バレーW杯ジャニーズ枠“消滅”のフジに『TOKIOカケル』“降格”報道も…蜜月関係は継続か
#フジテレビ #TOKIOカケル #ジャニーズ事務所
TOKIOがMCを務めるフジテレビ系バラエティ番組『TOKIOカケル』が、現在放送されている水曜23時枠から撤退し、土曜午前への移動で調整が進んでいると報じられた。TOKIOは長らくフジの23時枠を保持していただけに驚きの声が広がり、テレビ局の「ジャニーズ離れ」の影響を指摘する声が上がっているが、フジテレビとジャニーズの蜜月は途切れないとの見方もあるようだ。
2日付の「東京スポーツ」WEB版が10月の改編で『TOKIOカケル』の放送枠が移動になると報じており、同紙によると、現在の水曜23時枠から土曜午前10~11時台への移動で調整されているという。同紙は「事実上の“降格”」であるとし、放送時間も40分から30分への短縮で協議されているとしている。先月にも他のメディアで同様に同番組の「23時枠からの撤退」が報じられており、放送枠が変更される可能性は高いようだ。
TOKIOは、1998年から放送された『男女8人恋愛ツアー!TOKIOのな・り・ゆ・き!!』でフジの23時台に進出。以降は『メントレ』『メントレG』『5LDK』などで放送曜日の変更などありながらも23時台の顔を務め、それが現在の『TOKIOカケル』まで続いていた。『メントレG』のゴールデン昇格によって一時離れていた時期はあったが、四半世紀近く23時枠を保持してきただけに“降格”の衝撃は大きい。
フジテレビといえば、嵐の相葉雅紀らがレギュラー出演する『VS魂グラデーション』が9月いっぱいで打ち切りになると伝えられており、前身の『VS嵐』から数えて約15年半の歴史に幕を下ろすことが確定的に。先日は、Kis-My-Ft2の冠番組『キスマイ超BUSAIKU!?』も9月末で打ち切りになると発表されたばかり。
さらに、フジテレビが中継する9月開幕の『FIVB パリ五輪予選 ワールドカップバレー2023』で、関西ジャニーズJr.の「Aぇ! group」がスペシャルサポーターを務める予定だったが、取りやめになったと「朝日新聞」などが報じた。実際、ワールドカップバレーの中継番組はジャニーズ系グループがスペシャルサポーターとテーマ曲を担当するのが恒例だったが、今回は同局の『ぽかぽか』のMCを務めるハライチ(岩井勇気、澤部佑)、神田愛花の3人とフジテレビアナウンサーらが「バレーボール日本代表応援団」となり、「日本代表応援ソング」はMrs.GREEN APPLEの「ANTENNA」に決定している。なお、一部報道ではAぇ! groupはユニバーサル ミュージックからデビュー予定だったともされていたが、Mrs.GREEN APPLEはそのユニバーサル所属のアーティストでもある。
相次ぐ番組打ち切り報道や『TOKIOカケル』の23時台撤退、そしてワールドカップバレーの件について、業界の内外ではフジテレビがジャニーズ事務所と距離を置き始めたと指摘する声が上がっている。昨今は、ジャニーズ事務所創業者・故ジャニー喜多川氏による未成年への性加害問題が大きく騒がれ、ジャニーズのイメージが急落。広告業界で敬遠ムードが広がっているともいわれ、それに伴って蜜月関係だったフジテレビも“ジャニーズ切り”の動きを強めてきたのではとみられているようだ。
だが、これを疑問視する意見もある。『VS魂グラデーション』の打ち切り後に新しいバラエティ番組が始まると伝えられているが、そのMCは変わらずに相葉が務めると複数のメディアで報じられているのだ。『VS嵐』から移行した『VS魂』は視聴率が低迷し、大幅に番組内容を変えて『VS魂グラデーション』にリニューアルしても不評で迷走状態になっていたことから「性加害問題がなくてもいずれ終わっていた」との見方が強い。となると、ジャニーズ離れの影響で番組が打ち切りになったわけではなく、相葉メインの体制はそのままに別番組にして仕切り直すという判断だとみるのが妥当だろう。
『TOKIOカケル』についても、ジャニーズ離れの影響とは思えない部分がある。移動先として一部で報じられているフジテレビの土曜午前10時~11時台は、10時25分からHey! Say! JUMPの冠番組『いただきハイジャンプ』、11時05分からKinKi Kidsの冠番組『KinKi Kidsのブンブブーン』が放送されている。TOKIOの番組移動に伴ってどちらかの番組が終了したり枠移動したりすることは考えにくく、『TOKIOカケル』は9時55分から放送されている教養バラエティ『サスティな!~こんなとこにもSDGs~』の枠に入るのではと推測されている。そうなれば、フジテレビの土曜10時~11時台は完全に「ジャニーズゾーン」となり、よりフジテレビとジャニーズの結びつきが強まったような印象すら受ける。『TOKIOカケル』移動後の水曜23時枠も、ジャニーズの番組が新たに始まるのではとの見方も強い。水曜22時台のドラマで来年1月期にジャニーズ主演ドラマが予定されているとの一部報道もある。
性加害問題をきっかけに“ズブズブ”の関係を改めたいという意識はフジテレビ側にもあるだろうが、ドラマにしても音楽番組にしてもバラエティにしても、思った以上にテレビ局のジャニーズへの依存度は高い。ワールドカップバレーのジャニーズ枠の消滅や『キスマイ超BUSAIKU!?』の終了などは断行されたものの、すぐに「ジャニーズ離れ」とはいかないのが実情ではないだろうか。調査と結果公表を求める申し入れをしたとするテレビ東京以外の各局は、5月下旬の定例記者会見などの場で、一様に性加害問題について「推移を見守る」などと述べるに留まり、番組制作への影響はないとしていたからだ。
日本テレビは、今月26日~27日に放送される『24時間テレビ』で、なにわ男子をメインパーソナリティーに起用。ジャニーズJr.の「美 少年」が中京テレビの東海3県(愛知・岐阜・三重)メインパーソナリティーを務め、Aぇ! groupが4年連続となるytv(読売テレビ)のスペシャルサポーターを担当する。今年の同番組は「子ども、環境、SDGsなど、未来に向けて考えるべき社会問題を取材・発信する」というコンセプトだそうだが、性加害問題が解決しない中で「子どもの未来」を考える番組にジャニーズを起用することを疑問視する人は多い。だが、実際はジャニーズタレントが大挙して出演するわけで、どうやら日本テレビも「ジャニーズ離れ」からは程遠い状況のようだ。
性加害問題をきっかけに業界の「ジャニーズ忖度」の構図が大きく変わるのではと期待されていたが、テレビ局の「ジャニーズ依存」は思った以上に根深い。今後も世間の疑問の声をよそに、テレビ局はジャニーズとの蜜月関係を続けていくのだろうか。
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