今注目のブレイク俳優・笠松将、『ムチャブリ！』での暗躍で放つ抜群の存在感

　2月16日に第6話が放送される日本テレビ系水曜ドラマ『ムチャブリ！ わたしが社長になるなんて』。高畑充希が主演を務め、松田翔太や志尊淳らがメインキャストを演じているが、そんななかである実力派若手俳優の存在感が回を重ねるごとに増してきている。

　その人物は、2019年の映画・ドラマ出演数が20代男性俳優最多の18本を記録し、昨年末にはNHK大河ドラマ『晴天を衝け』や『岸辺露伴は動かない』（同）など話題作に次々に出演している今大注目の若手俳優・笠松将だ。

　同ドラマで笠松は、主人公・高梨雛子（高畑）が社長を務める「株式会社リレーション・フーズ」のライバルで、大手外食企業「野上フーズ・ホールディングス」の御曹司である野上豪を演じている。スマートで、いかにも仕事ができる切れ者な野上だが、そのにこやかな笑顔の裏で雛子が奮闘する事業にこっそり手を回してことごとく妨害してくる、嫌な“敵”役である。

　雛子の会社が経営する老舗フレンチレストランのオープン日同日にすぐ近くにイタリアンレストランをオープンさせて話題をさらったり、以前から雛子の店にワインを卸していた企業と専属契約を結んで雛子の店とは取り引き停止させたり。第5話では雛子が47都道府県の食材を使った「日本列島フレンチフェア」を企画すると、国産食材を使ったイタリアンフェアという似たような企画を進めたほか、リレーション・フーズの親会社「株式会社リレーション・ゲート」の専務と密会している様子も。さらに、リレーション・ゲート代表・浅海寛人（松田）の秘書を務めている水科柚（片山友希）に偶然を装って接近し、口説き落とそうとするなど、常に裏で暗躍しているのだ。

　劇中での出演シーンはそれほど多くないのだが、ドラマの要ともなる重要な役どころ。第5話では困る雛子の姿を見て不敵な笑みを浮かべるシーンがあったが、その二面性と腹に抱えた思惑が透けて見える強烈な印象を残した。裏のある悪い顔がよく似合っている。

　2013年の本格俳優デビュー当時より、綾野剛によく似ていると言われてきた笠松。10歳の年齢差があるが、実は兄弟ではといった噂が流れるほど。もちろん血縁関係はまったくない2人だが、そのどこかニヒルな雰囲気のある魅力と、役作りにかけるストイックさは共通する。綾野は2021年公開の主演映画『ヤクザと家族 The Family』で痩せていく芝居のために水分を摂取せずに体を絞るなど、徹底したそのストイックさが話題となっていた。笠松も『岸辺露伴は動かない』（NHK）で役柄に合わせ徹底した食事制限と肉体改造を行い、鍛え抜かれた見事な肉体美を見せてくれた。

　そんな今勢いに乗っている旬な俳優・笠松だが、『ムチャブリ！』の第6話ではいよいよ雛子との直接対決が始まりそうだ。今のところ、浅海社長を強烈に意識しているらしいこと以外は目的の見えない野上だが、予告を見るかぎり、何やら浅海社長と因縁があるようだ。劇中での存在感が増している笠松と、存在感の塊のような松田の迫力あるツーショットも見られるかもしれない。今夜放送の第6話に注目だ。

■番組情報
水曜ドラマ『ムチャブリ！ わたしが社長になるなんて』
日本テレビ系毎週水曜22時～
出演：高畑充希、志尊淳、松田翔太、夏帆、優香、笠松将、山田真歩、坪倉由幸ほか
音楽：河野伸
主題歌：ENHYPEN「Always」（ユニバーサルミュージック）
脚本：渡邉真子
チーフプロデューサー：加藤正俊
プロデューサー：鈴木亜希乃、柳内久仁子（AX-ON）
演出：猪股隆一、狩山俊輔
制作協力：AX-ON
製作・著作：日本テレビ
公式サイト：ntv.co.jp/muchaburi

東海林かな（ドラマライター）

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな