トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > アイドル > STARTO(旧ジャニーズ)  > イノッチ改革でジャニーズJr.退所増える?

「ジャニーズのデビューの概念変わる」発言が波紋…「CDデビュー」目指すジュニアの意欲削ぐおそれも

「ジャニーズのデビューの概念変わる」発言が波紋…「CDデビュー」目指すジュニアの意欲削ぐおそれもの画像
ジャニーズ事務所

 ジャニーズJr.を統括するジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦が、今後のジャニーズについて「デビューの概念が変わっていくかも」と意味深な発言をしたことが話題になっている。従来の「CDデビュー」というジャニーズの伝統がなくなる可能性があり、ファンからは反発の声も上がっている。

 総勢約200人の東西ジャニーズJr.が出演する合同コンサート『ALL Johnnys’ Jr. 2023 わっしょいCAMP! in Dome』の最終公演が20日に東京ドームで開催され、当日に井ノ原がメディア取材に応じた。

 最終公演は有料ライブ配信が急きょ決まったことから「デビュー発表があるのでは」と騒がれていたが、最後までデビュー発表なし。井ノ原は「(公演名が)『わっしょい』って言ってるくらいだから、みんなで盛り上がれるものにしたいと思っていた」と語り、合同公演でデビュー発表をするつもりはなかったことをにおわせた。

 この流れで、井ノ原は今後の「デビュー」について、「CDデビューはジャニーズの伝統だけど、ゴールでもスタートでもない。まずは人としてしっかり成長して、たくさんの人を幸せにできるようになってから。その段階を踏めることが大事」と強調。さらに「時代も変わってきていて、デビューの概念もこれから先、変わってくるのかもしれない。それが何かは日々スタッフと話している」と語り、CDデビューにとらわれないデビューの形を模索していることを明かした。

 しかし、当のジャニーズJr.たちは、これまでの伝統でもあることから「CDデビュー」にこだわっている様子。公演前の囲み取材では、人気ジャニーズJr.グループの代表メンバーがそれぞれ取材に応じており、HiHi Jetsの髙橋優斗がデビューについて「(ジャニーズJr.)全員が目指しているもの」と言及。7 MEN 侍の中村嶺亜は、テレビ出演や単独コンサートもできるジャニーズJr.に対しては先輩からも“デビューする必要はないんじゃないの?”と言われると明かしたうえで、「自分がここ(デビュー)に向かって進むと決めたからにはそれをつかみ取るまではあきらめたくない」「僕たちが今後見ている目標に向かって必ず通らなければいけない」「4年前のSixTONESさんとSnow Manさんがデビューした時は正直、僕たちは悔しがることができないことが悔しかった」などと熱い思いを語っており、“デビューしているのと変わらない”人気を誇っていても、明確に「デビューした」という「形」を求めていることがうかがえる。

 ジャニーズファンたちも当然、この「デビューの概念が変わる」発言に対して反発。「デビューの概念変えないで。 今までCDデビューを目指してガムシャラに頑張ってきた子たちの気持ちはどうなるの」「CDデビューは本人たちの夢でもあるからその夢を壊さないで」「いろいろ改革するのはいいけど、CDデビューの伝統だけはなくさないでほしい」「スマホで曲聴くなんて正直デビューしてなくたってできる。普通にデビュー発表して従来通りのデビューでいい」「配信は曲が無くなる可能性があるから絶対嫌。デビューの概念なんて変える必要ない」といった声がネット上に続出した。特に、長い年月をかけて「CDデビュー」を目指しているジャニーズJr.たちの「目標」が消えてしまうと感じ、抵抗感を示す人が多いようだ。

 実際、ジャニーズJr.当人たちが一番複雑な心境だろう。

 HiHi Jetsの猪狩蒼弥は、今年4月放送のバラエティ番組で、「前はジャニーさんがデビューって言ったらデビューだったんですよ。でも、そうじゃなくなって、誰かが(ひとりで決定権を持っている)ということではなくなった。兼ね合いというか、バランスというか」と語り、創業者の故ジャニー喜多川氏が社長だった時代とデビューの基準が大きく変わったことを告白し、「何したらデビューできるの?」と、どうすればデビューできるのかわからないとの悩みをこぼしていた。HiHi Jetsはデビュー組並みの大会場でコンサートを成功させているが、猪狩によると「今度ライブやります、こんな大きいところでやらせてもらいます……けど、それとデビューはまた別」なのだという。

 かつての「デビューはジャニー氏の意向次第」に関する是非は別にしても、ジャニー氏他界後の相次ぐ体制変更によって、ジャニーズJr.の中では「どうしたらデビューできるのか」という最も気になる部分が不明瞭であることがうかがえる。

 猪狩はもはやそこで悩むことは諦めた様子で、以前はHiHi Jetsのメンバーたちと「どうやったら俺ら認められる?」と話し合いを繰り返していたというが、今は「(どうすればいいか)分かんないから、もう楽しもうぜ。そしたら、いつか認められるでしょ!」と前向きに考えることにしたという。そんな状況で「デビューの概念が変わるかも」などと言われたら、余計にジャニーズJr.たちは混乱してしまうかもしれない。

 ジャニーズJr.においては、HiHi Jetsのほか、Aぇ! groupや美 少年もデビューが近いといわれ、Aぇ! groupについては今年6月に「文春オンライン」(文藝春秋)によって「デビュー決定」と報じられていた。だが、ジャニー氏の性加害問題の影響によりAぇ! groupの年内デビューの話が流れたともいわれ、美 少年についてもメンバーのスキャンダルが続発したことでデビューが遠のいたとみられている。このままデビューできずにもどかしい状況が続けば、メンバーたちのモチベーション低下が懸念される。先日立ち上げられたジャニーズJr.の公式サイト上でも、この3組以外に7組のユニットが存在しており、上が詰まった状態が変わらなければ、いつデビューできるかの見込みすら立たない。

 こうなると、いつまでもデビューできないならジャニーズを飛び出したほうがいいのでは……と考えるメンバーが出てくるおそれがある。実際に、現INIの田島将吾や、現WATWINGの髙橋颯など、元ジャニーズJr.が他事務所所属のグループで活躍する例は増えており、中には「7ORDER」といった全員が元ジャニーズJr.のグループも存在する。

 特に最近では、ジャニーズJr.時代にIMPACTorsとして活動していた7人が全員で退所、滝沢秀明氏の新事務所「TOBE」に所属し、新たに「IMP.」と名乗って今月18日にデビューしたばかり。こちらは配信リリースで「CDデビュー」ではないが、ジャニーズに在籍したままの状態では2020年結成のIMPACTorsのデビューはかなり先になったとみられ、2015年結成(現体制は2018年から)のHiHi Jetsや、2016年結成(現体制は2017年から)の美 少年のメンバーらは、かつての仲間が退所してすぐに華々しいデビューを掴んだ光景を複雑な思いで眺めていることだろう。

 今回の『わっしょいCAMP!』では、アンコール部分でジャニーズ史上初の動画撮影&SNS共有が解禁されるなど、さまざまな改革が進められているが、これについてもファンからは否定的な反応も少なくない。ジャニーズ事務所における「CDデビューの伝統」はそのままファンにとっても長年の“伝統”であるといえるところで、そこに切り込むことに井ノ原社長はどんな未来を見出しているのか。その手腕に注目が集まる。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/08/21 20:00
ページ上部へ戻る

配給映画