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江口のりこは正しかった? 俳優の番宣出演「効果なし」を”立証”した大物俳優とは

江口のりこは正しかった? 俳優の番宣出演「効果なし」を”立証”した大物俳優とはの画像
写真/Getty Imagesより

 4月に入り、出演ドラマの宣伝のため、俳優たちが精力的にバラエティ番組などに出演するあの光景を目にする機会が増えてきた。

 「番宣」は俳優たちの素顔が見られる貴重な機会ともなっているが、いつの間にか”やって当然”となったこの長年の風習に一石を投じたのが、江口のりこだった。江口は4月13日スタートの日本テレビ系水曜ドラマ『悪女(わる) ~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』に、今田美桜演じる主人公の”謎の先輩社員”峯岸としてレギュラー出演しているが、9日に放送された同局の『マツコ会議』で番宣への本音を漏らしたのだ。

「MCのマツコ・デラックス相手に本音トークが炸裂しまくりでしたね。バラエティが苦手だという江口がなぜ『マツコ会議』に出演したのかと訊かれると、『番宣』だとはっきり明言。『いくつか番宣に出なければいけないと。全部断るわけにはいかないと。どれか受けて下さいという“ルール”があって……』と、迷惑そうに内情を暴露しました。そんな江口に対し、マツコが『そんなにあれ(番宣)、効果ない』と断じると、江口も『そうなんですよ。私が何に出ようと、ドラマを見ようと思っている人は見るし、見ないと思っている人は私が何に出ても見ないです。本当に番宣って何の効果もないと思う』と率直な思いをぶちまけていました」(テレビ誌ライター)

 これまでも番宣の効果について、業界内外から疑問の声が上がっていた。テレビ関係者が言う。

「木村拓哉などのジャニーズ俳優は番宣を精力的にこなしますが、元々のテレビ局との付き合いが大きく影響している面が強いし、一方で西島秀俊といった映画を主戦場にしている俳優はそれほど協力的ではない。番宣へのスタンスは役者や所属事務所によってさまざまです。テレビ局側としては、普段はバラエティや情報番組に出てくれないような有名俳優が20万円程度の格安ギャラで出演してくれるのだから、メリットは大きい。とはいえ、さして関係のないバラエティを一生懸命こなし、最後に数十秒だけ出演作の見どころを紹介したところで、はたしてどれだけの効果が期待できるのか。実際、朝から晩まで番組ジャックをして大々的に宣伝したものの大コケ、なんてケースは腐るほどありますし、低空発進となった後で慌てて番宣を増やしたところで、V字回復したというパターンも見ないですよね」

 番宣とドラマ視聴率にさほどの相関性がないことを示す例としては、3月26日に日本テレビで放送されたスペシャルドラマ『ダマせない男』に主演していた堺雅人が挙げられるという。前出のテレビ関係者が続ける。

「堺のドラマ出演は大ヒットした『半沢直樹』(TBS系)以来、2年ぶりのこと。さらに日テレドラマ主演は実に7年ぶりで、堺を獲得した日テレは数字が良ければシリーズ化も視野に入れていたとか。実際、通常の2倍近い制作費をかける力の入れようでしたが、フタを空けてみると、肝心の視聴率は6.7%と大惨敗。テレビ東京の『出没!アド街ック天国』にも負けて、まさかの同時間帯ワーストに。当然、シリーズ化の話もなくなったそうです」

 日テレでは『ダマせない男』の番宣はほとんどなかった。となれば、むしろ番宣は必要という話になりそうだが……。

「堺の場合、ドラマが決まっても番宣のための番組出演はしないことが事前に確約されているケースが多い。基本的に民放ドラマの場合、ほとんど番宣に出ておらず、『ダマせない男』でも情報番組の『スッキリ』に出ていた程度。とはいえ、番宣の稼働がほとんどなかったのは『半沢直樹』の時も同じで、がっつり出演したのは、ベテラン俳優たちからの信頼も厚い安住紳一郎アナウンサーの『ぴったんこカン・カン』(2021年9月終了)や、時間を取って特集を組んでくれる『王様のブランチ』くらいでしたが、こちらは2013年版も2020年版も全話の平均世帯視聴率20%超えを記録する大ヒットとなっています。結局のところ、番宣は視聴率のためという以上に、芸能事務所やスポンサーに対して『ちゃんと宣伝してます』とアピールする意味合いのほうが強いように感じますね」(前出・テレビ誌ライター)

 江口と同じ考えを持つ俳優は他にもいそうなだけに、今後は番宣出演が減っていく流れになるかもしれない?

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2022/04/19 11:00
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