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Travis Japan、デビュー曲が“米チャート5位”も…「CDがダウンロードに変わっただけ」問題

Travis
JUST DANCE!

 7人組ジャニーズアイドル、Travis Japanが10月28日にデビュー曲「JUST DANCE!」を発表した。一部メディアは「米チャート5位」という華々しい見出しで彼らの世界デビューを祝福しているが、実際には課題山積としか言いようがない状況だ。

 今年3月後半より、無期限の留学と謳ってアメリカ・ロサンゼルスへ渡り、“武者修行”をしてきたTravis Japan。世界最大級のダンス大会『WORLD OF DANCEチャンピオンシップシリーズ』ではアメリカでの全国大会で4位、世界大会ではチーム部門で9位入賞となり、人気オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』にはセミファイナルまで進出したことで注目を集めた彼らは、ユニバーサルミュージックグループ傘下の大手キャピトル・レコードと契約して世界デビューすることが9月29日に発表された。

 そして10月28日、ジャニーズとしては初の試みとなるデジタル配信のみのデビュー曲「JUST DANCE!」がリリースされた。

 全英語詞となるこの曲のプロデュースを手がけたのはサム・バージェソン。ブレイク・シェルトンのアルバムにギタリストとして参加するなどナッシュビル人脈の人物だが、クラブヒットとなったキャロライン・ロマーノとR3HABのコラボ曲「I Still Remember」のプロデュースに関わったことでも知られる。全体としては軽快な70s~80sディスコ調のダンスナンバーでありつつ、セカンドヴァースのラップ部分ではトラップ風のリズムチェンジが施されるといった、K-POP的な展開も見せる。

 この曲が、本家ビルボードチャートに登場した。世界200を超える国・地域におけるデジタルダウンロードおよびストリーミング再生数で構成される「グローバルチャート」で28位に初登場(11月12日付)。米国のデータを除外した「グローバル・エクスクルーディングUSチャート」では5位にランクインしており、これが“米チャート5位”が指すものだ。

 このグローバル・エクスクルーディングUSチャートでは、コールドプレイとのコラボとなるBTSのJINのソロ1st曲「The Astronaut」を6位に抑えての初登場5位となっており、一部では“BTS超えの快挙”と喜ぶ声もある。日本のアーティストがデビュー曲で同チャートにランクインしたのは史上初であり、その意味では確かに快挙だが、初登場5位をもたらしたものが何だったかを考えると、素直に喜べるものではない。というのも、Travis Japan「JUST DANCE!」はダウンロード数こそ圧倒的なものの、ストリーミングはさっぱりだからだ。

「CDがダウンロードに変わっただけ」でストリーミングは無視?

 Travis Japan「JUST DANCE!」は米国外で週間およそ11万8000ダウンロードの売り上げを記録したとされる。ビルボードジャパンでの結果を見ると、国内だけでおよそ6万6000ダウンロードを記録したことがわかる。

 一方でJIN「The Astronaut」は米国外ではおよそ4万3000ダウンロードに留まるものの、米国内でのダウンロードセールスはおよそ4万4000ダウンロードあり、米ビルボードの「デジタルソングセールス」チャート首位を獲得している。

 ストリーミングでは、Travis Japan「JUST DANCE!」は米国外での再生数が340万回に留まったのに対し、JIN「The Astronaut」は4350万回と、圧倒的な差がある。つまり、Travis Japanの“米チャート5位”は、ほとんどがダウンロードセールスの加点によるものなのだ。そして、「グローバルチャート」ではJIN「The Astronaut」が初登場10位となり、Travis Japan「JUST DANCE!」が初登場28位という逆転現象が起こっているのは、米国でのダウンロードセールスの乏しさ、そしてストリーミングの圧倒的な弱さが原因だ。

 ストリーミングが弱いのは、ビルボードジャパンのチャートからも見えてくる。11月2日公開のチャートでは、総合で初登場4位となり、ダウンロード指標では1位となったが、ストリーミングはなんと300位以下の圏外。2週目では、ダウンロード指標が13位に大きくランクダウンしたことで、総合チャートは29位へと急下降。そしてやはりストリーミングは圏外だった。ミュージックビデオが公開から1週間で1000万回再生に到達したこともあり、動画指標は36位から5位へと上昇し、またラジオエアプレイ数も伸びてはいるものの、頼みのダウンロード数の落ち込みをカバーできてない。

 つまるところ、ジャニーズ勢がこれまでチャートを席巻してきた最大の要因であるCDセールスが、Travis Japanの場合はダウンロードセールスに変わっただけという構図で、せっかくサブスクリプション型音楽配信サービスでも解禁されているにもかかわらず、デジタル配信における最大の武器となる「ストリーミング」がまったく生かせていない状況が浮かび上がるのだ。

 もっとも、これはある程度は想像できた事態ではある。KAT-TUN、ENDRECHERI、20th Centuryなどデジタル解禁しているジャニーズアーティストも増えてはいるのだが、いずれもダウンロード指標は強くとも、ストリーミング指標では圏外に終わっているためだ。

 そしてTravis Japanのデビューにあたっても、iTunesでのプレオーダー(発売前の購入予約)をすることでオリジナルデジタルブックレットがプレゼントされ、さらに同時発売されているtofubeats、Yaffleによるリミックスバージョンもあわせた全3種のダウンロード購入者限定でオンラインイベントに招待という特典商法が行われている一方で、ストリーミングにおけるキャンペーン施策は見当たらない。「全種類購入するとイベント招待」というのはCDでも行われている販売手法をそのままスライドさせたものであり、Travis Japanの“世界デビュー”における戦略はあまりに乏しいと言わざるをえないのではないか。SNSでは英語で情報発信も行っているが、このキャンペーンについては日本語での案内しか見当たらず、今のところ国内需要にばかり目がいっているようにしか見えない点も気になる。(1/2 P2はこちら

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