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木下ほうか「性加害告発」の思わぬ余波! ”起訴誤報”騒動で問われるメディアの質

榊監督に続き…木下ほうかの「性加害」報道で思い出される20年前のあの騒動の画像
木下ほうか(前・所属事務所公式サイトより、現在は削除)

 榊英雄監督、俳優の木下ほうか、園子温監督、梅川治男プロデューサー……映画界で性加害告発が相次いでいる。

 そんな中、現在活動休止中の木下が過去に性的強要で”起訴”されていたと一部で報じられた。結論からいうと、これはまったくの誤報で、正しくは起訴ではなく過去に刑事告訴されかけた、だったのだが……。

 12日売りの「週刊女性」(主婦と生活社)によると、木下は2015年、当時芸能活動していた女性に対して無理やり性交しようとしたという。

「女性の必死の抵抗により、途中で行為は中断となったようですが、木下は悪びれた様子もなく、謝罪の言葉もなかったそう。女性が当時の所属事務所に損害賠償を請求すると、代理人を通じて『合意のもと』だから応じられないという返答が来たため、強姦罪での刑事告訴に踏み切ったといいます。しかし『身体に傷がない』『犯行現場の正確な情報がない』などの理由で告訴状は受理されず、警察も動かなかったとか。被害者女性は、その後も告訴状は取り下げていないものの、泣き寝入りの状態が続いているといいます」(週刊誌記者)

 警察当局は証拠不十分とし、告訴状は受理されなかった……つまり刑事告訴は成立しなかったわけだが、被害者が刑事告訴に踏み切るような”事件”はあったというわけだ。

 これを受けて一部メディアは12日、木下に「強姦罪で刑事”起訴”の過去」があったと配信したが……。

「裁判ウォッチャーで芸人の阿曽山大噴火は同日、Twitterにて『何度も読み返したけど起訴はされてないような文章なのに「刑事起訴の過去」ってタイトルなのはなぜだろう』と疑問を投げかけました。木下は起訴されたのではなく、告訴“されかかった”のです。起訴は検察官が訴訟を提起するもので、告訴は被害者が捜査機関に被害を申告すること。意味合いがまったく違います。あの報道だと、木下が被告人として法廷に立つことになってしまいます。そもそも『刑事起訴』という言い方は基本的にしません。そのメディアは勘違いしたものと思われます」(ワイドショー関係者)

 配信後、ほどなくして間違いに気づいたようで、そのメディアは慌てて「刑事告訴」に訂正した。

 これに限らず、刑事事件や民事事件で似たような”誤報”を流すメディアはたびたび現れる。

「過去にも、東京地裁に仮処分を求めた事件で、あるメディアは民事訴訟と報じてしまいました。仮処分も民事訴訟も民事手続きの一つですが、意味合いが異なります。民事訴訟は判決が出るまで期間を要します。かたや、仮処分は、民事訴訟より早く事態を解決したい時に裁判所に求めます。つまり、仮処分は民事訴訟の前段階手続きといってもいい。そのメディアはこれを混同したわけです」(週刊誌記者)

 性加害疑惑で鬼のクビを取ったとばかりに追及に躍起になっているメディアこそ、その質が問われているのかもしれない。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2022/04/19 19:00
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