トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > NHK「紅白の視聴率が過去最低」以上の衝撃

『紅白歌合戦』“過去最低”を記録も…NHKを襲った「世帯視聴率以上の衝撃」とは

『紅白歌合戦』“過去最低”を記録も…NHKを襲った「世帯視聴率以上の衝撃」とはの画像
写真/Getty Imagesより

 既報の通り、昨年大みそかに放送された『第72回NHK紅白歌合戦』は、午後9時からの第2部の世帯視聴率の平均が34.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と過去最低を記録した。

 『紅白』については、毎年強敵な裏番組となっていた日本テレビの『絶対に笑ってはいけない』シリーズが放送を休止したこともあり、例年以上の高視聴率を期待する声もあったが、結果的に第2部の視聴率は前年より6ポイントもダウンし、歴代最低となった。

 スポーツ紙のテレビ担当記者は語る。

「大物歌手のサプライズ出演もなく目玉に欠けたうえ、若い視聴者層を意識した出場歌手の選考もやや的外れだった印象でした。例えば、鈴木雅之にはTikTokでバズッた『め組のひと』を歌唱してもらっていましたが、それでSNSが盛り上がったかというと微妙。そもそも、TikTokで話題になったのは倖田來未によるカバーのほうで、倖田とのデュエットを提案するといった形でないとあまり意味がないでしょう。しかも『め組のひと』がTikTokでバズったのは2018年のことで、取り上げるには絶妙に古い。それなら2021年にTikTokやYouTubeで話題になった和田アキ子の『YONA YONA DANCE』のほうが妥当性があったのでは」

 そのうえで、こう続ける。

「結局のところ、Official髭男dismといった“出てほしいアーティスト”には多く断られたことが大きかった。そのため付け焼刃のような選出・選曲が増え、普段テレビを見ない若い人たちを引き付けるほどの魅力を打ち出せず、さらに長年『紅白』を支えて来た年配の視聴者層も当惑させた。ジェンダーレスを意識して紅組司会、白組司会を廃止して『司会』に呼称を統一し、『カラフル』をテーマとしながらも、『白組』『紅組』の枠組みはそのままだったり、投票による歌合戦形式も継続というあたりからも、全般的に中途半端だった印象はぬぐえませんよね。よく言えば『過渡期にある』状態ということでしょうが」

 何とも厳しい意見だが、『紅白』にはさらにNHKに衝撃が走る「数字」が出たという。NHKの局員が明かす。

「世帯視聴率での苦戦以上にショックだったのが、先日発表された瞬間最高視聴率。39.3%と初の40%割れを記録したこともさることながら、番組を通してほとんど山場や波がない単調な推移となっていた。つまり、『紅白』という番組自体に対する世間の興味が薄らいでいることの表れとも言え、局内でも非常に深刻に受け止められています」

 さらに「テレビ離れ」の現実も浮き彫りになってきた。

「『紅白』の世帯視聴率ばかりが話題になりますが、民放各局がそのぶん視聴率を伸ばしたかというとそうでもなく、日テレは『笑って年越したい!笑う大晦日』が前年の『笑ってはいけない』に比べ10ポイント以上ダウン。大みそかに放送された民放番組の中でゴールデン・プライム帯のトップとなった『ザワつく!大晦日』(テレビ朝日系)の上昇幅も、午後6時からの1部で前年比0.4ポイント、『紅白』と重なる午後8時からの2部は前年比0.5ポイントとわずかでした。そもそも大みそかにテレビを観る人の数自体が減少していると考えるのが妥当です」(テレビ誌ライター)

 存続そのものまでが議論され始めた『紅白歌合戦』だが、はたして今年の大みそかは復活の狼煙を上げることができるだろうか。

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ

最終更新:2022/01/07 06:00
ページ上部へ戻る

配給映画