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『星降る夜に』に完敗の『夕暮れに』、広瀬すずの“主人公チート無双”ぶりが不評

『星降る夜に』に完敗の『夕暮れに』、広瀬すずの“主人公チート無双”ぶりが不評の画像
ドラマ公式サイトより

 広瀬すず主演のTBS系火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』が苦戦している。2月21日放送の第6話の世帯視聴率は平均5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、第3話に並んで自己最低をマーク。全話平均で現状6.48%で、今期ワースト5入りとなっている。

 火曜日の民放ゴールデン・プライム帯ドラマは今期、TBSの『夕暮れに』以外にも、テレビ朝日で吉高由里子主演の『星降る夜に』が放送中だ。同日スタート、大御所女性脚本家による若者のラブストーリーという共通項もあり、両ドラマの対決も注目されたが、当初好調だった『夕暮れに』は今ではすっかり『星降る夜に』に逆転されてしまったようだ。

「世帯視聴率では当初、『夕暮れに』は初回8.0%を記録し、今期の民放GP帯ドラマではベスト5に入る滑り出しを見せましたが、第2話で6.6%と1.4ポイント下げ、第3話でさらに5.9%にまで下降。一瞬盛り返しましたが、第6話で再び5.9%にダウンしました。一方、初回7.7%からスタートした『星降る夜に』は第4話から6%台に突入したものの、そのまま6%台で踏みとどまっており、全話平均は7.01%で、『夕暮れに』は『星降る夜に』に視聴率ですっかり逆転されてしまいました」(テレビ誌記者)

 さらに見逃し配信のTVerでも逆転現象が起きたという。

「放送開始当初、TVer総合ランキングではほとんど『夕暮れに』が『星降る夜に』より上位にきている状態が続いていましたが、今では『夕暮れに』が『星降る夜に』を上回ることはほぼありません。お気に入り登録者数も、それぞれ2話まで放送された1月30日の時点では『夕暮れに』が72.4万人、『星降る夜に』が67.6万人と差をつけていましたが、2月16日には『夕暮れに』が82万人、『星降る夜に』が82.2万人と逆転。27日時点では『夕暮れに』は84万人、『星降る夜に』は85.6万人とさらに差を広げられています」(同)

 なぜこんなことになってしまったのだろうか。“ラブ要素”の差が大きいのではとドラマライターは指摘する。

「『夕暮れに』は『青春ラブストーリー』、『星降る夜に』は『大人のピュアラブストーリー』と銘打ってますが、『星降る夜に』は産婦人科医や出産にまつわる問題、医療裁判やストーカーなどのシリアスな要素を詰め込みながらも、メイン2人の恋模様もしっかり描かれ、特に北村匠海演じる年下彼氏のピュアっぷりが評判ですが、『夕暮れに』はようやくお互いに相手への想いを自覚し始めた段階で、なかなか関係が進展しません。脚本の北川さんは、ラブストーリーの鉄板の展開をあえて避けており、これは(メインの)ふたりが夢を追う物語だとインタビューで明言しているので意図的なのでしょうが、その“夢を追う物語”があまりに薄っぺらいために、余計に恋愛部分の話が進まないことに飽きられ始めているのでは」

 「映像は素敵だが、ストーリーが残念」とも指摘される『夕暮れに』。特に広瀬すず演じる浅葱空豆(あさぎ・そらまめ)が不評だという。

「北川作品のヒロインは基本的に、おおざっぱで、あり得ないようなミスをするなど抜けたところがあり、直感を信じてとにかく他人を振り回し、でもなぜか周囲に愛されるというキャラクター。20~30年前ならそういうヒロインは珍しかったのでよかったでしょうが、『半分、青い。』(NHK)にしろ、今はそういうキャラクターは共感されないどころか、反感を買うばかりです。

 『夕暮れに』の空豆も、見知らぬ他人や上司にタメ口をきいたり、人のドレスを無断でバラバラに裁断したり、世間一般では非常識とされる行動が散見され、Twitterでは『空豆』で検索するとサジェストで『嫌い』『無理』が候補にあがってくる始末。しかも、なぜかそんな行動を取っても周囲は『空豆ちゃん』と言って大目に見るどころか可愛がっており、加えて実は母親は著名デザイナー、父親も天才画家という『天才2人から生まれたサラブレッド』設定が明かされ、空豆は唐突にデザイナーとしての才能を開花。視聴者からは『さすがにヒロインチート無双すぎる』『少年マンガの主人公かよ』と呆れた声が出ています。第6話ではようやく、働き始めたアパレルブランドで新人の空豆が好き放題していることに、女性の同僚がブチ切れる展開がありましたが、結局、空豆の奔放な発言や失礼な行動が何もかもいい結果に転じるという“空豆が正義”状態となり、同僚が怒ったことについては『組織ではスタンドプレーは嫌われる』という結論になっていました」(同・ドラマライター)

 脚本家の顔がチラつく設定も賛否を呼んでいる。

「空豆の母親・塔子は松雪泰子さんが演じていますが、ビジュアルが北川センセイにソックリと話題。広瀬演じる浅葱空豆という役名は、北川さんの実の娘が写真家として活動していた際に使っていた名前ですから、狙って北川さんに見た目を寄せたのでしょうが、あまりに“北川色”が強過ぎるとの批判も出ています。主題歌がヨルシカなのも北川さんがヨルシカの大ファンだった影響ですし、演技経験の少ない[Alexandros]の川上洋平さんが起用されたのも、北川さんのお気に入りだから。ちなみに、内田理央演じる女性歌手は『アリエル』と名乗っていましたが、第6話で永瀬廉演じる音とユニットを組むにあたって『ソイ』と改名。カフェでバイトしている音のプロデューサー名が『デカフェ』なのでそれに合わせた形ですが、北川センセイお気に入りの川上さんが飼っている猫の名前がソイとラテのため、そこから命名されたのではとの憶測も呼んでいます」(芸能記者)

 そのソイは結局、結婚をとって音楽を勝手に諦めるという思わぬ展開を見せ、「大半の登場人物が自分勝手で非常識」「メインキャラで常識人は音だけ」ともいわれている『夕暮れに』。大手メジャーレコード会社と契約するアーティストと、デザイナーとしての才能を秘めたサラブレッドという、浮世離れした2人の青春ラブストーリーは、どのような決着を見せるのだろうか。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2023/02/28 07:00
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