西島秀俊と濱田岳の無駄遣い? 『警視庁アウトサイダー』思わぬコメディ色の強さに賛否
#テレビ朝日 #西島秀俊 #濱田岳
各局の冬ドラマが徐々にスタートし始めているが、世帯視聴率では相変わらずテレビ朝日が好調の様相だ。
人気シリーズ『相棒』の元日スペシャルとなる第11話は13.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録して民放トップとなっているが、これに続いたのが西島秀俊主演の木曜ドラマ『警視庁アウトサイダー』。5日にスタートした同作は初回10.7%を記録しており、11日時点で「1月スタートの民放新作ドラマ」においては1位発進となっている。
本作は、西島秀俊、濱田岳、上白石萌歌がそれぞれ警察組織の中で異質な存在=アウトサイダーを演じる異色の刑事ドラマ。西島が演じるのは、本庁組織犯罪対策部から所轄に突然飛ばされた50代の元マル暴刑事・架川英児で、左遷の原因となったトラブルの真実を探るために組対への返り咲きを狙っている。この架川とタッグを組むことになるのが、エース刑事ながら実は大きな秘密を抱えているという蓮見光輔(濱田岳)で、架川に秘密を握られたことでやむなく協力するという格好。ここに、実父が警視庁副総監ということを伏せている新米刑事・水木直央(上白石萌歌)も絡んでいき、3人の間に奇妙な絆が芽生えていく――という作品だ。
原作は、TBSでドラマ化され、西島も出演した『メゾン・ド・ポリス』などの加藤実秋氏の同名小説。脚本は、大ヒットした実写映画『東京リベンジャーズ』や、西島主演の『仮面ライダーBLACK SUN』(Amazon Prime Video)などを手がけた髙橋泉氏が担当。演出は『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズなどで知られる木村ひさし監督が務める。主題歌は山下達郎。加えてキャスト陣にはメインの3人のほかに斎藤工、柳葉敏郎、片岡愛之助、石田ひかり、福士誠治、優香、野波麻帆など。西島にとってテレビ朝日の連続ドラマ初主演作となるが、そうそうたる顔ぶれが集結した意欲作だ。
初回2ケタ発進ということもあり、しっかりと“結果”を出した形だが……視聴者からの評判はいまひとつのようだ。
「“アウトサイダー”3人がメインという設定や、木村ひさし監督の演出、『メゾン・ド・ポリス』の作者が原作といった要素を把握していれば、コメディ色の強い作品であることは事前に想像がつきますが、多くは“西島秀俊と濱田岳の刑事モノ”という印象に留まり、シリアスなハードボイルド作品を想定していたようです。そのため、『ノリが深夜ドラマっぽい』『CMがけっこういかつかったから、もっとシリアスなドラマだと思ってた』『コメディ部分が要らない』など、思っていたのと違うという声が多く上がっています。特に予告映像やポスタービジュアルのクールなイメージと、実際の内容とで落差が大きかったという感想が目立ちますね」(テレビ誌記者)
特に、木村監督らしく小ボケが連発されるドラマ全体の“ノリ”に賛否あるようだ。
「西島さん演じる架川が、西島さんの俳優デビュー作品となる『はぐれ刑事純情派』のオープニング曲を着信音にしているといったマニアックなネタはよかったんですが、そもそも『はぐれ刑事』を知っている層が限られるでしょうしね……」(同)
第1話の終盤では、「蓮見光輔」という人物が3年前に行方不明になっていることが明らかになり、蓮見光輔を名乗る濱田岳演じるキャラクターは、蓮見の戸籍を買ってなりすました別人である可能性が示唆され、西島演じる架川とにらみ合う場面で幕を閉じた。
コメディ色の強い展開から最後は一気にシリアスに切り替わり、「これからおもしろくなるかも」と今後に期待とする声もあるが、一方で「ギャグっぽい演出が苦手。肝心の事件捜査もおもしろくなかった」「コメディにしたいのかシリアスにしたのかよくわからんかった」「西島さんファンだけど脱落しそう」といった声も少なくない。作品の独特のノリについていけない層からは「主演ふたりの無駄遣い」「殺されたの室井滋さんか。贅沢というか無駄遣いというか」「主題歌山下達郎って、ちょっとコメディとは違うような」といった声も出ており、顔ぶれが豪華なあまり「ガッカリ」となっているようだ。
テレビ朝日のドラマは全体として、コア層(13~49歳)の個人視聴率が悪く、TVerなどの見逃し配信もふるわない傾向にあるが、この『警視庁アウトサイダー』もTVer総合ランキングでは同日スタートの『忍者に結婚は難しい』(フジテレビ系、初回の世帯視聴率7.0%)に負け続けている状況。〈超異色の刑事ドラマ〉を謳う『警視庁アウトサイダー』だが、主に65歳以上が支えているとされる「世帯視聴率」だけで人気の、“いつものテレ朝”らしい作品という結果に落ち着くのだろうか。
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