WBC準決勝で侍ジャパンと対戦…イタリアの野球が躍進した理由とは
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野球世界一決定戦の「第5回ワールド・ベースボール・クラシック(以下WBC)」の1次ラウンドのグループBを4戦全勝の1位で通過して準々決勝進出を決めた日本代表・侍ジャパン。16日に行われる準々決勝では、グループAを2位で通過したイタリアと対戦する。
イタリアのグループAはほかに、チャイニーズ・タイペイ(台湾)、オランダ、キューバ、パナマがおり、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が発表したポイント制のランキングでは台湾が2位と5カ国中最もランクが上位で、イタリアは16位の最下位だった。にもかかわらず、グループAは5カ国が2勝2敗で並ぶ大混戦に。勝ち数で並んだため、失点率で順位が決定され、グループAの1位はキューバ、2位はイタリアとなり、開催地の台湾はまさかの1次ラウンド敗退となってしまった。
「かつて国際大会で無敵だったキューバは、続々と優秀なプレーヤーが亡命してアメリカでメジャーリーガーとなったために弱体化。しかし台湾も開催地としての大歓声に応えられず、キューバに大敗する結果に。序盤こそ、打線が好調なオランダの調子が良かったが、最終戦で手堅い野球をするイタリアにまさかの敗戦を喫してしまった。侍ジャパンのメンバーたちも、まさかイタリアと当たるとは思わなかったのでは」(スポーツ紙デスク)
イタリアといえば、これまでサッカーのFIFAワールドカップでは4度の優勝を誇り、国内リーグのセリエAはかつては世界最高峰リーグに位置付けられていた。
一方、 イタリアの野球はというと、1948年に設立されたイタリアおよびサンマリノの野球ト ップリーグであるセリエAが存在しているが、あまり知られていない。
「2021年以降はしっかり組織を確立し、従来の2部制を廃して1部制を採用。下位リーグはサッカー同様にセリエB、セリエCと呼ばれる。2021年シーズンは32球団、2022年シーズンは30球団が参加。ヨーロッパにおいて最もレベルの高い野球リーグのひとつであり、優勝チーム及び選考を勝ち抜いた2チームは欧州チャンピオンズカップの出場権を得ることができることもあり、人気は年々高まりつつあるが、サッカーの足元にも及ばないのが現状」(世界の野球事情に詳しいスポーツジャーナリスト)
そんなイタリア野球に多大なる貢献を果たしたのが、今回、代表チームを率いる元メジャーリーガーのマイク・ピアッツァ監督だという。
「日本球界のパイオニアとしてメジャーに挑戦した野茂英雄氏がドジャースで投げていた時代に、捕手としてバッテリーを組んでいたことでも知られるピアッツァ。2000安打、 400本塁打を放った強打で知られ、 2008年5月に現役引退を引退し、2016年にアメリカ野球殿堂入り。イタリア系であることから、2006年の第1回WBCにはイタリア代表で出場していたが、2009年と2013年のWBCではコーチをつとめ、本選の予選ラウンド突破に貢献。イタリア野球界の発展に力を尽くす大人物であり、今回ついに監督に就任。緻密な野球でチームを準々決勝進出に導いた。日本にとって、手ごわい相手になりそうだ」(プロ野球担当記者)
今回で5回目を迎えるWBCだが、日本がイタリアとWBCで対戦するのは初。WBSCの順位では日本が1位でイタリアが16位だが、ピアッツァ監督は大番狂わせを狙ってくるはずだ。
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