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コロナ禍でも接待、ザル経費――令和の時代に「昭和」を地でいくテレビ局の”浮世離れ”

コロナ禍でも接待、ザル経費――令和の時代に「昭和」を地でいくテレビ局の”浮世離れ”の画像
イメージ画像/出典:medetai

 若い世代を中心にテレビを見ない世代が増え、「メディア不況」と言われて久しいが、現場ではまだまだ甘い汁を吸い続ける関係者も多い。

 まずは西日本のとある地方テレビ局の話。コロナ禍でもお構いなしに日夜接待が繰り広げられているというのだ。局関係者はこう耳打ちする。

「新型コロナウイルス感染拡大に伴って『会食や接待は禁止!』と局から通達が来ているにもかかわらず、お構いなしにスポンサーを引き連れて食事や二軒目をハシゴしてしまう。『CM出稿の売り上げは激減、いつまでも経費が湯水のように使えないのはわかっている』と言いながらも、結局のところ『使えるうちに使っておこう』という考えがある。これでは世間からテレビ局のクラスター感染が批判を浴びても一向に改善されないのは納得できる」

 とある在京テレビキー局の関係者もこう囁く。

「さすがにウチは政府のまん延等重点防止措置期間中の会食禁止といったルールはある程度徹底されていますが、感染者が出ること自体には何も感じなくなりました。出入り業者も多いので、毎日どこかで誰かが罹患しているのが日常というのが正直なところ。そういう状況に慣れてしまっていますね」

 浮世離れしているのは会食・接待だけではない。民放テレビ局の数が少ない、東日本の某局では、近年まで出張に関する交通費の経費精算がザルだったという。

「領収書の提出が不要で、在来線、新幹線はもちろんのこと、飛行機だってすべて申告した金額そのままで処理されていました。そのため正規運賃で請求して、実際はチケットショップや早割などで購入し、差額をふところに入れる人間が多数。立派な業務上横領が成立する(笑)」(局関係者)

 現在は実費精算に切り替わったが、同局内では「儲からない」「うま味がない」と不満の声が出ているそうで、この関係者は「一定の年齢以上の局員は中小企業の会社員の2倍近くの年収があるのに、まだ欲しいのか」と呆れていた。

 極めつけはやはりタクシー精算だろう。西日本のあるテレビ局では、今でも「乗り放題」で業務をこなしている。同局の関係者はこう呆れる。

「”長年付き合いのある地元密着のタクシー会社の面倒を見なければならない”とかなんとか、局上層部が理由をつけて、飲食代の領収書は落ちないのになぜかタクシーだけは切り放題(笑)。免許を持っていない局員は大助かりですが、こんなことをやっていたら間違いなく、近く倒産しますよ」

 コロナ禍直前に地方ローカル局を退社したアラサーの女性アナウンサーもこう回顧する。

「浮世離れってこういうことなんだろうなと。今でもテレビ局はずっと守られていると思われがちですが、一歩外へ出れば不況の嵐が吹き荒れている。それをずっとわからずに過ごしてある日突然、晒されるのでしょうね」

 我が世の春を謳歌した時代は、とっくの昔に終わっているのだ。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2022/04/01 07:00
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