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木村拓哉『教場0』まるでコメディ? 「体力ない市原隼人」「タクシーでダイイングメッセージ」

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『風間公親-教場0-』FOD配信ページより

 木村拓哉が9年ぶりに月9主演を張るフジテレビ系連続ドラマ『風間公親-教場0-』が10日に初回放送を迎え、世帯視聴率の平均は12.1%、個人視聴率は7.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ/以下同)を記録した。

 この世帯視聴率は、2023年に放送が始まった民放の連続ドラマの初回としては最高記録ということで、概ね“成功ムード”だが、過去のスペシャルドラマ版は2020年放送の『教場』が前編15.3%、後編15.0%で、2021年放送の『教場II』が前編が13.5%、後編13.2%と高い世帯視聴率を誇っていただけに、盛り下がっているのではとの指摘もあるようだ。

 もっとも、10日の21時台は、日本テレビで、WBC優勝で注目を集める栗山英樹監督の大会後初バラエティ出演となる『しゃべくり007』の2時間スペシャルが放送されたのを始め、テレビ朝日は5周年企画で『帰れマンデー見っけ隊!!』の3時間スペシャル、TBSは同番組で人気の丸山ゴンザレス氏が出演する回の『クレイジージャーニー』など強豪がひしめいていただけに、正月特番の過去シリーズとは事情が違うとの見方もある。

 いずれにせよまずまずの滑り出しを見せたといえそうだが、肝心の内容については賛否を呼んでいるようだ。

 『教場』シリーズは、長岡弘樹によるベストセラー小説を映像化した作品で、警察学校を舞台に、人としての倫理感や警察官としての資質を冷徹に見極め、適性のない生徒には容赦なく退学届を突きつける“最恐”の教官・風間公親を主人公にしたドラマ。厳しすぎる規律や絶対服従の上下関係なども描かれる中で、生徒たちの抱えるさまざまな葛藤や秘密と向き合う人間ドラマだ。今回の『風間公親-教場0-』は、『教場0 刑事指導官・風間公親』『教場X 刑事指導官・風間公親』を原作に、警察学校赴任前の前日譚を連続ドラマで描くという試みだが……。

「木村がグレイヘアーで冷酷無比な教官を演じるという点で話題となった『教場』ですが、実のところ続編の『教場II』はそこまで評判がよくありませんでした。というのも、『教場』のほうは原作小説にわりと準拠した形だったのが、『教場II』では交通事故で亡くなる人物をわざわざ変更し、前作に登場した工藤阿須加演じる優等生を死亡させたりといったドラマオリジナルの改変が目立ったんですが、特に原作で男性だった堂本と忍野を女性に変えたことで、ストーリーがわかりづらくなってしまったという問題を生みました。

 原作では、坂根千亜季を一方的に想っていた堂本には千亜季の所持品を盗む“性癖”があり、堂本の窃盗行為に気づいた友人の忍野が、いつも自分を助けてくれる堂本をかばおうとするという構図でした。しかしドラマではこの3人が全員女性。同性愛として描かれることになり、さらに堂本が忍野に心変わりするという展開が入ったことで、話がややこしくなってしまった。おかげで、『堂本がなんで千亜季のものを盗んだのかよくわからなかった』『堂本は結局どっちが好きだったの?』など混乱する視聴者が出てくることに。堂本と千亜季の見分けがつかなかったために話が理解できなかったという声もありましたね(苦笑)。

 また、『教場』は木村と家族ぐるみで仲のいい明石家さんまがチョイ役で出演しましたが、『教場II』のラストにもサプライズで登場し、こうした演出も『ドラマの雰囲気が台無し』と視聴者をゲンナリさせました」(テレビ誌記者)

 『教場II』でやや評判を落としてしまった形だが、初の連続ドラマ化となる『風間公親-教場0-』も、初回のある設定で引っかかった人が続出したという。

「初回では2つの事件が扱われ、2つ目の事件の犯人役として市原隼人がゲスト出演したのですが、体力がなくて警察学校でついていけず中退したという設定に視聴者が総ツッコミ。市原といえば、昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では八田知家を演じましたが、胸元がはだけた着こなしに“セクシー八田”とネットで呼ばれるようになり、第42話では筋骨隆々の体を見せつける場面もありました。市原のマッチョぶりは世間でも有名ですから、あまりにアンマッチな配役に『説得力なさすぎて笑った』『明らかにガタイいいのに無理ありすぎ』『正義感が強い市原隼人は解釈一致なんだけど体力がない市原隼人はさすがに解釈違いすぎる』と視聴者から総ツッコミ状態でしたね」(同)

 これは“昔はそうだった”という設定として飲み込めそうだが、刑事ドラマとしては肝心の部分も疑問符を持たれてしまったようだ。

「1つ目の事件では、被害者が殺される直前、乗車しているタクシーの運転手に指示をして不自然な遠回りをさせるのですが、身の危険を感じて走行経路にダイイングメッセージを仕込んでおいたというまさかのオチに、『殺されるかもって時にわざわざタクシー使ってダイイングメッセージ残しておくの面白すぎる』『死ぬ前にタクシーでダイイングメッセージは器用すぎん?』『タクシー使った大々的なダイイングメッセージがわからなくて刑事やめろって言われるの草不可避』などと、こちらもツッコミが多数。市原の件と合わせて『月9になって方向がシリアスコメディになったのか?』『もしかして教場ってコメディ?』といった声も。不評のさんまが冒頭から再び登場したこともあり、『思ってたのと違った』とガッカリする人も少なくなかったようです」(同)

 今後登場する新垣結衣らに期待する声も多いが、『風間公親-教場0-』はここから盛り上がっていけるだろうか。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2023/04/11 19:00
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