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『映画 妖怪シェアハウス』公開記念インタビュー

「望月歩が出てるから見よう、と思ってもらえるように」 若手実力派俳優の野心

『映画 妖怪シェアハウス』のおかげで人見知りを克服!?

「望月歩が出てるから見よう、と思ってもらえるように」 若手実力派俳優の野心の画像5
写真/石田寛

――望月さんは本当に多くの作品に出ていらっしゃって。改めて振り返ってみると、たとえば2020年だと朝ドラ(『エール』)あり、月9(『監察医 朝顔』)あり……大河の『麒麟がくる』は出演部分の放送は2021年ですけど、撮影は2020年ですよね。2020年だけで8作とか9作とか出演されていて。気持ちを切り替えるルーティーンとか、意識的にやられていることってあるんですか?

望月 自分は割と、いつの間にかポンって切り替わっちゃうんですよ。撮影の時でも、もうこのシーンの出番が終わったと思って控え室で休んでたら、もう少し撮るってなった時に、(役を)思い出すのにすごい時間かかっちゃう、みたいなのがあるぐらい、すぐ忘れるというか。撮影のこともあんまり覚えてないし。あと、なんだかんだでお休みはあったので、そこでしっかり一個いっこの準備はできていたので、別に大変ではないですね。

――自分で意識しなくても自然に切り替わるんですね。じゃあ、こういう撮影時のエピソードを語ってくださいって言われると結構困ってしまうのでは?(笑)

望月 そう! だから、覚えるようにしてるんです(笑)。ちゃんとどういうことがあったか覚えておこうと思って。本当にギリギリですけど。無意識だったら多分、何も覚えてないです(笑)。

――(笑)。今年もたくさんの作品に出演されていて、『17才の帝国』も話題でした。こちらの役は、エリート的という意味ではAITOに通ずるものがありますが、キャラクターはだいぶ違いますよね。すごく普通に見えるけど、実はすごい人みたいな役って、また違ったりしますか?

望月 やっぱり、“わかった上で俺はこっちを選んだよ”っていうベースがあるのかなと思うので、そこは違うと思います。普通の役よりも考えてることが大きいとか、考えてることが多いと思うので、そのぶんスイッチを入れておくというか、テンションを上げとかないと、っていうのはあるかもしれないですね。

――『17才の帝国』は、アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』などで知られる吉田玲子さんの脚本ですよね。

望月 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は有名になる前から好きで。その方と一緒にできるっていうのでテンション上がりました。本当に好きだったんで、すごく嬉しかったです。

――ちなみに『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』でお好きな話は? やっぱり第10話ですか?

望月 僕は……(悩みながら)何だっけ、作家さんの話(第7話)がすごい好きです。湖を飛ぶところ。いやでも、映画も良かったしな……。

――(笑)。『17才の帝国』で言うと、山田杏奈さんだったり、神尾楓珠さんだったり、染谷将太さんだったり、再共演になる方も多いですが、そういうのは演じる上でやりやすいものでしょうか?

望月 えっと……今まで自分は人見知りで、そんなに現場で共演者の方たちと仲良くなれてこなかったんですよ。でも、それこそこの『映画 妖怪シェアハウス』で人見知りがだいぶとっぱらわれて。『17才』は撮影が同時ぐらいだったので、それもあって初めて、ちょっと普通の自分のテンションでいれたのかなって思います。

――『映画 妖怪シェアハウス』でとっぱらわれたというのは具体的に何かあったんでしょうか?

望月 多分、現場の仲の良さとか、そういうのに自分も入りたくなったんだと思うんです。で、そこに入っていく感覚がなんとなくわかったからだと思いますね。「こんな感じでいいんだ」とか「誰も否定的な目で見てない、全員受け入れてくれるんだ」みたいな。

「望月歩が出てるから見よう、と思ってもらえるように」 若手実力派俳優の野心の画像6「望月歩が出てるから見よう、と思ってもらえるように」 若手実力派俳優の野心の画像7

――この「日刊サイゾー」では1年半ほど前にもインタビューさせていただいてて、その時に人見知りだとおっしゃってたんですが、そのあたりはけっこう変わったわけですね。

望月 そうですね。やっと、やっと、やっと。もう『映画 妖怪シェアハウス』のおかげです、そこは。本当に変わったと思います。もちろんゼロではないんですけど、多少はマシになったと思います。

――前回のインタビューでは「もっと売れてるポジションに行かなきゃいけない」ともおっしゃっていたんですけど、目標はその後、変わりましたか?

望月 正直あまり変わってはないです。それも、“思ってるたくさんのうちのひとつ”でもあるんですけど……直近の話のほうがいいですかね?

――いえ、遠い目標でも。

望月 だったら、最近思ったことがあって。『元彼の遺言状』で、綾瀬(はるか)さんと大泉(洋)さんが出られるって知って、自分が出るとかはまだ決まってない段階でも、この2人なら絶対おもしろいから見ようと思ったんですよね。そういうふうに視聴者の方に期待してもらえる存在っていいな、と最近思ったんです。「望月歩が出てるから見よう、絶対おもしろいでしょ」って思ってもらえるように、いつかなれたらいいなって思いますね。

 

「望月歩が出てるから見よう、と思ってもらえるように」 若手実力派俳優の野心の画像8
望月歩(もちづき・あゆむ)
2014年放送のWOWOWドラマ『埋れる』で本格的デビュー。2015年公開の映画『ソロモンの偽証』での怪演が話題になり、その後ドラマや映画での活動を拡げていく。2019年には主演映画『五億円のじんせい』『向こうの家』が公開。ドラマでは『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)『監察医 朝顔』第2シーズン(フジテレビ系)などにレギュラー出演したほか、NHK連続テレビ小説『エール』、大河ドラマ『麒麟がくる』など出演作多数。
2022年は、Amazon Original映画『HOMESTAY』や、『元彼の遺言状』(フジテレビ系)、『17才の帝国』(NHK)に出演のほか、6月30日からは『量産型リコ-プラモ女子の人生組み立て記-』(テレビ東京系)が放送される。

映画 妖怪シェアハウス-白馬の王子様じゃないん怪-
6月17日(金)より公開
監督/豊島圭介
出演/小芝風花、松本まりか、毎熊克哉、豊田裕大、池谷のぶえ、佐津川愛美、長井短、井頭愛海、尾碕真花、小久保寿人、片桐仁、安井順平、望月歩、池田成志、大倉孝二
配給/東映
©2022 映画「妖怪シェアハウス」製作委員会
youkai-movie2022.jp

末﨑裕之(ライター/編集者)

ライター・編集者。音楽を中心に、俳優・ドラマ~映画の取材まで。共著に『新R&B教本 2010sベスト・アルバム・ランキング』(スペースシャワーブックス)。まれにラジオ出演(NHKラジオ第1、FM802他)、作詞(アイドリング!!!他)も。
Twitter:@hsuezaki

すえざきひろゆき

最終更新:2023/02/20 03:42
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