小山田圭吾が参加する「METAFIVE」アルバム発売中止で物議…「五輪とは違う」「行き過ぎ」と抗議の声
#小山田圭吾 #METAFIVE
「コーネリアス」こと小山田圭吾が参加しているバンド「METAFIVE」の新作アルバムの発売中止が突如発表され、波紋を広げている。「仕方ない」とする意見がある一方、音楽ファンからは「行き過ぎではないか」といった抗議の声も上がっており、物議を醸しているようだ。
METAFIVEは高橋幸宏が率いるバンドで、小山田のほか、砂原良徳、テイ・トウワ、ゴンドウトモヒコ、LEO今井がメンバー。8月11日に待望の2ndアルバム『METAATEM』がリリースされる予定だったが、7月28日、同バンドが所属するワーナーミュージック・ジャパンの公式サイトで、同アルバムの発売中止が発表された。
あわせて、「タワーレコード渋谷店で予定しておりました発売記念トークイベントについても同様に中止とさせていただきます」と発売記念イベントが中止となったのに加え、「InterFM897にて放送しておりますレギュラーラジオ番組『METAFM』については、バンド活動上の都合により放送終了とさせていただきます」と、新作リリースに向けて7月4日より放送が始まったばかりのレギュラーラジオ番組の終了も突然の告知された。
理由は明記されていないが、小山田が過去の雑誌インタビューで障害をもった同級生への「いじめ」を告白していたことを問題視され、東京五輪・パラリンピック開会式の楽曲担当を辞任した騒動の影響ではないかといぶかしがる声が上がっている。
「7月21日には、同26日に開催予定だったワンマンライブの中止が急きょ決定していました。その時は『新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて』という理由が発表されましたが、やはり小山田の騒動の影響だとみる向きが強かった。アルバムについては『発売延期』ではなく『発売中止』となった点が大きく、完成していたはずの作品はもう世に出ないことになる。バンドは、事実上の活動休止状態になるのではないかともみられています」(音楽ライター)
これにネット上では「当たり前だ」「真っ当な判断、仕方ないよね」「自業自得でしょ」といった声も多く寄せられているが、同時に噴出しているのが「行き過ぎではないか」という意見だ。
音楽ファンを中心に「税金が使われる五輪から降ろされるのは当然としても、なぜアルバムが発売中止に?」「五輪と違って聴きたい人が金払って聴くんだから別に発売してもいいだろ」「1歩譲って小山田のソロアルバムなら仕方ないが、他のメンバーには関係ないこと」「延期なら納得するけど発売中止って……」といった抗議の声が飛び交っている。
「もともと同バンドは『高橋幸宏&METAFIVE』(2015年に現在の名称に改名)として結成され、その名前からもわかるように高橋を中心としていた。小山田の騒動が社会的な大問題となり、ゴンドウがTwitterでそれを擁護するような発言をして炎上するといった経緯はありましたが、高橋ら他のメンバーが連帯責任を負う必要があるのかは疑問です。これまでもミュージシャンが犯罪行為で逮捕された時に作品の発売中止や回収などが行われることがありましたが、その対象範囲が過去の問題行為にまで及ぶという前例をつくってしまうのも、今後の音楽業界に暗い影を落としかねません。また今作は、昨年受けた脳腫瘍の摘出手術を乗り越えた高橋の“復帰作”の意味合いも強く、余計に発売中止を残念がる音楽ファンは多いでしょうね」(前出)
小山田をめぐっては、彼が音楽制作に携わったNHK Eテレの2番組が「当面、放送見合わせ」となり、前作に引き続きオープニング曲を担当していたドラマ『サ道2021』(テレビ東京系)のオープニングが第3話から異例の“音楽なし”になるなど、存在がタブー化しつつある。8月20日より開催される大型野外フェス『FUJI ROCK FESTIVAL ’21』では、20日にMETAFIVE、21日にコーネリアスの出演が予定されているが、今回の「アルバム発売中止」騒動を受けて、このまま出演できるのかと不安がるファンも少なく無い。
オンライン署名サイト「Change.org」では「METAFIVEの新アルバム『METAATEM』発売中止の撤回、および販売開始を求めます。」とする署名活動も始まっている。発売中止の理由を明示しないワーナーミュージックに対し、「行きすぎた判断」の「撤回」を求めるとするこの署名活動は、開始からおよそ2日で800名以上の署名が集まっている。
安易に存在を「封印」すればそれでいいのか、音楽業界はしっかりと考え直してみるべきなのかもしれない。
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