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『罠の戦争』岸部一徳“鶴巻幹事長”が黒幕? 選挙戦勝利も待ち受けるいばらの道

『罠の戦争』岸部一徳“鶴巻幹事長”が黒幕? 選挙戦勝利も待ち受けるいばらの道の画像
FOD配信ページより

 カンテレ制作・フジテレビ系列放送による月10ドラマ『罠の戦争』の第5話が2月13日に放送された。草彅剛演じる主人公・鷲津亨(わしづ・とおる)の選挙戦の火蓋が切って落とされたが、同じ選挙区にはライバル候補が擁立され、事務所内部にはスパイがいる可能性が浮上するなど、幾多の困難が待ち受ける。内閣総理大臣・竜崎始(高橋克典)が鷲津に語ったように、「誰が敵になるか、どんな罠が潜んでいるかわからない」戦いの開幕といえる放送回となった。

 息子・泰生(白鳥晴都)の事故にまつわる真相究明と、事件の犯人、そしてその隠ぺいを指示した許されざる黒幕への復讐劇を描く同作は、いよいよ中盤戦に投入。第一秘書を務めていた内閣府特命担当大臣・犬飼孝介(本田博太郎)の地盤を引き継ぎ、千葉15区から出馬することを決意した鷲津は民政党幹事長・鶴巻憲一(岸部一徳)から公認を得たが、早速不穏な幕開けとなった。同じ千葉15区から、前内閣を解散に追い込んだ記事を出した人気フリージャーナリスト・有馬保奈美(真田麻好美)が出馬することに。現竜崎内閣誕生の立役者ともいえる有馬は竜崎とも親しく、裏に竜崎が関わっているのだろうと鶴巻はにらむ。一大勢力である鶴巻派を削ぐために、わざと有馬を千葉15区にぶつけてきたというのだ。期待の新人同士の選挙戦と注目される千葉15区だが、実情は今後の民政党内の勢力図を占う代理戦争であり、有馬の背後に竜崎がいるということは、現首相を相手にするということでもある。政治ゲームに巻き込まれた鷲津を待ち受ける未来は当選しようとも落選しようともバッドエンドになるだろうことが想像されるこの展開に、なんともやりきれない気持ちになった。

 有馬陣営はやはり鷲津にとって強力な敵となった。手配していたうぐいす嬢が3人全員、有馬陣営に引き抜かれてしまう。さらに、鷲津を貶めようとするビラが出回る。犬飼を引退に追い込んで出馬した、実は息子を虐待していたなどと中傷する内容に加え、鷲津事務所が“ブラック”がゆえにうぐいす嬢に逃げられたとする、事務所内の事情に妙に詳しいものも。事務所内にスパイがいる可能性が浮上し、秘書の蛍原梨恵(小野花梨)は秘書見習いの蛯沢眞人(杉野遥亮)に疑いの目を向ける。蛯沢は兄が自死した背景に兄の陳情を犬飼が放置した件にあるとして犬飼を恨んでいたが、第4話で実は兄の対応をしたのが鷲津だったことが発覚。蛍原はこの事実に気づいていたからだ。

 蛯沢はこの第5話で、さらに選挙違反となる行為も行い、鷲津の足を意図的に引っ張ろうとしているかと思われたが、これはどうやら無知ゆえの行為だったことが明らかになり、また事務所内の「スパイ」も、おしゃべり好きなスタッフが敵陣営に利用される形で情報をうっかり流してしまっていたことが突き止められ、とりあえず裏切り者はいなかったということで事なきを得た。だが、蛍原が蛯沢に「もしかして、知ってたんじゃ? あなたの本当の標的は……」と、兄の陳情を放置したのが鷲津であることを知っているのではと確認した際、蛯沢は聞こえていなかったのか、聞こえないフリをしたのか、まったく関係ない話を始めた。蛯沢が鷲津を狙っている可能性はまだゼロとは言い切れない。蛍原が第5話最後で、蛯沢兄の陳情の記録を抜き取り、自分のデスクに閉まっていたところからすると、この件はまだ今後の展開にひと波乱生みそうだ。

 鷲津は、事務所内のおしゃべりスタッフから有馬陣営が情報を得ていることに気づき、逆にこれを利用することで、総理秘書官の猫田正和(飯田基祐)が竜崎の指示で有馬をバックアップしていることを突き止める。鷲津は、息子の事件の隠ぺいを指示したのが竜崎ではないかと考え、問い詰めるが、猫田は「初耳です」と答え、有馬の応援も自分が個人的にやっただけで竜崎は関係ないと言って立ち去る。猫田による選挙妨害を見破り、鶴巻幹事長や厚生労働大臣・鴨井ゆう子(片平なぎさ)の応援演説、鶴巻からもらった500万円を使っての票集め、そして最後の街頭演説での鷲津の涙ながらの訴え……どれが功を奏したかはわからないが、鷲津は見事、それまで優勢だった有馬を打ち破り、当選を勝ち取るのだった。

 一介の秘書から代議士となった鷲津は、警視庁に乗り込み、息子の事件の捜査をストップさせたのは総理ではと問い詰める。だが、対応した警察幹部は「何もわかってないんだな」と鼻で笑う。そして続いて出てきた言葉は、「本当に怖いのは誰なのか。あなたも敵に回したくないでしょ、幹事長だけは」。鶴巻幹事長が黒幕なのか。衝撃の発言で第5話は幕を閉じた。

 無事に当選し、これで「永田町の敵」に一歩近づいたと考えていた鷲津だが、自分に公認を与え、出馬させた鶴巻こそが「敵」の可能性が色濃くなってきた。そして鶴巻を目の上のたんこぶだと考えている竜崎もまた、鷲津を利用しようと企んでいるようだ。第5話では、新人候補者として華々しく希望に満ちあふれた「表向き」の顔とは対象的に、事件の深部に近づいていく冷徹なリベンジャーとしての「本性」が際立ってきた鷲津だったが、鶴巻にしろ竜崎にそろ、その復讐心を政治ゲームに利用してしまいそうな一枚上手な大物感がある。鷲津はこの強敵たちを前に、「息子に誇れる人間」でいつづけ、「弱くても強い代議士」として戦うことができるのか。ドラマ中盤で迎えた山場をどう乗り越えていくのか注目したい。

■番組情報
月曜ドラマ『罠の戦争
フジテレビ系毎週月曜22時~
出演:草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨、坂口涼太郎、白鳥晴都、小澤征悦、宮澤エマ、飯田基祐、高橋克典、片平なぎさ、岸部一徳 ほか
脚本:後藤法子
音楽:菅野祐悟
主題歌:香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」(Warner Music Japan)
プロデューサー:河西秀幸
演出:宝来忠昭
演出・プロデューサー:三宅喜重
製作・著作:カンテレ
公式サイト:ktv.jp/wana

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/02/20 12:00
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