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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム >  パンドラ映画館  > Jホラーの巨匠による、新たな“女優ホラー”
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.701

高橋洋監督のホラー映画『ザ・ミソジニー』業深き女たちが呼び寄せる異界の恐怖!

撮影中に主演女優が遭遇した奇妙な体験

高橋洋監督のホラー映画『ザ・ミソジニー』業深き女たちが呼び寄せる異界の恐怖!の画像3
魔物を呼び出してしまい、ナオミたちは魔法陣の中に逃げ込むが……

 ホラー映画の撮影現場では、不思議なことがよく起きる。シングルマザーに育てられたミズキ役の河野知美は、霊媒シーンの撮影中、自分の背後に足が見えたという。河野が振り返ると、そこには誰もいなかった。キャストでもスタッフでもなかった。高橋洋監督に「それ誰ですか? 誰だと思いますか?」と尋ねられ、河野はミズキの父親だと直感したそうだ。

 劇中で演じるキャラクターの父親が、幽霊になって撮影現場に姿を見せたことになる。そんなことがあるのだろうか? 少なくとも、彼女は父親の霊の気配を感じながら、娘役を演じ続けたことになる。これらのエピソードが掲載された劇場パンフレットも、相当に不気味な仕上がりだ。

 舞台や映画に打ち込む俳優は、役にのめり込むあまり、本番中は何かに取り憑かれたような状態になることが少なくない。また、よく「役が降りてきた」という言葉も口にする。もしかすると、私たちが普段は舞台や映画と呼んでいるものは、霊的に解釈すれば「交霊会」の一種なのかもしれない。私たちは怪しい異界に魅了されているのではないだろうか。そう考えると、映画館や劇場は現実世界と異界とを結ぶ神聖な場所でもあるようだ。

 高橋洋世界を体現する中原翔子と本作のプロデューサーも務めた河野知美、この2人の女優は誰よりも美しい。そして、誰よりも妖しく、恐ろしくもある。

『ザ・ミソジニー』
脚本・監督/高橋洋 音楽/長蔦寛幸 スタイリングディレクター/藤崎コウイチ
出演/中原翔子、河野知美、横井翔二郎、浅田麻衣、内田周作、羽柴裕吾、根津麻里亜、大橋将太郎、古山憲太郎
配給/『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ 9月9日(金)よりシネマカリテ新宿ほか全国順次ロードショー
©2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ
misogyny-movie.com

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最終更新:2022/08/25 20:00
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