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『罠の戦争』手強すぎる鶴巻との攻防の裏で、いよいよ明かるみに出そうな2つの真実

『罠の戦争』手強すぎる鶴巻との攻防の裏で、いよいよ明かるみに出そうな2つの真実の画像
FOD配信ページより

 カンテレ制作・フジテレビ系列放送の草彅剛主演月10ドラマ『罠の戦争』。2月20日に放送された第6話は、弱者が到底敵わない巨悪に挑む“リベンジドラマ”の王道ともいえる放送回となった。

 息子・泰生(たいき)を意識不明の重体に追いやった犯人を見つけ出そうと奔走する鷲津は、事故の捜査を取りやめさせるよう警察に圧力をかけた人物を探るため、出馬を決意。第5話で見事に選挙戦を制した鷲津は、国会議員という強力な肩書を発動し、警察幹部に直接、隠ぺいの指示を誰が行ったのかを聞き出すが、そこで知らされた名前は民政党幹事長の鶴巻憲一(岸部一徳)だった。代議士・鷲津の後見人的存在で、選挙では援護射撃で当選をサポートした恩人であり、内閣総理大臣・竜崎始(高橋克典)ですら「頭が上がらない」とまでいわれる第一党・民政党の重鎮だ。

 これまでとは格の違う強敵だが、弱みを見つけ、それをネタに真相を引き出そうとする鷲津の戦略は変わらない。鷲津が目を付けたのは、鶴巻が絶対に夜の予定を入れないという第2・第4月曜日。身内以外は鶴巻が誰と何をしているのかを知らないといい、秘書の蛍原梨恵(小野花梨)と蛯沢眞人(杉野遥亮)に探らせる。副幹事長で、鷲津の親友でもある鷹野聡史(小澤征悦)は「幹事長を探るのだけはやめろ」「(職務外の)動向を探って更迭された代議士は何人もいる」と、脅しにも似た忠告をするが、鷲津はその助言を無視してでも尾行を実行。切迫感のあるBGMと相まって緊張感に満ちた尾行シーンだが、鶴巻にあっさりバレてしまう。

 週刊誌記者・熊谷由貴(宮澤エマ)の協力によって二度目の尾行は成功し、鶴巻が医者に会っていることを突き止め、体調に不安があるのではと鷲津は問い詰めるが、鶴巻はただのチェス仲間だと言って相手にしない。さらに、鷲津は選挙中、鶴巻の指示で票集めのために500万円をバラまいたが、鶴巻は自分が指示した証拠はないとして、この「買収」工作をネタに逆に鷲津を脅す。おそらく500万円は、最初から鷲津の弱みを握るための“罠”だったのだろう。用意周到な鶴巻の恐ろしさが浮かび上がる。脅された鷲津だが、真相を知るためなら議員辞職となっても、逮捕されても構わないと怒りを見せる。そして自分が逮捕されるなら、その前にすべてを暴露すると警告。たとえ鶴巻が隠ぺい工作を指示したとの証拠がなくとも、直後に自分が逮捕されれば国民は疑うはずだとにらんだのだ。それでも「歯向かってくるぐらいのほうが私は好きだ」と余裕を見せる鶴巻。鷲津と鶴巻の攻防はとにかくハラハラさせられるシーンだった。

 もうひとつのスリリングな展開といえば、蛯沢の兄・浩輝(森田甘路)の死にまつわる真相を蛍原が鷲津に伝えたシーンだろう。浩輝は経営する運送会社の融資に困り、鷲津が秘書として勤めていた元代議士・犬飼孝介(本田博太郎)の事務所に陳情したが、「善処する」の返事をもらって喜んだものの、そのまま放置された末に過労死してしまった。蛯沢は兄の復讐を果たすべく犬飼事務所のスタッフに加わったのだが、鷲津による犬飼失脚によりその悲願は成就したはずだった。しかし、浩輝の陳情は実は犬飼本人ではなく鷲津が対応していたことが発覚。放置していたのも鷲津だった。蛍原に、蛯沢に知らせるかどうかは任せると言われる鷲津。犬飼への復讐を果たし、研究職に戻るか悩んでいた蛯沢に「俺、鷲津さんについていきます!」と純真な目で宣言され、鷲津はとうとう事実を明かすか……と思われたが、言いとどまってしまう。鷲津は息子の事件の真相に迫りつつあるが、蛯沢が兄の件の真実を知る日は来るだろうか。

 第6話は鷲津に危機が迫る中で、竜崎総理も動き出した。「目の上のたんこぶ」である鶴巻を追い落としたい竜崎は、鷲津の息子の事件の隠ぺい工作を図ったのが鶴巻であり、鷲津がそれを探っていることを知り、協力を申し出る。鶴巻派のスキャンダル発覚をもくろむ竜崎は、事件当日に鶴巻が予定を切り上げて幹事長室にこもりきりになっており、誰かと密談していたのではと鷲津に囁く。そして鷲津がたどり着いたのは、なんと厚生労働大臣の鴨井ゆう子(片平なぎさ)だった。

 鴨井はこれまで鷲津に協力的で、とりわけ妻・可南子(井川遥)に親身だった。鴨井が支援しているDV被害者女性を保護するNPO団体を可南子が見学したいと言ったときも鴨井は自ら可南子を案内。DV夫がナイフを持って突然乗り込んできたのを見事追い返した場面で、その後に可南子に聞かせた言葉は、実社会の政治に向けたメッセージに満ちたハイライトだった。「女を下に見るやつほど、肩書きで態度が一変する」「政治の世界が一番の男社会」「ボス猿の集まり」。1分にも満たないシーンで飛び出す男社会へのアンチテーゼは極めて爽快だった。

 「総理になって女性が当たり前に活躍できる社会を作りたい」。そんな鴨井が、鶴巻に事件の隠ぺいを頼んだのだろうか。鷲津は、妻が尊敬する鴨井を断罪することができるのか。鶴巻に睨まれた鷲津は復讐のために“竜崎派”の駒となるのか。そして“蛯沢の復讐劇”は再始動するのか……。第7話もますます目が離せない展開となりそうだ。

■番組情報
月曜ドラマ『罠の戦争
フジテレビ系毎週月曜22時~
出演:草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨、坂口涼太郎、白鳥晴都、小澤征悦、宮澤エマ、飯田基祐、高橋克典、片平なぎさ、岸部一徳 ほか
脚本:後藤法子
音楽:菅野祐悟
主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」(Warner Music Japan)
プロデューサー:河西秀幸
演出:宝来忠昭
演出・プロデューサー:三宅喜重
製作・著作:カンテレ
公式サイト:ktv.jp/wana

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/02/27 12:00
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