コロナ5類移行も…「特例2023による登録抹消」多発に振り回されるプロ野球
#プロ野球 #新型コロナウイルス
プロ野球界で“異変”が起こっている。
5月18日、横浜DeNAベイスターズの大和(前田大和)が「特例2023」により1軍登録を抹消された。
感染症法上の新型コロナウイルスの位置づけが「2類相当」から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に引き下げられたことを受けて、日本野球機構(NPB)による感染予防ガイドライン運用は終了されたが、「新型コロナウイルス感染拡大防止特例」は継続されている。「特例2023」とは、本人および家族に新型コロナウイルス感染の疑いがあるときや、発熱などの体調不良がみられる場合に適用される。通常のルールでは1軍登録を抹消された選手は10日を経ないと再登録ができないが、この「特例2023」による登録抹消であれば、10日を待たずとも再登録が可能で、昨夏に倦怠感を訴えたヤクルトの村上宗隆は「特例2022」で登録抹消となったものの、PCR検査で陰性だったために翌日に出場選手登録され、復帰を果たしている。
「大和は打率こそ2割を満たしていませんが、勝負どころの代打成績で存在感を発揮しており、後輩からも慕われていました。戦線離脱はチームにとってもかなりの痛手になりましたが、25日に無事、復帰しました」(スポーツ紙野球デスク)
だが、この「特例2023」による登録抹消がこのところ頻発している。
「19日には広島・戸根千明が喉の痛み・発熱が見られて登録抹消。オリックスではT-岡田が17日に、20日は予告先発で名前があった山本由伸も発熱による体調不良で抹消されています。さらに昨年のセ・リーグ優勝チームのヤクルトも、リーグ最年長の青木宣親外野手が23日に『特例2023』で登録抹消。阪神戦は3連敗となりました」(同)
こうした背景から、選手の大幅入れ替えを余儀なくされるチームも少なくない。関係者は、「間違いなくコロナが再拡大していると捉える球界関係者は多い。気温も上昇し、マスク着用をしていない選手も多いが、集団行動のため、ひとたび罹患者が出るとあっという間に広がってしまうリスクを常に抱えている」と解説する。
ただ、以前なら球団も積極的にコロナ感染を広報していたが、今年はやや様子が異なるようだ。
「まずもって『めんどくさい』というのがあります。政府の方針からは無くなったとはいっても、チーム内でコロナ感染者が出るとやはり周囲は気になるもの。ただPCR検査、隔離措置などは人員や作業効率を含めて大きな負担になるので、そもそも検査すらしない球団が大半。調べてないから『ただの体調不良』と言い張ることもできる。中には『発熱したらとりあえず休んでおけ。それしかできないよ』と開き直る球団もあるほどです」(同・関係者)
思い起こせば昨年までの3年間、大事な時期に入って選手の大量コロナ感染が発覚してペナントレースにも大きな影響を与えたのは記憶に新しい。選手や関係者の健康とチーム戦況を天秤にかけた戦いは今年もひっそり行われるのが実情のようだ。
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