『妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪』ユルさあり、社会風刺あり。“妖怪映画”の大傑作!
2022/06/18 12:00
#映画 #小芝風花 #松本まりか #妖怪シェアハウス
中学生の頃に妖怪研究部を作ろうとしていた筆者としては、妖怪への思い入れは強い。これまでの人生においてアニメやドラマ、映画で妖怪と名のつくものはほとんど観てきた。しかし、妖怪を扱った実写映画で心から成功していると思えたのは、公開規模はかなり少なかったものの、2000年に公開された『さくや 妖怪伝』くらいだ。
かろうじて名作扱いにされている『妖怪大戦争』(1968)などの大映の妖怪3部作も、実は難点の多い作品だったと感じている。ウエンツ瑛士の「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズや、リメイク版『妖怪大戦争』(2005)、ましてや『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(2021)なんて、筆者としては論外。口に出したくもない。
6月17日より公開された『妖怪シェアハウス 白馬の王子様じゃないん怪』も、そんなトラウマが蘇りそうになる妖怪映画と思って観たら……これが意外(?)なことに……傑作だった!!
近年のテレビドラマの映画化作品の中では、かなり上位に位置する作品だったのだ。
【ストーリー】
澪は相変わらず妖怪たちと楽しく暮らしながら、作家になる夢を追いかけている。世間ではAI恋人アプリが大流行し、誰もがスマホを見てニヤニヤしていたが、出版社での仕事に追われている澪は恋愛とはご無沙汰だった。そんなある日、上司に無茶振りされた取材でイギリス育ちの天才数学者・AITOに出会い、恋に落ちる。理想の王子様との幸せな日々もつかの間、澪はその恋がシェアハウスだけでなく巷の妖怪たちを危険に晒していることを知る。その頃、人間社会にもある”現象”が起き、人間の未来は大きく変わろうとしていた。人間と妖怪の歴史の分岐点の鍵となる、澪の決断やいかに……!?
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