阪神、応援マナーめぐり超異例「注意喚起」も…当事者意識に欠ける球団幹部
#プロ野球 #阪神タイガース
18年ぶりのリーグ優勝に向けてマジックを減らしている阪神タイガースが難題に直面している。
球団は8月24日、公式サイトなどを通じ「ご観戦されるお客様へ、試合観戦時のマナーについてのお願い」を発表した。
「皆様からの熱いご声援は日々戦うチーム・選手にとって、大変心強く、そして何よりの励みになっております」とファンへの感謝を綴ったうえで、「しかしながら、昨今、球場において、残念ながら一部のお客様による誹謗中傷、過度な野次、替え歌等で相手を侮辱するなど、観戦マナーに反する迷惑行為が散見されております。ご観戦にあたり、このような行為は絶対におやめください」と呼びかけた。「このような行為は絶対におやめください」の部分は下線を引いて強調しており、球団側の強い注意喚起の意志がうかがえる。
阪神ファンの迷惑をまき散らすような応援は、球場だけではなく選手や首脳陣が遠征時に使う新幹線の新神戸・新大阪駅などでも散見される。
「音楽を聴いてるふうにして絶対スルーしてます。サインなんてしませんよ、転売されますからね。写真も、SNSに変な形で載せられたらトラブルの元。だから対応しませんでした。飲食店でも、他のお客さんがいるのに『写真撮って!』と勝手に来られたりして、自分と同席していた人もドン引き。節度がないのはどこでも一緒だから、正直関わりたくないというのが選手の本音」(元選手)
SNSでの誹謗中傷も問題視されており、罵詈雑言を浴びせられた主力野手はSNSを閉鎖。7月には梅野隆太郎がX(旧・Twitter)のアカウントを削除したことも話題になった。
球団側は以下のようにも“お願い”をしている。
「我々は、ともにグラウンドに立つ各球団の選手・関係者、審判員に敬意を持って日々戦っています。そのような選手・球団、またプロ野球関係者に対する悪質な言動は、本人の尊厳を傷つけるばかりか、観戦に来たお客様、特に子供たちに怖く不愉快な思いをさせてしまうものであり、決して看過することはできません。
今一度、ご来場のお客さまひとりひとりが観戦マナーを遵守し、すべての皆様が楽しく快適に観戦できる環境を作り上げ、健全な応援でチーム・選手を鼓舞していただきますよう、心よりお願いいたします」
しかし、こうした阪神ファンのマナー違反がはびこる原因は球団側にあるとの批判もある。
「だってこれはつい最近起こった問題というわけじゃないからね。抜本的な対策をせず、半ば放置してきたのは、球団や、運営する阪神電鉄幹部。彼らの当事者意識があまりに欠如していることがそもそもの元凶だろう」(球団OB)
阪神は、コロナ禍でも観客マナーをめぐって球団幹部がトラブルを起こしていた。
「新型コロナウイルスの問題を受け、日本野球機構(NPB)とJリーグの連絡会議により、NPB所属の12球団は『大声での応援を禁止』を守らせることを前提として、人数制限をしながらも有観客での試合を始めることができた。しかし、阪神本拠地の甲子園球場では、選手応援歌、チャンステーマ、“あと1球”コールの大合唱が、テレビ・ラジオ中継でもしっかり聞き取れるほど行われていた。しかも、一部マスコミが是正しない球団を批判すると、『営業妨害』と文書で抗議する始末。その首謀者は、甲子園球場の元球場長で、球団副社長兼本部長(当時)だった谷本修氏です。京大卒とエリートなのに、感情の起伏が激しく、短気で冷静に物事を考えられないのが難点で、他からも同様の指摘があると球団事務所内で部下を怒鳴り散らした。パワハラに怯えていた職員も多い」(元球団関係者)
谷本氏は現在、阪神電鉄本社取締役で、タイガースなどのスポーツ・エンタテインメント事業全般を担当する本部長を務めており、毎年6月に開かれる阪急阪神ホールディングスの定時株主総会では株主の阪神関連の質疑応答に対応している。
「前時代的な感覚を持つ人がいまだに球団を上から仕切っているのだから、抜本的な応援マナー改革なんてできやしませんよ。悪しき体質を変えるには、谷本氏に代わる、令和の時代に合った球団作りをできる人材を据えないと。球団も今や、阪急阪神ホールディングスからすれば“孫会社”で、球団オーナーには阪急電鉄前社長の杉山オーナーが昨秋に着任。改革に待ったなしの情勢です」(同)
令和の時代に昭和ノリの観戦マナーを放置すれば、そのうち取り返しのつかないトラブルが起こることは想像に難くないだろう。
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