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最速打ち切りまっしぐら!?フジ『ポップUP!』の悲惨状況を他局も喜べないワケ

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公式サイトより

 この4月から始まったフジテレビのお昼の帯番組『ポップUP!』。視聴率が1%前後という悲惨な滑り出しとなり、局の内外からも「これなら『バイキングMORE』を続けていたほうがよかった」との声も上がっている。

「失敗の要因は上げたらキリがないほどある。まずはMCが弱すぎるということ。賛否あったにせよ、『バイキング』の坂上忍の存在感は大きかった。対して『ポップUP!』のMCは山﨑夕貴アナと佐野瑞樹という局アナ2人。さらに、出演している佐久間みなみアナや鈴木唯アナも華がなく、これでは視聴者が惹きつけられるわけがない。また、セットの椅子が安っぽかったり、木曜パーソナリティを務める髙嶋政宏が出演舞台の都合で番組開始から早くも2回欠席するというお粗末さ。そして一番ひどいのが番組内容です。主婦層のお悩みを取り上げたり、“開運メイク”に各約30分もかけたり、KABA.ちゃんが痩せてキレイになったなんて平和すぎる特集を組んでいる。もっと他に報道することがありそうなものですが……」(テレビ誌ライター)

 そんな『ポップUP!』がここまでひどい有り様となっているのは、理由もある。フジテレビ関係者が嘆息する。

「フジは勤続10年以上、50歳以上を対象に早期退職者制度を実施し、3月いっぱいで約100人が退社しました。優秀なプロデューサーやディレクターほど辞めていき、スタッフのクオリティが大幅に落ちてしまった。制作会社は番組作りの職人ではありますが、番組のコンセプトなどは局の人間でないと作れない。しかし、そのノウハウがないうえに、企画を募集しても良いものが集まらない。その結果が現状というわけです」

 さらに、ビジネス的にも深刻な状況になっているという。前出のフジテレビ関係者はこう続ける。

「系列局すべてに放送される『ネットタイム』のCMの買い手がつかない。相場の10分の1に値下げしてもまったく売れない状況で、スポットCMしか流れていません。実は、『バイキング』での坂上のギャラはそれほど高くなく、坂上を降ろしてまでリニューアルした結果、制作費はこれまでよりも多少減ったという程度。それでいて広告収入は大幅に減っているのですから目も当てられない。局内ではすでに『地獄枠』と呼ばれています」

 『ポップUP!』の不調に他局はさぞかしほくそ笑んでいるのかと思いきや、意外にも眉を潜めているという。いったいなぜか。

「視聴者はフジがつまらないからといって、他のチャンネルに合わせるわけではない。“つまらない”とテレビそのものを消してしまい、ネットなどに流れていってしまうことのほうが圧倒的に多い。つまり、テレビを観る層自体が減る可能性があるので、あまり喜べる話ではないのです」(テレビ関係者)

 『バイキング』は軌道に乗るまで2年の猶予があり、そこから人気番組となっていたが、『ポップUP!』もまだまだ許されるのか、それとも“最速打ち切り”となるのだろうか。

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2022/05/02 11:00
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