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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 老害化を恐れる松本人志と柔軟な泉谷しげる

『ボクらの時代』“老害化”を恐れる松本人志と“デジタル化”を嘆くさだまさしが際立たせる、泉谷しげるの柔軟さ

『ボクらの時代』 | 「フジテレビュー!!」公式サイトより

 9日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)は、先週に続いてダウンタウン・松本人志、さだまさし、泉谷しげるが出演。豪華な顔ぶれによるトークの後編が届けられた。

 後編は、「テレビ」「デジタル化」「子育て」などを議題に、大きくは「時代の移り変わり」について語られたような内容だったが、際立ったのが、3人の中で最年長である泉谷の柔軟な思考だ。

 MCの役回りとなったさだが「“テレビが世の中を変えた”って時代があったじゃないですか。今はSNSだとかネットだとか、そういったものが世の中を動かしている気配がありません?」と話を振ると、泉谷は「それはテレビが大きくなり過ぎただけの話じゃない?」とコメント。「テレビがつまらなくなった」という昨今の論調についても、「テレビは昔から……面白い部分もあったけど、大体が『くだらねぇ』とか『つまんねぇ』とか言われてたわけでしょ。今さら言われても」「じいちゃんからばあちゃんまでみんなが楽しめるって、変な理想を止めたらどうだ?って思う」と泉谷は疑問を呈していた。

 これにさだが、「時代が変わったんだと思いますよ。“家族そろってテレビを見る時代”はそれでよかった」と意見したが、泉谷はそこにも疑問があるようで、「家族そろってどうだってやってる時に、平気で次の番組は女の子が脱いでたりしてた時代だった。下品なところで視聴率を稼いでた」と、“家族そろって見られるテレビ”という考え方がそもそも幻想だったのではと鋭く指摘した。

 デジタル化や子どもへの教育についても、泉谷は決して過去を美化せず、時代の変化について頭から否定的な姿勢を取らない。“アナログ信者”のさだが「あんなんばっか観てる子どもは将来どうなると思います? 新幹線の中で、子どもが騒ぐのが嫌だからって、親がディズニーチャンネルを子どもに見せてんですよ。それでいいのかね? 家族はどうなっていくのか……」と嘆くと、泉谷は「それは、俺らがマンガ見て『目が悪くなるぞ』って言われてたのと一緒のような気がする」と反論。「今の子どもはあんだけダンスできんだよ? 俺らの時代、できなかったじゃん、あんなこと」「世界に通じるぐらいの人が出てきてるってことはさ、俺らの教育概念を超えてないと無理なわけよ」と、さだの考え方は古いと一蹴した。

 さだはこれに一定の理解を示す一方、「僕が気になってるのは、親と子の会話がなくなってること」「心(の問題)ですよ」と情操教育の面での懸念を口にしたが、泉谷は「おそらく親と子がうまくいかないのは、親の古い概念の押し付けだったり、(親の)理解力のなさだと思うのよ」とバッサリ。

 こうした泉谷の姿勢に、SNSでは「自分の若い時代にはなかったことを否定しないで、面白いって柔軟に思える泉谷しげる素敵」「泉谷しげるのすごさがわかる番組でした」といった感想が続出。Twitterでは「泉谷しげる」が一時トレンド入りも。

 「65歳で引退」を以前から口にしていた57歳の松本が「老害って嫌な言葉あるじゃないですか」と自らが“老害化”してしまうことを恐れるそぶりを見せていた一方、72歳の泉谷が3人の中でもっとも柔軟に、自身の加齢と時代の移り変わりを受け止めていたのが印象的な回だった。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2021/09/18 22:17
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