『舞いあがれ!』突然の“お父ちゃんショック”とフラグ立ちまくりの柏木との関係(第13-14週)
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冷たいキャラクターが急に優しくなったり、「俺、この戦いが終わったら彼女にプロポーズするんだ」と幸せな未来を語るなど、「いつもと違う」様子を見せるシーンがあると「あ、このあとで、この人には何か起こるな」と感じて心の準備ができる。ドラマや映画でよくある、いわゆる「フラグが立った」というわかりやすい死の気配……でも年末放送の第13週と年始の第14週の浩太さん(高橋克典)は「いつも通り」だった。いつも、舞ちゃん(福原遥)の夢を応援している。いつも、めぐみさん(永作博美)の幸せを願っている。いつも、工場とそこで働く従業員のことを大事に思っている。それはフラグなんかじゃなくて浩太さんの「いつも」で、その優しさはこれからもずっと続くと思っていた。でも「いつも」はいつか、なくなってしまうものなのだ。わかりやすいフラグを立てて心構えなどさせてくれず、突然ばっさりと「いつも」は消える。医師に死を告げられても信じることができずに、手術室に入ろうとして止められ、くしゃくしゃにつぶれるように床に座り込んで泣きじゃくるめぐみさんも、ただお母ちゃんにしがみつくしかできない舞ちゃんも、もう「いつもの浩太さん」「いつものお父ちゃん」には会えない。
リーマンショックどころではない、お父ちゃんショックを新年早々にもろに受け、お正月気分がすっかり吹き飛んでしまいました。浩太さんの作ったネジが使われた飛行機で舞ちゃんが空を飛ぶ、親子の夢が一緒に叶うラストシーンを予想していたのに。なんということでしょう。そして突然社長を失ったIWAKURAと、そこで働く従業員のみんな、どうなっちゃうんでしょう。舞ちゃんがこのまま無給で働くのは、IWAKURAのためにいいこととは思えない。めぐみさんが受け継いでも、無理してまた精神的に追い詰められそうな気もするし……。工場の設備がまだ新しいうちに売ってしまえと、経営としては正しいけれど感情では受け入れられない言葉で家族を傷つけ、自分も傷ついてしまっている悠人お兄ちゃん(横山裕)のことも心配。予告では舞ちゃんがお兄ちゃんに投資を頼むシーンがあったけれど、うまくいってみんながなんとか前に進めるといいなあ。
それにしても、遠距離恋愛中の柏木(目黒蓮)。めったに電話してこない彼女から電話があったら「何かあったのか?」と聞くだけでなく「どうしたんだろう」って考えることも必要だと思うんですよね。「岩倉と一緒にいると不思議と素直になれる」と告白したけど、気持ちを彼女に話せてうれしいという自分からの一方通行ばかりで、舞ちゃんの本当の気持ちを引きだして受け止める力が足りてない気がする。工場がたいへんだから手伝う、と打ち明けられて「勘が鈍らないように勉強もしとけよ」って、違う違うそうじゃない、今の舞ちゃんが欲しいのはそういう言葉じゃないんだよなあ。『紅白歌合戦』で一緒にステージに立てたからと浮かれている場合ではないぞ。お父ちゃんの死の前には見えなかったフラグだけど、舞ちゃんと柏木のふたりに関しては、お別れのフラグが100本くらい立っている、針山状態な気がしてしょうがないです。
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NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
[NHK総合] 月~金 8:00-8:15 / 月~金 12:45-13:00(再放送)
[BSプレミアム・BS4K] 月~金 7:30-7:45 / 土 9:45-11:00(再放送)
[見逃し配信] NHKプラス
出演:福原遥、高橋克典、永作博美、横山裕、高畑淳子、赤楚衛二、山下美月、山口智充、くわばたりえほか
作:桑原亮⼦、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number「アイラブユー」
語り:さだまさし
制作統括:熊野律時、管原浩
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐
プロデューサー:上杉忠嗣、三鬼一希、結城崇史
広報プロデューサー:堀之内礼二郎、齋藤明日香
制作:NHK
公式サイト:nhk.or.jp/maiagare
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