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綾野剛ら「アバランチ」はまるで迷惑系YouTuber? 劇中と反して視聴者からはツッコミ殺到

綾野剛ら「アバランチ」はまるで迷惑系YouTuber? 劇中と反して視聴者からはツッコミ殺到の画像
ドラマ公式サイトより

 『アバランチ』制作陣は視聴者たちの反応をどう考えているのだろうか。

 綾野剛が主演、福士蒼汰や千葉雄大など人気俳優が多数出演するフジテレビ系連続ドラマ『アバランチ』の第4話が11月8日に放送された。世帯平均視聴率は初回こそ10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)だったが、第2話で9.3%、第3話で8.9%とじわじわ下落しており、第4話は8.3%と、初回に比べて2ポイントダウンなっている。事前に公開する情報を絞るなどして放送開始までに期待値を高めすぎた感は否めず、現在放送中のドラマと比較しても脱落者の多さを感じさせる。

 『アバランチ』が描くのは、権力による犯罪に制裁を加える謎の集団「アバランチ」の活躍だ。闇に葬られた真実を明るみに出すために、綾野剛演じる羽生をはじめ、リーダーの山守(木村佳乃)とその部下の西城(福士蒼汰)、さらにリナ(高橋メアリージュン)、打本(田中要次)、牧原(千葉雄大)という面々が「バレない、殺さない、裏切らない」をルールに、犯罪も厭わない手段を使い立ち回る。ターゲットとなった権力者はYouTubeを思わせる動画サイトで犯罪を告白させられ、それが世界中に生配信されることで裁かれる……というのがお決まりの展開だ。

 アバランチは、動画の最後で必ず「あとの判断は、この動画を見ているすべての人間に委ねる」と呼びかける。その呼びかけに応じるように、話数を重ねるごとに市民はアバランチを支持していく。第4話では街中の女子高生がアバランチのロゴをキーホルダーにして付けていたり、生配信の視聴者数が回を追うごとに増えている様子が見て取れたが、現実の視聴者は真逆の印象を持っている人も少なくない。

 SNSでは「はたから見たら迷惑系YouTuber」「こんな正体も分からない集団に50万(※3話時点の視聴者数)もフォロワーがついてる世界線気持ち悪い」といった率直な感想も見受けられた。視聴者たちはアバランチの内側を知っているからこそ、私怨に基づいた復讐劇が余計に“気持ち悪い”のかもしれない。ドラマが描く市民はアバランチに傾倒しているのに、視聴者の心は離れている。その溝の深さが回を追うごとに増している気がするのだ。

 また、動画配信のシーンでは視聴者たちの強烈なツッコミが。冒頭、綾野演じる羽生の「えー、アバランチTVをご覧のみなさん、こんばんは~。アバランチでーす」という妙にこなれてきた第一声に対して「YouTuberか!」という声が上がり、配信が終わる頃には「『この配信がいいと思った方はチャンネル登録と高評価をお願いします! 』って言ったほうがいい」などと、YouTuber定番の締め台詞を用いて茶化す人たちも。「そろそろ垢BAN(アカウント停止)されそう」といった冷静な意見も含め、『アバランチ』の実況感想はもはやツッコミ合戦になってきている節がある。

 放送開始前は内容で魅せる作品かと期待させていたのが、蓋を開けてみると、その内容にいまひとつ集中できないドラマと化している『アバランチ』。制作陣としては、視聴率以上にその部分に忸怩たる思いを抱えているかもしれない。

■番組情報
月曜ドラマ『アバランチ』
フジテレビ系毎週月曜22時00分~
出演:綾野剛、福士蒼汰、千葉雄大、高橋メアリージュン、田中要次、利重剛、堀田茜、渡部篤郎(特別出演)、木村佳乃 ほか
主題歌:UVERworld(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監督:藤井道人、三宅喜重(カンテレ)、山口健人
音楽:堤裕介
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデュース:安藤和久(カンテレ)、岡光寛子(カンテレ)、笠置高弘(トライストーン・ピクチャーズ)、濵弘大(トライストーン・ピクチャーズ)
制作:カンテレ、トライストーン・ピクチャーズ
製作著作:カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/A/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/11/15 12:00
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