ジャニーズ帝国崩壊の危機…すべては性加害問題を軽視した「初動対応」が原因か
#ジャニーズ事務所
ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による未成年の所属タレントに対する性加害問題に対し、5月14日に藤島ジュリー景子社長が“謝罪”動画と文書を発表するという形でようやく事務所サイドが公式見解を示したものの、騒動は収束する気配を見せず、ジャニーズ帝国の崩壊が現実味を帯びてきている。
14日に発表された文書では、ジュリー社長は「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」と強弁したほか、外部の専門家などで構成された第三者委員会の設置については見送り、「別の方法を選択」するとするなど、事実上の「ゼロ回答」で、世間からは厳しい目が注がれている。
19日には、2021年に退所した近藤真彦が「本当に言いにくいんだけど」と切り出した上で、こうしたジュリー社長の対応について、「ウソはダメだなって。こうなったら正直に全てをしっかり話さないと、世の中の人が許さないんじゃないかと思う。隠しごとなしに、知ってた、知らないじゃなくて、『もう知ってるでしょ』と。隠しごとなしにウソなしにしっかりと正面を切って正々堂々と話してもらえればなと。じゃないと、みなさん納得しない人多いんじゃない」などと話したことも話題になった。
「ジャニーズ内最年長で“長男”とも呼ばれていた近藤は2020年11月に不倫疑惑などを報じられ、事務所内の立場を一気に失ったことで、翌年4月、ジャニーズ退所を余儀なくされていました。そんなマッチからすれば、今回の発言は守ってもらえなかった古巣に一矢報いた感じでしょう。ジャニー氏の性加害疑惑は週刊誌だけでなく、一般紙や通信社も相次いで取材。今回の近藤の苦言も、他人事のような物言いに批判の声も出ていますが、ジュリー社長の『知らなかった』発言を正面から否定している部分はやはり評価されています。ジャニーズはさらに厳しい立場に追い込まれた形です」(芸能記者)
21日には『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)の生放送の中でMCの東山紀之がついにコメント。「事務所より喜多川氏に関する公式見解が出されましたので、私自身の考えを伝えさせていただきます。この件に関しましては、最年長である私が最初に口を開くべきだと思い、後輩たちには極力待ってもらいました」と、所属タレントが一様にこの件に触れなかった理由を説明しながら、「元ジュニアたちの勇気ある告白は、真摯に受け止めなければなりません。実際に被害を訴えられていることは本当に切実で、残念でなりません。未成年に与えた心の傷、人生への影響は計り知れません」「事務所から再発防止策が出されましたが、我々もどのような未来を迎えるべきなのか、現在在籍しているタレントはどうすべきなのか、告発された皆さんにどう対処するべきなのか、そもそも『ジャニーズ』という名前を存続させるべきなのかを含め、外部の方とともに、すべてを新しくし、透明性を持ってこの問題に取り組んでいかなくてはならないと思っています」などと語った。
「ただ、このコメントについても具体性がなく、当たり障りない発言だとして賛否出ています。しかもこの発言によって、『news zero』(日本テレビ系)の櫻井翔ら、他局で発言する機会のあったタレントに対して、“自分が発言するまで待て”とのお達しを出していたことが明確になったわけで、それは“加害”側のジャニーズ事務所がテレビ局の報道に口を出すという報道倫理違反の可能性が疑われることも意味し、大問題発言だとの指摘もあります。東山は“発言しないわけにはいかない”と思ったのでしょうが、かえってジャニーズは墓穴を掘った形と言えるかもしれません」(同)
後手後手のうえに悪手ばかり続くジャニーズ事務所の対応だが、ジャニーズサイドは当初、ここまで騒動になるとは思っていなかったフシがあるという。
「発端は、3月に英BBCがジャニー氏の性加害疑惑を取り上げたドキュメンタリーを放送・配信したところにありますが、ほぼ『週刊文春』(文藝春秋社)が過去に報じた内容をなぞるようなものだっただけに、楽観視していたようです。ドキュメンタリーが放送・配信された際、複数のメディアがジャニーズ担当者に事実確認などを問い合わせたのですが、返ってきた答えの一つが『ご容赦を』といった、軽いとも受け止められるニュアンスの文言だったんです。そもそもジャニーズをとりまく御用メディアの間ではジャニー氏の問題は長らく公然の秘密とだったわけで、ジャニーズ側には今さら感があったのでしょうし、ジャニー氏が亡くなってしまっているため、逃げ切れると踏んでいたのでしょう。“また蒸し返されるのは勘弁”程度に思っていただろうことが『ご容赦を』あたりからうかがえます。
そもそもBBCの取材班がジャニーズ事務所に突撃取材したのは昨夏。そこから半年以上の間にジャニーズ側が取った対応は、ジェイ・ストームなどの関連4社の会長にジュリー社長が“昇格”したことや、『コンプライアンス体制の整備・実践』などの4つの公約を年始に発表した程度ですからね」(同)
3月のBBCドキュメンタリー放送に続き、4月12日には日本外国特派員協会で元ジャニーズJr.による顔出し実名告発が行われ大きな反響を呼んだが、ジャニーズ側が公式見解を示したのはそこからさらに1カ月後。世間では「対応が遅すぎる」と批判されているが、ここまで状況が悪化したのも、初動対応を見誤ったことが原因の一つだったのは間違いなさそうだ。
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