日テレ『崖の上のポニョ』がまさかの低視聴率…「『耳すま』から変更」の理由とは?
#日本テレビ #金曜ロードショー
日本テレビ系「金曜ロードショー」は5月6日、宮崎駿監督の大ヒットアニメ映画『崖の上のポニョ』(2008年)を放送した。日本テレビの“伝家の宝刀”といえるスタジオジブリ作品の放送だが、平均世帯視聴率が8.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが話題となっている。
「当時の日本映画史上最大のヒットとなった『千と千尋の神隠し』以来となる、宮崎駿監督7年ぶりの新作として注目され、『千と千尋』『もののけ姫』に次ぐ興行収入を記録した、言わずとしれたジブリの大ヒット作です。地上波ではこれまで5度放送されており、2010年の地上波初放送では視聴率29.8%を記録したほか、2019年8月の5度目の放送でも12.5%と高視聴率を記録していました。
今回はゴールデンウィークの『2週連続ジブリ』企画の中で放送されましたが、4月29日に放送された第1弾の『魔女の宅急便』は16回目の放送だったにもかかわらず、視聴率10.1%と2桁をキープ。しかし第2弾となった『ポニョ』はわずか6回目の放送にして1桁に急落となり、日テレとしてはショックが大きい。今後は放送される機会がグッと減ることになるでしょうね」(芸能記者)
4月23日に起こった北海道・知床半島沖での海難事故を受けて、日本テレビは5月1日に放送を予定していた『金田一少年の事件簿』第2話を急きょ1週間延期する対応を取ったが、一方で『崖の上のポニョ』はそのまま放送されたことが一部で賛否を呼んだようだ。
「事故は荒天の予報だったにもかかわらず出港したことが原因と見られており、『ポニョ』の津波シーンが事故を連想させて不謹慎だとの批判の声も上がったようです。もっとも、日テレは東日本大震災のあった翌年の2012年にも『ポニョ』放送に踏み切っており、この時は16.4%という高い視聴率を記録しています」(同上)
実は、『崖の上のポニョ』については変更できない事情が日本テレビ側にはあったという。
「今回の『2週連続ジブリ』は当初、第2弾は名作『耳をすませば』(1995年)が予定されていたんです。ラインナップ発表から2週間と経たないうちに『崖の上のポニョ』に変更されたのですが、その背景には、“裏かぶり”問題があったのではと一部で囁かれました。というのも、ヒロインが惹かれる天沢聖司の声は、当時14歳でまだ声変わり前の高橋一生が担当しているのですが、人気俳優となった彼は現在、TBSの金曜22時枠で放送中の連続ドラマ『インビジブル』で主演を務めているため、22時以降が見事に被るんです。
もっとも、『耳をすませば』は、新型コロナの影響もあって長らく延期していた実写映画版の公開日が今年10月14日にやっと決定したので、それに合わせて延期としただけだと思いますけどね。いずれにせよ、『ポニョ』に変更すると決めたばかりだったこともあり、知床の事故を受けて再変更というわけにもいかず、日テレは強行突破を選択したようです」(テレビ誌記者)
結果、視聴率が思った以上に振るわなかったわけだが、今回の低視聴率については、やはり作品そのものに原因があるのではとエンタメ誌ライターは指摘する。
「もともとジブリは『ポニョ』について“子ども向け”を公言していました。加えて、勢い重視の反面、ストーリーがわかりにくいという声が多く、幅広い世代から支持されるような作品でもない。さまざまなメディアで好きなジブリ作品のランキング企画が行われてきましたが、トップ5どころかトップ10に入ったのも見たことがありません。映像のこだわりは目を見張るものがあるものの、テレビ放送ではなかなか伝わりづらい部分ですし、理解しがたい展開もあって他のジブリ作品に比べて訴求力に欠けるのは否めないところ。そのあたりが数字に表れたのでしょう」
放送延期となった『耳をすませば』で、はたして挽回できるだろうか。
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