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『ペントレ』高校生カップルの子どもはあの伏線とつながる? いよいよ“未来編”完結へ

『ペントレ』高校生カップルの子どもはあの伏線とつながる? いよいよ“未来編”完結への画像
ドラマ公式サイトより

 2023年の春、秋葉原行きのつくばエクスプレスの5号車と6号車が突如車両ごと荒廃した世界にワープし、乗客たちが極限下を懸命に生きる姿を描くヒューマンエンターテインメントドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系)。6月2日に放送された第7話は、2060年の未来に飛ばされた謎が徐々に明らかになり始め、2023年に帰還できる可能性がはっきりと提示される回だった。

 2023年の世界では、日本随一の有名大学で数々の賞を獲っている物理学教授・蓮見涼平(間宮祥太朗)が車両消失事件の謎に迫っていた。当日、流れ星が観測されていたが、蓮見はこれが超新星爆発ではないかと疑い、「この時発生した10億度以上ものエネルギー」が地震を引き起こし、時空の歪みが生まれ、トンネルがワームホールとなり、タイムワープをしてしまったのではと推察する。

 同じく2060年でも、6号車の海老原(加治将樹)の知識のおかげで同様の推理がなされていた。そして5号車の乗客は、ワームホールさえ開けば元の2023年に戻れるのではと期待する。とはいえ、ワームホールがいつどのように現れるか、そもそもまた開くかどうかもわからない。何の手がかりもないなか、海老原から借りた地図をもとに5号車の乗客は周囲を探索する。時空は超えたが、同じ場所に飛んだのか、それともまったく別の場所なのかを確認するためだ。白浜優斗(赤楚衛二)は月島橋の表示を見つけ、その近くにあった行きつけのお好み焼き店を探す。土の中から見つけたのは、優斗が心を寄せていた店員・樋口真緒(志田彩良)の自転車が埋まっている姿だった。優斗は真緒にもらったキーホルダーをそこに置き、立ち去る。

 高校生カップルの江口和真(日向亘)と佐藤小春(片岡凜)は森を捜索。和真は「絶対にワームホールを見つける」と宣言し、元の世界に戻ったときにやりたいことを口にするが、小春は妊娠していることを明かし、「(2023年に)戻れたとしても、もう普通の高校生には戻れない」「どうしたらいい?」と泣く。和真は何も答えられず、無言の和真を後にして小春は行方をくらましてしまう。

 雨は次第に嵐のようになり、みな車両の中に避難を始める。5号車を降りて森の中で暮らしていた田中弥一(杉本哲太)も乗り込んできて、車両の奥のドアをこじ開けると、トンネルの中にワームホールらしきものが出現していた。田中が作ったわら人形が吸い込まれるのを目撃した優斗は、石を投げ込んでみると、吸い込まれて消えてしまう。優斗は元の世界につながったと確信するのだった――。

 タイムワープの謎が明らかになり始め、帰還の可能性が浮上した第7話だが、萱島直哉(山田裕貴)と畑野紗枝(上白石萌歌)の関係性にも動きが。

 6号車の乗客たちが、塩をつくることができる温泉の湧き水や、川の狩猟場所を「自分たちの領土」として独占しようとすると、直哉は5号車から6号車に移住すると宣言。6号車に向かうと、直哉は6号車の植村(ウエンツ瑛士)とサイコロでの勝負に出る。美容師の商売道具であるシザーセットを賭ける代わり、5号車が自由に魚や塩を獲れる権利を要求した直哉は見事勝利。それを知った紗枝は、直哉が6号車に移住するのを止めようとするが、直哉は6号車のほうが性に合ってるとうそぶいて出て行ってしまう。

 紗枝のことを気にしながらも、いつまでも素直な態度が取れない直哉。行方をくらました小春を探しに雨の森を駆けずり回っていた際、紗枝が足を負傷すると、気温が下がり体を震わせる紗枝のために上着を着せてやるが、紗枝が遠慮すると「別に1ミリも心配してねえよ。あとから文句言われないための保険です」と、またも憎まれ口を叩く。直哉のあまりに素直じゃない態度を追及し、紗枝は「なんでそんなふうに逃げるんですか? 自分の気持ち隠して、嘘ついて」と問われると、直哉はようやく「怖いからだよ」と告白。かつて母親に捨てられた経験から「みんなどうせいなくなる。大事な人は戻ってこない。期待しても裏切られる。だったら最初からひとりでいい。期待なんかしなきゃいい。誰にも何にも期待しない。……それが“逃げてる”? それが俺なんだよ」と本音をこぼすと、紗枝は直哉に上着をかけ、後ろから抱きしめるのだった。直哉は最初は戸惑いながらも、その優しさに思わず涙を流してしまう。

 第7話でもたびたび、元の世界に戻れると思っていない、戻りたいと思わないと言っていた直哉。だが、それは期待が裏切られることを恐れていることの現れ。地図をもとに2023年の地理と合っているかを確認しに各々が探索しに行った際は、直哉は自分が働いていた美容室があった場所を目指す。期待に足を急がせる直哉だったが、何もない光景に「消えたのは俺たちじゃなくて、元の世界」と絶望してしまう。2023年に帰れる可能性が浮上し、紗枝にも本音をこぼすようになった直哉だが、帰る決断をするのだろうか。予告映像では優斗が「一緒に来い!」と呼びかけるも、直哉が首を横に振る場面があった。第8話は「それぞれの決断」があると謳われているが、直哉の決断が気にかかる。

 直哉と紗枝だけでなく、優斗を交えた三角関係も変化が生まれそうだ。優斗は想い人からもらったキーホルダーを手放し、紗枝は優斗からもらった桜の花びらをはさんでいたハンカチを落としてしまった。紗枝が直哉を抱きしめたのは、ただの優しさか、それともそれ以上の感情が芽生え始めたのか。まだまだ3人の関係の結論は見えてこない。

 それと共に、第7話では気になる伏線もあった。唐突に訪れた印象のあった小春の妊娠問題だ。第1話の冒頭では紗枝が赤ん坊を抱きしめて地下鉄のホームを走る謎のシーンがあったが、これは和真と小春の子どもである可能性が高まった。そして2023年に戻れたとしても、2026年に隕石落下が待ち受けているという課題もある。この子が、隕石落下の危機を回避するためのカギになるのだろうか。

 第8話の予告には「未来編完結」とされていることから、ワームホールに入って元の世界に戻るかどうかの迷いが描かれるだろう。隕石落下の危機が確実に訪れるのならば、2023年に戻るより2060年で生きていたいと渡部玲奈(古川琴音)は主張していたが、同じように2060年に残るという選択肢を選ぶ乗客も出てきそうだ。今夜22時放送の第8話は、涙の別れとなるのか、全員が無事帰還となるのか。直哉の決断はいかに。

■番組情報
金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と
TBS系毎週金曜22時~
出演:山田裕貴、赤楚衛二、上白石萌歌、井之脇海、古川琴音、藤原丈一郎(なにわ男子)、日向亘、片岡凜、池田優斗、宮崎秋人、大西礼芳、村田秀亮(とろサーモン)、金澤美穂、志田彩良、白石隼也、濱津隆之、坪倉由幸(我が家)、山口紗弥加、前田公輝、杉本哲太、松雪泰子 ほか
脚本:金子ありさ
音楽:大間々昂
主題歌:Official髭男dism「TATTOO」(ポニーキャニオン/IRORI Records)
プロデューサー:宮﨑真佐子、丸山いづみ
演出:田中健太、岡本伸吾、加藤尚樹、井村太一、濱野大輝
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:tbs.co.jp/p_train823_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/06/09 12:00
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