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『星降る夜に』が『silent』パクリ疑惑をネタに!? 二度の「コンポタ」シーンに反響

『星降る夜に』が『silent』パクリ疑惑をネタに!? 二度の「コンポタ」シーンに反響の画像
『星降る夜に』TELASA配信ページより

 吉高由里子が主演を務めるテレビ朝日系火曜ドラマ『星降る夜に』。聴覚障がいの青年とのラブストーリーということで、放送前には昨年の秋ドラマ『silent』(フジテレビ系)の“パクリ”ではないかと騒がれるひと幕もあったが、14日放送の第5話では、あるシーンがその『silent』をあえて意識したものではと話題になった。

 35歳の産婦人科医・雪宮鈴(吉高由里子)と、25歳の遺品整理士のろう者・柊一星(北村匠海)の出会いから始まる本ドラマ。鈴が働くマロニエ産婦人科医院で起こる妊娠・出産をめぐる問題や、過去に医療訴訟を起こされ、何者かに執拗に中傷されている鈴を始めとした登場人物の重い過去など、シリアスなエピソードも展開されながら、鈴と一星は着実に距離を縮めていっている。

 第5話では、SNSで「雪宮鈴は人殺し」などと中傷され、病院にも問い合わせの電話が殺到する事態に。過去の記憶がフラッシュバックした鈴は、45歳の新人医師・佐々木深夜(ディーン・フジオカ)に外に連れ出される。落ち込む鈴を励まそうと、深夜がコーンポタージュ味の缶スープを手渡し、鈴は「コンポタ……?」と戸惑いつつも、「ありがとう」と言って受け取った。

 さらに、夜ひとりで帰宅しようとした鈴が、誰かに付けられていると不安になり、逃げようとするのだが、追いかけてきていたのは一星だった。一星に抱きしめられ、落ち着きを取り戻す鈴に、一星が手渡したのもなぜかコーンポタージュ味の缶スープで、鈴は「あ、コンポタ……」と驚いていた。

 深夜からの「コンポタ」励ましシーンからわずか10分ほどで今度は一星からの「コンポタ」励ましという展開。これに、『silent』視聴者からは「コンポタかぶせてきたの好きすぎる」「ほかのドラマのオマージュ入れてくるのおもしろいなぁ」「シャレが効いてて好き」「silentにあえて乗っかってる感じ、いい」「コンポタのくだり、絶対silent観てわざと入れたでしょ」といった反応が相次いだ。

 「コンポタ」は『silent』でも印象的なシーンのひとつだ。主人公・紬(川口春奈)の優しすぎる彼氏・湊斗(鈴鹿央士)は、第2話で、落ち込んだ紬に「コーヒーとココア、どっちがいい?」と尋ねる。「コンポタ」と紬が答えると、「コンポタもあります」とかばんからコンポタの缶スープを取り出す……という場面があった。紬の思考を見透かしたかのような湊斗の行動は、高校卒業後に同窓会で紬と再会した際、仕事に忙殺され、ファミレスで仕事をしていた紬がドリンクバーにない「コンポタ」を求めたという過去のエピソードとつながっていた。「主成分・優しさ」とまでいわれる湊斗の性格を象徴するエピソードのひとつが「コンポタ」なのだ。

「『silent』のほうが先に放送されたことで、“後発”の『星降る夜に』は放送前から『silentのパクリでは』などと揶揄されました。しかし実際には、『星降る夜に』は遅くとも2021年春には貴島彩理プロデューサーが脚本の大石静さんにオファーしていた企画であり、2021年末にフジテレビヤングシナリオ大賞に輝いたばかりの新人脚本家を起用した『silent』のほうが後発です。製作発表も『星降る夜に』のほうが1カ月ほど早かったですしね。『星降る夜に』であえて『コンポタ』を出したのは、パクリなどと言われたことをネタにできる“余裕”を感じました。実際、『星降る夜に』は『silent』とは作風もストーリーもまるで違いますし、『silent』についていけなかったという視聴者からの支持も高いですから」(テレビ誌記者)

 また、「コンポタ」が偶然ではなく意図的だと考えられるのは、第4話冒頭シーンの影響があるという。ここでは深夜も手話が少しだけできることを明かし、その理由について「昔、夫婦で手話のドラマを観てハマったことがあるんです」と説明すると、鈴が「奥さんと観た手話のドラマって……トヨエツの?」と返すという、1995年に大旋風を巻き起こした豊川悦司主演の『愛してると言ってくれ』(TBS系)に触れる場面があった。

「『星降る夜に』は火曜21時の放送ですが、22時台にはTBSで北川悦吏子さん脚本の恋愛ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』が放送中。大御所女性脚本家によるラブストーリー対決ということで注目を集めており、あえて北川さんの代表作であり、ろう者との恋愛ドラマである『愛してると言ってくれ』に触れるセリフがあったのは、『夕暮れに』を意識したものではと指摘する声が多く上がりました」(同)

 世帯視聴率だけでなく、今やTVerでの再生数も『星降る夜に』が『夕暮れに』の上をいっており、ここにも“勝者の余裕”が感じられそうだが……実際にはこれについては『夕暮れに』はあまり関係なさそうだという。

「『星降る夜に』のプロデューサーである貴島彩理さんは、90年代を中心に数々の名作ドラマを生んだ名プロデューサー・貴島誠一郎さんの娘さんで、貴島誠一郎さんの代表作のひとつが『愛してると言ってくれ』です。キャリア30年以上の大石静さんはもちろん、『長男の嫁』や『私の運命』などで貴島誠一郎さんと組んだ経験もあります。こうしたつながりから大石さんの中で『愛してると言ってくれ』が出てきたのでは? 北川悦吏子さんを意識したのだったら、35歳の鈴から28年前のドラマの名前がすぐに浮かぶのは少々不自然で、鈴の年齢設定的には2004年放送の『オレンジデイズ』のほうが自然ですからね」(ドラマ・映画ライター)

 世帯視聴率は強いものの、見逃し配信に弱いといわれるテレビ朝日ドラマだが、『星降る夜に』は先日、見逃し配信再生数の累計が1000万回を突破するなど好調だ(ビデオリサーチ調べ/1月17日~2月8日の期間)。鈴を付け狙う人物のキャストは伏せられているが、声や目元からムロツヨシではと推測する声も出ており、第6話には磯村勇斗のカメオ出演も予定されているなど、話題性も尽きないが、今後も他局のドラマの“オマージュ”が散りばめられていくのだろうか。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2023/02/21 06:00
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