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『ボクらの時代』の珍回? 売れっ子芸人が集まった「史上最高の時代」の行方

『ボクらの時代』 | 「フジテレビュー!!」公式サイトより

 この4月で放送15年目に突入した『ボクらの時代』(フジテレビ系)。司会者はなく、ゲストだけで話すという構成から、意外な素顔が垣間見えたり知られざるエピソードが語られることもしばしばで、毎週欠かさず観ているという番組ファンも少なくないだろう。だが長くやっているがゆえに、時にはちょっと不思議なキャスティングの回もある。

 4月4日放送回がまさにそれだった。かまいたちの山内健司、ハライチの岩井勇気、アインシュタインの稲田直樹。芸人同士、そしてコンビにおける“ネタを書いてるほう”という括りではあるのだが、同じ吉本興業の先輩・後輩で付き合いの長い山内と稲田はともかく、岩井はいずれともあまり交流がないようで、3人の間にはどことなくよそよそしい、探り合うような空気が漂う。

 “謎の組み合わせ”であるあたりは本人たちも理解しているようで、番組は「とんでもないメンバーで……」という、戸惑いを感じさせる山内の発言から始まった。先月はミュージカル、情報番組、スペシャルドラマ、映画と、毎週それぞれの共演者同士が顔を合わせ鼎談する趣向だったが、この3人には特に告知することもない。

 番組はそれぞれの関係性を整理・説明するようなトークから始まり、徐々に、山内がMC、岩井が“MC横芸人”的な役回りとなって「トークバラエティ」っぽく落ち着いていく。芸人の“鮮度”や賞レースについて、東京と大阪の番組の違いなど芸人論・テレビ論が話題の中心となったが、それは共通の話題が他に見当たらなかった、という側面も大きかったのではないだろうか。岩井が話したエピソードは、自転車通販サイトでネット詐欺に遭った話や、まったく興味のなかったアイドルに初めてハマり、生配信で投げ銭をした話など、TBSラジオ『ハライチのターン!』で語っていたものも多く、さながらダイジェストのようでもあった。

 トークを深堀りしていくような場面は特になく、それぞれの持っているエピソードを簡潔に話していくのに終始していたのは『ボクらの時代』としては少々残念なところ。「放送内容」欄には「山内と岩井は大の愛猫家として知られており、猫を好きになったきっかけや、どんなところが好きかを語る」とあったのだが、放送では特にそんな話はされていなかった。編集でカットされた部分が多いのかもしれない。

 売れっ子芸人3人が集まっただけに期待値は大きかったが、放送だけを観ると、特に化学反応も起こらず……といったところ。岩井は放送前にTwitterで「ボクらの時代史上最高の時代です。見逃すな!」などと煽っていたが、文字どおりの意味で書いたわけではないのだろう。放送が始まると、「オープニング観たけどパロディ番組みたいだな!」とツッコむようなツイートをしていた。

 だが、視聴者からすると、ある意味「リアル」で、これはこれで面白い。冒頭の探り合いを経て、トーク番組という“型”にはめて成立させていくあたりは、さすがはプロといった感じだった。いずれそれぞれのラジオ番組などで裏話が聞けるのを楽しみにしたいところだ。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2021/09/18 22:35
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