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『100万回言えばよかった』松山ケンイチ“魚住”のかわいさにほっこりも…隠された秘密アリ?

『100万回言えばよかった』松山ケンイチ“魚住”のかわいさにほっこりも…隠された秘密アリ?の画像
松山ケンイチ演じる魚住と佐藤健演じる直木(ドラマ公式サイトより)

 『100よか』こと、井上真央主演のTBS系金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』が早くも盛り上がりを見せている。

 『100よか』は、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』などを手がけた脚本家・安達奈緒子が描く、ミステリーを交えたオリジナル恋愛ドラマである。安達は『おかえりモネ』で主人公のモネ(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)という名カップルを誕生させていたが、今回の『100よか』でもその手腕を大いに発揮。運命の相手と信じていた恋人を突然失う主人公・相馬悠依(井上真央)と、なぜ幽霊になったのか自分でも分からない恋人・鳥野直木(佐藤健)のやり取りに、SNS上の視聴者からは「キュンとする」といったコメントが寄せられている。

 そんな悠依と直木のカップルに寄り添うのが、幽霊が見えてしまう刑事の魚住譲(松山ケンイチ)だ。魚住の協力によって、幽霊となった直木の存在を確信した悠依。それは直木の死を意味したが、「それでもいい、直木がいるって感じられるなら」と前向きになろうとしていた。一方、直木が行方不明になった1月13日の前日、高原涼香(近藤千尋)という女性が殺害される事件が発生していたが、高原のマンションの防犯カメラに直木が映っていたのを発見した魚住は、その情報を同僚に共有。直木が犯人ではと疑う同僚の田島(少路勇介)たちに、魚住は「この男の幽霊が見える」とおそるおそる打ち明けるが、田島からは怪訝な反応をされ、「見えるならさ、聞いてみろよ、『犯人はお前か!』って」と言われてしまう。

 悠依は改めて魚住を呼び出し、警察に直木の捜索を依頼したいと願い出る。魚住は「僕の感覚では十中八九、直木さんは亡くなっていると思います。そして、直木さんについて調べていくと、今よりもっとつらい事実が明らかになってくる可能性があります。そのことを理解していただけますか」と確認する。直木と悠依の答えは、ほぼ即答でイエスだった。

 高原涼香の事件のことが引っかかっている魚住はまず、直木本人に失踪した13日の行動について確認する。洋食屋ハチドリのシェフである直木は当日、店は臨時休業にして、昼に子ども食堂を開いたが、14時頃に子どもたちが帰ったあとの記憶がなかった。気づいたときにはすでに“幽霊”の状態で自室で寝ており、つまり直木の記憶には7時間の空白があった。手がかりを探してPCと同期していたスマートフォンのショートメールを開くと、未登録の番号から「待っています。何かありましたか?」というメッセージが当日の15時過ぎに届いていたのを発見する。誰と会おうとしていたのか尋ねると、直木は「言ってなくてごめん。尾崎莉桜、覚えてる?」と懐かしい人物の名前を出した。莉桜は20年前、悠依と直木が里親施設で暮らしていたころ、一時的に里親の広田夫婦のもとに預けられていた2歳年上の女性だった。しかしある日、突然いなくなったまま行方が分からなくなっていた。

 直木は、里親だった広田勝(春風亭昇太)から「莉桜を探してもらえないかな」と頼まれていた。突然姿を消した莉桜の荷物はそのまま勝の家にあり、探し出して本人に返してほしいというのだ。直木に何が起こったのか、一つでも多くの手がかりがほしい悠依は、その番号に連絡してみるという。そんな悠依を、直木は心配することしかできない。自分の無力さを感じる中、直木は同じく成仏できず現世をさまよっている樋口(板倉俊之)と出会う。しかし自分の死を認めることに怖気づき、逃げるように立ち去ってしまう。

 気丈に振る舞っていた悠依も、直木の死を認められない気持ちは一緒だった。直木と特徴が似た遺体が発見されたと連絡があった悠依は確認に警察署を訪れ、別人であることが判明したものの、極度の緊張により過呼吸を起こしてしまう。直木の死を頭では理解できても、悠依の体が拒絶していたのだった。「感じられるなら大丈夫なんてウソ」「体がないって、つらい。そこにいるなら触ってよ。触らせてよ」と涙する悠依。拭おうと直木は手を差し出すが、すり抜けてしまう。お互いを感じられない苦しみを改めて実感した二人は、気持ちを整理するためにも事実を明らかにすることを改めて誓い合う。

 自分が高原涼香殺害事件の重要参考人であることを知った直木は、涼香のマンションを訪ねた理由を魚住に打ち明ける。涼香は莉桜の中学校の同級生で、唯一莉桜の連絡先を知っていた人物だったのだ。しかし、さらに不可解な事情が明らかに。莉桜が勝宅に残していた荷物の中には、現金500万円が入っていた。勝も何の金なのかわからないという。直木は莉桜の行方を探す際、あくまで「私物を返したい」として涼香には500万円については伏せていたが、買い物依存症で自己破産していた涼香は殺害される1カ月前に現金で300万円近く使っており、その金の入手ルートは不明だった。金に執着のある涼香がもし莉桜から500万円のことを聞いていたとしたら、金をめぐって二人がもめたという可能性もある。

 そんな推理が魚住と直木の間に浮かぶ中、悠依のもとに莉桜から返信がくる。「これから会います」と魚住に伝える悠依。莉桜は涼香殺し、さらには直木殺しの犯人の可能性もあるだけに、焦る魚住と直木は悠依のもとに急ぐ……というところで第2話は終了した。

 はたして莉桜は何者なのか。ミステリーと純愛が絶妙なバランスで視聴者を魅了している『100よか』だが、作風にほどよいコメディ色を足しているのが魚住役の松山ケンイチだ。「おばけが見える」というコミカルさに加えて、“幽霊”の直木もいるとはいえ、深夜に悠依と2人きりで部屋に入るように見えるのは悠依にとってよくないのではと憚ったり、直木が悠依への正直な思いを口にするたびに反応したり、悠依の泣き顔を見ないようにうつ伏せながらそっとティッシュを差し出したりと、良識溢れるおちゃめな人柄に、SNS上の視聴者の好感度も抜群である。しかし、第2話では、病院で悠依を診た医者の宋(シム・ウンギョン)が悠依を心配して駆けつけた魚住の姿を見て「ウソでしょ」と驚くシーンが挟まれ、宋と魚住の関係に何かあると思わせる伏線も張られている。

 ミステリー色も深まる『100よか』。第2話は何者かに殺害された涼香のもとをなぜ直木が訪れたか、その理由が明らかになった一方、莉桜という謎の人物が新たに登場した。そして直木が莉桜のことを悠依に伏せていた理由、が今夜放送の第3話では、香里奈演じる莉桜が登場するようだが、はたして直木の“空白の7時間”は解き明かされるのか。注目したい。

■番組情報
金曜ドラマ『100万回 言えばよかった
TBS系毎週金曜22時~
出演:井上真央、佐藤 健、シム・ウンギョン、板倉俊之、少路勇介、穂志もえか、近藤千尋、桜 一花、平岩 紙、春風亭昇太、荒川良々、松山ケンイチ ほか
脚本:安達奈緒子
音楽:河野伸
主題歌:マカロニえんぴつ「リンジュー・ラヴ」
警察監修:志保澤利一郎
里親監修:岩朝しのぶ
医療監修:冨田泰彦、藤田浩
プロデュース:磯山晶、杉田彩佳
演出:金子文紀、山室大輔、古林淳太郎
編成:中西真央、吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:tbs.co.jp/100ie_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/01/27 12:00
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