放送法改正でひっそり「割増金制度」導入…NHKは「公共放送」なのか?
#NHK #受信料 #公共放送
NHKが「公共放送」ではないという証拠は山ほど…
一方、NHKが「公共放送」ではないという証拠は山ほど見つかる。「特定の勢力、団体の意向に左右されない公正で質の高い番組」を作ろうとしていないことは、政権幹部に突っ込んだ質問をするキャスターを降板させていることからも明らかだ。
『ニュースウォッチ9』の有馬嘉男キャスターは2020年の日本学術会議の問題で菅総理に食い下がり、2021年3月限りで降板になった。『クローズアップ現代』の国谷裕子キャスターは2014年7月、集団的自衛権をめぐる放送で、当時の菅官房長官にインタビューで鋭く問題点を問いただしたあと、しばらくして契約打ち切りになった。
その前には、『ニュースウォッチ9』のキャスターを務めた大越健介氏もいる。彼の降板も予想外のものだったが、特定秘密保護法や原発再稼働について番組内で意見を述べ、特に安全保障や外交面で安倍政権に対して批判的だった。
彼らはみな国民の知る権利に応えるべく、国民に代わって問題点を明らかにしようとしただけだ。それなのに、このような気骨あるジャーナリストのクビを総務大臣の走狗になっている「NHK官僚」がご機嫌取りのために差し出すということが連綿と行われてきた。
圧力による番組の放送延期なども多い。例えば、NHKは2020年4月のかんぽ生命保険の不適切販売の実態をスクープしたが、日本郵政から圧力がかかって続編の放送を止めている。その後、この問題がマスコミの騒ぎになったので3カ月後に放送した。報道によれば、総務省のお偉いさんが日本郵政に天下っていて、NHKに圧力をかけたのだという。前に述べたように、総務省は電波監理を行っているので、そこの元幹部はNHKに圧力をかけられる。
2021年に入ってからは、『NHKスペシャル』の特番「令和未来会議 どうする? 何のため? 今こそ問う 東京オリンピック・パラリンピック」の放送予定日は五輪開会半年前にあたる1月24日だったのだが、延期されてしまった。これは討論番組だったのだが、五輪をやるべきでないという意見が多く表明されるのではないかと恐れ、NHK幹部がオリンピック組織委員会やその背後にいるオリンピックビジネス企業に忖度した結果だといわれている。
NHKの経営委員には実業界のOBが多い。当然、古巣の企業の利害をNHKに持ち込んでくる。NHKの報道が公正中立なわけがない。
NHKは政権に忖度し、経営委員が元いた企業に気を遣い、国民の知る権利に応えていない。顔が向いているのは国民にではなく、政府と大企業にだ。よく「特定の勢力、団体の意向に左右されない公正で質の高い番組」と言えたものだ。受信料に依存しているがゆえに政権や大企業から圧力を受けやすいのだ。
歴史を振り返ると、NHKは、戦前戦中は国策遂行、軍国主義プロパガンダ機関だった。大本営発表で国民を騙していたときもラジオの聴取料はしっかりとっていた。
占領中は、占領軍のプロパガンダ機関として、日本人に戦争に対する罪悪感を植え付けるために『真相はかうだ』や『真相箱』のようなウォーギルト・インフォメーション・プログラム(GHQの情報教育政策)を流していた。このときもNHKは食うや食わずの国民からラジオ聴取料をとっていた。
占領が終わった後も、今しているのと同じことをしてきた。NHKが「公共放送」だったことなどあったのだろうか。(2/4 P3はこちら)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事