高橋メアリージュンが視聴率に貢献? 脚本弱い『アバランチ』の強みは役者陣
#アバランチ #高橋メアリージュン
登場する役者たちの演技がことごとく評判を呼んでいる、綾野剛主演のフジテレビ系連続ドラマ『アバランチ』。中でも第1話から賞賛の声が衰えないのが高橋メアリージュンの名演だ。
11月1日に放送された第3話では、高橋演じるアバランチのメンバー・リナの過去が明かされた。不都合な事実の隠蔽に関わる内閣官房副長官の大山(渡部篤郎)を引きずり出すため、リナは超VIPが通う高級会員制サロン・悠源館へスタッフとして潜入し、経営者の黄月蘭子(国生さゆり)が隠し持つ極秘情報を手に入れようとする。しかし実はリナには、親友が悠源館で働いたことが原因となって薬物依存となり、自死に追いやられたという私怨があった。蘭子を揺するための証拠を掴んだリナだったが、親友の死の原因を作った田淵(矢柴俊博)を前に怒りを抑えきれずタコ殴りにしてしまう。
高橋メアリージュンといえば、いまやドラマ界で引っ張りだこともいえる名脇役である。2021年放送のテレビドラマだけでも、冬ドラマの『オー! マイ・ボス! 恋は別冊で』(TBS系)、春ドラマの『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)、夏ドラマの『緊急取調室』(テレビ朝日系)、そして秋は『アバランチ』と出ずっぱり。フィリピンにルーツを持つくっきりとした顔立ちは、わずかな登場でも印象的だ。であるにもかかわらず、主演たちの魅力を脅かさない絶妙な存在感は高橋ならではの持ち味といえる。
第3話では、かねてから話題になっていた華麗なアクションのほかにも、高橋の見せ場が目白押しだった。悠源館スタッフに扮した際に見せた妖艶な微笑みや溢れんばかりの色気、号泣しながら馬乗りで田淵を殴るシーン、親友の自殺現場を発見したときの「うそうそうそ……!」と取り乱す絶望感など、どの表情もリアルで真に迫ったものばかり。SNS上にも「リナの笑顔が美しくてよりしんどさが増した」「思わず目頭が熱くなった」という視聴者たちからのコメントが寄せられた。
しかし、これほどの名演技を楽しめる作品でありながら、「脚本の弱いところを役者がカバーしてるように感じる」という声は引き続き止まない。たとえば、権力の犠牲者たちの人物像も「カンボジアに学校を建てたい」「タレントになってみんなを笑顔にしたい」など、型にはまったように安易な“善人”キャラ。また、性暴力やドラッグが絡むセンシティブなテーマに限って暴力で片付けてしまう配慮のなさなどがドラマへの没入感を奪っているようだ。
第3話の世帯平均視聴率は8.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と次第に数字を下げてきている『アバランチ』。しかし前回からわずかな下落に落ち着いたのは、リナという魅力的なキャラクターを演じる高橋メアリージュンが見られるという視聴者たちの期待感があったからだろう。SNS上の反応を見る限り、高橋はその期待に見事応えたといえそうだ。
■番組情報
月曜ドラマ『アバランチ』
フジテレビ系毎週月曜22時00分~
出演:綾野剛、福士蒼汰、千葉雄大、高橋メアリージュン、田中要次、利重剛、堀田茜、渡部篤郎(特別出演)、木村佳乃 ほか
主題歌:UVERworld(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監督:藤井道人、三宅喜重(カンテレ)、山口健人
音楽:堤裕介
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデュース:安藤和久(カンテレ)、岡光寛子(カンテレ)、笠置高弘(トライストーン・ピクチャーズ)、濵弘大(トライストーン・ピクチャーズ)
制作:カンテレ、トライストーン・ピクチャーズ
製作著作:カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/A/
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