ジャニーズ会見と同じ言葉、2代目社長は“健在”…『すばせか』は予言ドラマだった?
#ドラマ #この素晴らしき世界
若村麻由美主演のフジテレビ系木曜劇場『この素晴らしき世界』が思わぬ盛り上がりを見せている。
14日に最終回・第9話の世帯視聴率は平均3.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。次週に特別編の放送を残しているが、第9話までの全話平均視聴率は3.87%で、平成以降の木曜劇場(フジテレビ系木曜22時~)枠におけるワースト作品であるHey! Say! JUMP・中島裕翔主演『純愛ディソナンス』(2022年)の3.92%を下回っており、ワースト記録を更新してしまった。
「かと言って、昨年TVer見逃し配信の再生数でこれまでの記録を大幅に塗り替える大ヒットとなった『silent』(7300万再生超)や、今年4-6月期のTVer再生数で圧倒的ナンバーワンとなった『あなたがしてくれなくても』(5481万再生)のような配信ヒットとなるわけでもなく、TVerお気に入り登録者数は29万程度と深夜ドラマレベル。こまめに更新されているTVer再生数ランキングの総合トップ50は大半がドラマで占められていますが、『すばせか』は週の半分はトップ50圏外と、とにかく“無風”です」(テレビ誌記者)
本来、話題にものぼらないような状況だが……終盤の展開が現実と奇妙なリンクを見せているとして一部のネット掲示板などで注目を集め始めた。
「当初は若村麻由美演じる平凡な主婦・妙子が、姿をくらました大女優・若菜絹代と声も顔もそっくりということで、絹代が所属する芸能事務所『プロダクション曼珠沙華』の人間に乞われて絹代になりすます……という『なりすましコメディー』でしたが、徐々に芸能界の闇にスポットが当てられ、後半はこれがメインに。曼珠沙華の二代目社長・莉湖を木村佳乃が演じているのですが、社員がテレビ局のディレクター・沖野島から性加害に遭った問題で悩まされ、さらに沖野島が6年前に起こした薬物での過失致死事件を、莉湖の実父で曼珠沙華の創業者が“芸能界のドン”に依頼してもみ消していたなどの事実が発覚。『二代目女社長がセクハラ問題に悩む』『セクハラの被害者は仕事をもらう側の立場のため、告発しづらい構造』『すでに亡くなっている先代社長が遺した負の遺産』『先代社長の関与を認めると、事務所そのものが危うい』『業界の有力者による事件のもみ消し』といった要素が、ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題を思わせると話題になりました」(芸能記者)
加えて第8話では、「事務所を見限った副社長が独立を企み、所属タレントやスタッフの移籍も狙う」という展開もあり、余計にジャニーズ事務所をほうふつとさせたが、最終回となる第9話ではさらに驚きの“符号”があった。
「沖野島の関与が隠ぺいされた6年前の事件の真相を告発するため、妙子が絹代になりすまして生放送の番組に出演して暴露するという展開で、本物の絹代の協力も得た妙子は、芸能界を“素晴らしき世界”に変えるための“提言”を行うことに。そこで、問題があることに気づいているのに黙り込んで見て見ぬふりをする問題について語る際、『私たち一人一人の個人と世界との間にある、得体の知れない何か』『そういう得体の知れないものに気を取られて、若い人たちがこの世界の本当の姿を見ることができなくなっているとしたら、それは不幸なこと』『そういうよく分からない何かに自分を合わせていく必要なんてないんです』というセリフが飛び出したのです。奇しくも、7日のジャニーズ事務所の会見で井ノ原快彦が、ジャニー氏の性加害問題について『得体の知れない、それには触れてはいけない空気はありました』と言及したばかり。これには『得体の知れない何かってイノッチも同じようなこと言ってなかった?』『ジャニーズの騒動を見てから脚本変えたんじゃないかと思うくらい際どい内容』『タイムリーすぎる』『さすがに会見前に撮影終わってるよね? どういうこと…』などと視聴者がざわつきました」(同前)
ドラマではこの妙子の告発が成功し、6年前の事件が再捜査されることに。プロダクション曼珠沙華は、副社長ら問題の幹部は退任。顧問弁護士が一新される形で、莉湖は社長として事務所の建て直しに奔走する……という結末となった。
「副社長がひっそりと事務所を去り、“社長交代”こそなかったものの二代目女社長が“留任”するというあたりも、白波瀬傑副社長が会見前の5日付で副社長を退任していたことが発表されたり、藤島ジュリー景子氏が社長を退任するも株式100%保持で代表取締役として残るジャニーズを思わせましたね。一方、ドラマでは木村佳乃演じる莉湖は社員に向け、『私はこれまで、この会社の未来のためにやるべきことをしてこなかったことを心から反省しています』と謝罪。絹代になりすました妙子の生放送“演説”と合わせ、ネットでは『ジャニーズ聞いてるか?』『ヒガシ、このドラマ見るといいよ』といったコメントが相次ぐことに」(同前)
今回の脚本は、90年代から業界に身を置くフジテレビの鈴木吉弘プロデューサーが「烏丸マル太」名義で自ら書き下ろし。今年2月には最終回の台本まで完成していたと鈴木プロデューサーがクランクイン直後の6月5日時点で明かしていることもあり、ネットでは未来を予見していた“予言ドラマ”とのコメントも飛び出している。
「このドラマはもともとは鈴木京香が主演予定で、体調不良により降板。急きょ若村麻由美が代役を務めることになりました。主演が変更になったということで、『物語全体については全く変わっていません』というものの、脚本は書き直されています。若村は今期、レギュラーの『科捜研の女 season23』(テレビ朝日系)に加え、『初恋、ざらり』(テレビ東京系)にも出演と大忙し。『初恋、ざらり』は7月7日の放送前に撮影終了していたとはいえ、『科捜研の女』もあって常に掛け持ち状態での撮影に。『すばせか』が第9話で最終回、次週は特別編と、通常の木曜劇場よりも話数が少なかったのもスケジュールの都合だったようですから、話数縮小に合わせて終盤の展開はある程度書き直されているはず。主演交代が決まったのは、ジュリー前社長のコメント動画公開後のことですから、ジャニーズ問題を意識して内容を“調整”した可能性もゼロではないでしょう」(前出・テレビ誌記者)
最終話、木村佳乃演じる莉湖は「失敗したら、またやり直せばいいんでしょ?」と妙子の言葉を引用して笑っていたが、妻が芸能事務所の二代目社長を演じたこのドラマを、はたしてジャニーズ事務所の新社長である東山紀之は観ただろうか。
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