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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > チリの歴史と現実の問題をアニメ化
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.749

カルト教団が題材のアニメ『オオカミの家』、アリ・アスター製作総指揮『骨』と同時併映

国家的犯罪が続いた時代にどう向き合うのか

カルト教団が題材のアニメ『オオカミの家』、アリ・アスター製作総指揮『骨』と同時併映の画像5
『骨』に登場するポルタレス、グスマンは共にチリの保守系の政治家

 ラテンアメリカの文化について詳しい新谷氏は、レオン&コシーニャによる『オオカミの家』と『骨』について、こうも語った。

新谷「チリで1980年代までピノチェト軍事政権が続いたように、ラテンアメリカではこの50年の間に多くの市民が国家的犯罪の中で亡くなったり、行方不明になったままになっています。日常生活の中だけでは消化しきれない多くの死者の存在があり、そうした過去や死者たちにどう向き合うのかがラテンアメリカ各国の文化には共通しています。チリの首都サンティアゴにある、ピノチェト政権時代の人権被害に関する資料をアーカイブした『記憶と人権の博物館』も、そのひとつです。レオン&コシーニャはそうした現実の問題に積極的に関わり、アニメーション表現へと昇華しているように感じます」

 南米チリの歴史を背景にしたアニメーションがもたらす未体験の恐怖を、ぜひ2本続けて堪能してほしい。

『オオカミの家』
監督/クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
©Diluvio & Globo Rojo Films, 2018

同時上映『骨』
製作総指揮/アリ・アスター 監督/クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
©Pista B & Diluvio, 2023

配給/ザジフィルムズ
8月19日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
zaziefilms.com/lacasalobo

【パンドラ映画館】過去の記事はこちら

最終更新:2023/08/03 19:00
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