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『ハンオシ』百瀬のこじらせ問題 美晴への想いは“好き”じゃなくて“執着”?

『ハンオシ』百瀬のこじらせ問題 美晴への想いは“好き”じゃなくて“執着”?の画像
ドラマ公式サイトより

 清野菜名主演のTBS系火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』、通称『ハンオシ』がいよいよラストスパートに差し掛かっている。

 先週放送された第8話では、百瀬(坂口健太郎)にいくら「好き」と伝えても、“LOVE”ではなく“LIKE”と受け取られてしまうことに悲しくなった明葉(清野菜名)が家出を決行。百瀬は知人らの助言を得てようやく明葉の本当の気持ちに気付き、息を切らして明葉のもとに走って行く。「ハグ、してもいいですか」「ハグさせてください」と明葉を抱きしめる百瀬。ここで2人は結ばれる……かと思いきや、百瀬が発したのは「今すぐ、僕と離婚してください」という衝撃の一言だった。

 今夜放送の第9話では、百瀬が「好きな人に正直な気持ちを伝えたい」と言うものの、明葉は、その相手が自分ではなく、百瀬が長年恋焦がれてきた同級生の美晴(倉科カナ)だと思い込み、そのまま別々の暮らしをスタートさせることになるという。最終回目前にして、2人は大きくすれ違ってしまうのだった。

 ここまで彼らがすれ違ってしまった原因は、ほとんどが百瀬にあると言っていいだろう。百瀬は、いつの間にか明葉を好きになっていたのに、明葉への気持ちはLOVEではないと信じて疑わなかった。その背景にあったのが、中学の頃からずっと好きだった兄嫁・美晴の存在。百瀬は「自分が好きな人は美晴」という思考に凝り固まっており、ゆえに明葉への想いが“LIKEではなくLOVEである”という発想に至ることができなかったようだった。

 かなり重症なこじらせ方をしてしまっている百瀬。ここまで来ると、百瀬の美晴に対する思いは、「好き」というより、一種の「執着」なのではないだろうか。百瀬が初めて美晴への好意を認識したのは中学生の時のこと。奥手な百瀬は気持ちを伝えられないまま時が過ぎ、気付けば美晴は百瀬の兄と結婚してしまっていた。このあたりからはもう執着なのではないだろうか。「こんなに長い間好きだったのに、ここで諦めてしまったら今までの時間や労力が無駄になる」という考えが無意識のうちに百瀬を縛っていたのではないだろうか?

 ゲームセンターで欲しいぬいぐるみがあった時、最初は「ちょっと欲しいな」くらいの気持ちでも、コインを投入すればするほど「絶対に手に入れたい」という気持ちが強くなっていく。百瀬の美晴への気持ちも、それに似たようなところがあるのではないだろうか。コメディタッチで描いている『ハンオシ』だが、この“恋の罠”に関してはリアルで少し恐ろしいものがある。1人の異性に執着する百瀬の姿に、身に覚えがある視聴者もいたはずだ。

 美晴への好意が、恋愛感情とは違うものになっていることに百瀬は気付けたのだろうか。そして、今度は明葉と真っすぐな恋をすることはできるのだろうか。今夜22時からの放送に注目だ。

■番組情報
火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』
TBS系毎週火曜22時00分~
出演:清野菜名、坂口健太郎、倉科カナ、高杉真宙、前野朋哉、中川翔子、笠原秀幸、小林涼子、森永悠希、長見玲亜、深川麻衣、岡田圭右、木野花、田辺誠一 ほか
原作:有⽣⻘春「婚姻届に判を捺しただけですが」(祥伝社「フィール・ヤング」連載中)
脚本:田辺茂範、おかざきさとこ
音楽:末廣健一郎、MAYUKO
プロデューサー:松本明子、那須田淳
主題歌:あいみょん「ハート」(unBORDE/Warner Music Japan)
演出:金子文紀、竹村謙太郎 ほか
編成:宮﨑真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/hannoshi_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/12/14 19:00
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