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ジャニーズ事務所、「トニセン存続をメンバーの合意なく公式発表」で深まるファンの疑念

ジャニーズ事務所、「トニセン存続をメンバーの合意なく公式発表」で深まるファンの疑念の画像
グループ公式サイトより

 2021年のV6の解散後も、坂本昌行、長野博、井ノ原快彦によるグループ内ユニット「20th Century」は活動を継続しているが、実は事務所がユニット存続を発表した時点ではメンバーは誰ひとりそのことを知らず、「事務所の発表で初めて知った」との裏話が明かされ、「本人たちの意志も確認せずに決定事項として発表するなんて怖すぎ」との声が上がるなど波紋を呼んでいる。

 驚きのエピソードが明かされたのは、11日に放送されたTBS系バラエティ『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』。この日は「初の本音サシ飲み」と題し、20th Centuryの3人がMCの中居正広と飲みながら語り合うという内容だった。

 35年以上の付き合いがある4人ならではのトークが繰り広げられた中、MCの中居が将来についてどう考えているか質問。坂本が「トニセンとしては……」と話し始めた際、中居が「トニセン解散ってこともあるのか」と言及し、そこから20th Centuryの活動継続が決まった経緯について語られることになった。

 V6は2021年11月に解散し、同時に森田剛、三宅健、岡田准一による「Coming Century」は活動を終了したが、年長ユニットの20th Centuryは現在も活動を継続している。20th Centuryの存続は、解散7カ月前の同年3月12日に発表されたジャニーズ事務所のV6解散に関するプレスリリースの中で「V6のグループ内ユニット20th Centuryは存続することとし、Coming CenturyはV6の解散をもちまして、活動を終了いたします」と言及された。

 坂本は、「V6が解散した時に、『うちらどうしようか』っていう会話をしてない、実は。トニセンとしてどうしようかっていう会話をしてなくて。で、『V6解散します、トニセンとしては活動をいたします』っていうのを……ニュースか何かで見たんだよね?」と明かし、井ノ原が続けて「事務所の文面で知って。『え、そうなの? 誰か「やる」って言ったの?』って確認したら、『(誰も)言ってない』って。多分、事務所は『どうせあの人たちやるでしょ』みたいな感じだったと思う」と、メンバーの意志を確認することなく事務所が存続を発表したのだと内幕をぶっちゃけた。

 それを聞いた中居は「会社は憶測でリリースしたの?」と驚愕しつつ、同時に「面白いな。それも許せちゃう3人だから」と、勝手に発表されたユニット存続を受け入れるメンバーの懐の深さに感心。メンバーも「本人確認がない」と笑いながら、「やらない雰囲気はなかったからね」「辞める理由がなかったから」とフォローを入れつつ、坂本は「(発表があって)そこで初めてメンバーで話し合って、『じゃあやろうか』って。井ノ原が『おじさんになっても歌いたい』と。そうだよね、うちらもやりたいねって、なんとなくゆっくり歩き出して」と、事務所の発表後に3人で意志を確認し合って今に至ると説明した。

 井ノ原はまた、「(事務所内の意識として)“解散すると歌出せなくなる”っていうのがなんとなくあるんじゃないかなって。後輩にとってもよくないなって。50過ぎても全然歌うたっていますっていう(例を後輩に示すために)とりあえず続けてるんですけど」と、活動継続することの意義についても語っていたが、本人たちの意志を確認することなく存続を発表したというジャニーズ事務所に対し、視聴者から批判的な声が続出。「そんな大事なことをコンセンサスなしで発表するって信じられない」「リリースの文面にメンバーたちの意思はまったく反映されてないってことでしょ、怖すぎ」「この時期に『勝手に活動継続を発表された』ってブラック的なエピソード話して大丈夫?」といった意見がネット上で飛び交っている。

 当時のプレスリリースでは、V6の解散について「メンバー自身、自分たちが追求してきたエンターテイメントに納得することができたため、より一層の成長を考えたときに、次のステップに挑戦したいという気持ちが芽生えた」「6人がV6のメンバーであることを誇りに思い、一人の人間として、これからの人生に対して前向きに決断した結果でございます」といった文章がつづられていた。しかし、20th Century存続についてメンバーが関知してなかったとなると、このV6解散にあたってのプレスリリースそのものもメンバーが内容を確認していないとも考えられ、事務所への不信感を抱いた人は多いようだ。

 無論、「本人たちもトニセン続けたかったんだから結果オーライ」「これは事務所のナイス判断」「勝手に発表したおかげで今のトニセンがあると思ったら感謝しかない」といった意見も出ているが、ジャニーズ事務所のタレントは基本的に全員が個人事業主にあたり、グループを活動継続するかどうかという重要な内容を本人たちに相談なく一方的に決定して世間に発表し、既成事実化させてしまうというやり方は、企業として問題があるだろう。しかも20th Centuryの3人は20年以上にわたる事務所の「功労者」なのだ。

 そのため、一部ではジャニーズ事務所に対する疑念が深まる事態となっている。2016年末のSMAP解散や、King & Princeの脱退・退所騒動などに関しても「事務所の発表は、メンバーに確認せずに勝手に出した文面なのでは」との憶測が飛び交っているのだ。坂本、長野、井ノ原はジャニーズの中でもベテランクラスで貢献度も高く、そんな彼らですら「発表前の本人たちへの確認がなかった」と分かったことで、過去のプレスリリースに対しても疑惑の目を向ける人が続出しているようだ。

 ジャニーズ事務所は以前から、ワンマン経営者にタレントが振り回されるという「笑い話」をタレント自ら語る機会が多く、「もともとそういう事務所でしょ」という擁護の声もある。だがSMAP解散騒動以降、ジャニーズ事務所に対するファンの不信感は少しずつ積み重なっており、性加害問題などに揺れる今では、さまざまな憶測を呼んでしまうエピソードであるのも間違いなく、単なる自虐ネタとして受け止められず、「笑えない」という視聴者やファンが出てしまうのも仕方ないかもしれない。ジャニーズ事務所は今年1月1日に藤島ジュリー景子社長名義で「4つの約束」を宣言し、「タレント、支えるスタッフ、舵取りを担う経営者が、同じ目線で語り、夢を分かち合う」としていたが、今後はこうした一方的な決定も是正されていくだろうか。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/08/14 21:00
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