プロ野球「声出し応援厳禁」通達で”名指し”された球団とは?
プロ野球12球団の代表者が集まる会議後、NPB(日本野球機構)の担当者が取材対応した中で、関係者が注目したのはファンの声援をめぐっての見解だった。
自主的に収容定員の上限50%としている北海道日本ハムファイターズをのぞき、プロ野球11球団は公式戦開幕以降、制限のない100%動員となっている。ただ、一部球団を除いて満員になることは少なく、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が先発登板した、4月17日のロッテ対日本ハム戦(ZOZOマリンスタジアム)が満員御礼となったのも実に3年ぶりのことだった。
球界関係者は、新型コロナウイルス感染拡大が長期間続いたことでファンの観戦習慣に大きな変化があったと指摘する。
「レジャーにかけられる所得面にも変化があった人は多いだろうし、まだ新規感染者数が高止まりしている状況下では家族総出で遊びにいけないと感じている人が多い。実際にプロ野球球団も人を呼び戻そうと苦労している」
しかし、なかなか状況は改善されない。先の会議でNPBの担当者は、球場で応援歌など声を出しての応援を認めた場合、政府の方針で観客上限が50%に戻ってしまうと明かした。このコロナ禍で球団の経営は厳しいが、声出しができなくとも「まずは100%(動員するのが)12球団の見解」とした。
ところが複数の球界関係者が「あそこは”無法地帯”だよ」とと名指しで上げるのが、阪神タイガースの本拠地・甲子園球場。4月15日からの読売ジャイアンツ3連戦は連日満員に近いファンが押し寄せたが、ルールを守らない者が続出しているという。
「チャンステーマだったり、勝っている時には9回2アウトから『あと1人!』『あと1球!』と阪神ファンは大合唱するのですが、球場はおろか、テレビ中継の音声でも十分確認できるほどの大きさでした。コロナ禍以降、球団はかねてから非公式にNPB側から改善を求められていると聞いていますが、先日の様子を見る限り対策が全くできていないと言わざるを得ません」(プロ野球OB)
阪神以外の11球団のファンはある程度行儀よく観戦している中で、1球団だけ逸脱していては統率も取れない。「以前はそういった改善策を話しても棚に上げて食って掛かる球団フロントもいたようですが異動でいなくなった。改革するなら今なんですけどね」(同)ともいうが、ファンのストレスが球場で完全に発散できるようになるのはいつの日になるのだろうか。
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