トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『ボクらの時代』さかなクンのトーク力

さかなクンの“トーク力”に驚かされる『ボクらの時代』 「飽きっぽいから成長できる」子どもの教育論

さかなクンの“トーク力”に驚かされる『ボクらの時代』 「飽きっぽいから成長できる」子どもの教育論の画像
岩合光昭 公式Twitterより

 18日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)は、珍しい組み合わせ。日本人として初めて「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙を2度飾ったことでも知られる動物写真家・岩合光昭(いわごう・みつあき)、落語家の立川志の輔、そしてタレントで東京海洋大学名誉博士・客員准教授のさかなクンが顔を合わせた。

 それぞれ異なるフィールドで活躍する3人だが、ライフワークとして長年ネコを撮影している岩合は2019年に公開された『ねことじいちゃん』でフィクション映画の監督に初挑戦。この時の主演が志の輔だった。そして岩合と志の輔の2人がずっと会いたかった人物がさかなクンということでこの鼎談となった。

 やはり、生きものの生態を観察し続けてきた同士だからだろう、岩合とさかなクンはたびたび共鳴するような瞬間があった。岩合が「魚って表情がないって言われてるじゃないですか。でも僕、あると思います」と語ると、即座にさかなクンは「ありますね、先生」と反応。トビハゼの雄と雌の愛情表現を大いに語り、「興味深いですねぇ」と岩合を感心させていた。

 また岩合が、かつて「雄ライオンが雄ライオンを殺すところを撮影した」と大学の先生に話したところ「同種間で殺し合うのはヒトだけだ」として頭から否定されてしまった経験があると振り返ると、これにさかなクンも似たような経験があると同調。岩合は「『例外を言ってはいかん』って言われたんですよ。でも世の中例外だらけじゃないですか」と話し、だからこそ写真を撮りたくなるのだと語った。

 生きものを通して子どもの教育について語っていたのは、この3人だからこそ、だろうか。歳を重ねるごとにコケに興味を持つようになったという志の輔の話から、子どもの好奇心の話題に。さかなクンは「ちっちゃい時って『あ、これおもしろい!』『あ、でもこっちもおもしろい!』って気がどんどん移りますよね。でも、“飽きっぽいから成長できる”って聞いたことがありまして」と話し、イシダイを例に語りだした。なんでも、イシダイは「ちっちゃいとき」は好奇心旺盛でなんでも口にしてしまうため、食べても「磯の香りが強すぎてあまり美味しくない」が、大きくなると好奇心が薄れて主にアワビやウニなどを口にするようになるため、食べると美味しいのだとか。“イシダイも大人になると落ち着く”という話を楽しんだ志の輔は、あれこれと移り気だった我が子の教育について、いちいち叱ることなく、「何を言い出しても驚かないような心持ち」で見守っていればよかったと反省していた。

 これに岩合は、「親御さんが子どもの立場になって考えるのはとても難しいこと」と説明。美術館に行っても、大人の目線で絵が展示され、子どもの背丈で見ようとすると照明が反射して見えないことがあると例を挙げ、だからこそ子どもの目線になることが大事だと訴えた。また、動物園に行くと、子どもは気になる動物がいるとそこから動かなくなってしまうことがよくあるが、この時に親が子どもと同じ目線で一緒に観察することで、「キリンの尻尾ってこうだったんだね」といった、親にとっても新鮮な発見があるとも語っていた。

 映画化もされたNHK BSプレミアムのドキュメンタリー『岩合光昭の世界ネコ歩き』で知られる岩合だが、NHK以外のテレビ番組に出演するのは珍しい。そういう意味でも貴重な鼎談だったが、しかしなにより驚かされたのは、ふた回りほど歳の離れた人生の先輩とも話題が尽きず、楽しく知的に会話ができるさかなクンのトーク力だったかもしれない。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2021/09/18 22:15
ページ上部へ戻る

配給映画