の人気バラエティ番組内で華々しく発表されてきました。2021年、2022年は『1億3000万人のSHOWチャンネル』の中での発表でしたね。しかし今回は『news zero』でさらりと発表。日本テレビの苦悩がうかがえます。なにわ男子に非は何もありませんが、『性加害を認めるのか』と多数の批判やクレームが寄せられそうなだけに、局やスポンサーも対応に悩んでいることでしょう」(芸能記者)
以前からチャリティ番組としてのあり方が議論されてきた『24時間テレビ』だが、例年以上に逆風が吹き荒れることになりそうだ。
“ジャニーイズム”払拭へ? 菊池風磨と猪狩蒼弥の発言に見るジャニーズ事務所の方向転換と内部の混乱
先週、Sexy Zoneの菊池風磨による「お前らの言う世界って結局アメリカじゃねーか」という発言が、ジャニーズファンの間で波紋を呼んだ。 問題の発言があったのは、嵐...ジャニー喜多川氏の性加害報道、テレビ関係者は「NHKよ報じてくれるな」
ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害が、英国の公共放送BBCの番組で明るみになった件。英国での放送から1カ月近くが経過しようとして...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事