櫻井翔“キャスター”はスルーで…ますます問われる「ジャニーズ×24時間テレビ」問題
#日本テレビ #24時間テレビ #ジャニーズ事務所
ジャニーズ事務所に激震が走っている。
英BBC放送がジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川前社長による所属タレントへの性加害疑惑を追及したドキュメンタリー番組『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』を3月に放送したのに続き、4月12日には元ジャニーズJr.が実名顔出しで日本外国特派員協会で記者会見を開き、世界的な反響を巻き起こした。「週刊文春」(文藝春秋社)では実名での告発も含め被害者が続々と登場しており、これまで沈黙を保ってきたジャニーズ事務所はついに5月14日、藤島ジュリー景子社長による謝罪動画と文書を公表するに至った。
ジュリー氏はスーツ姿で顔を出して「株式会社ジャニーズ事務所代表取締役社長、藤島ジュリーでございます。この度は、創業者ジャニー喜多川の性加害問題について世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます」などと謝罪。書面では、今回の件を受けて事務所内にコンプライアンス委員会を設置したり、社外取締役を入れるなどして経営体制を抜本的に見直して再発防止に努めることを改めて誓った。
その一方、過去にジャニー氏による性加害問題が「文春」等で取り沙汰されたことについては、当時すでに同社の取締役として経営に関わっていたものの、「タレントのプロデュースをジャニー喜多川、会社運営の全権をメリー喜多川が担い、この二人だけであらゆることを決定」している状態で、「本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化」していたため、「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」と釈明した。
今回のジュリー氏の謝罪動画公開を受けて、普段は同社に関するネガティブな報道を避ける傾向にあった民放キー局の報道番組やスポーツ紙などもこぞってその内容を報じるなど、新たな動きも見られる。
スポーツ紙のデスクはこう話す。
「芸能に関しては主に制作ニュースや記者発表などのニュースを伝える一次情報メディアである我々としては、良くも悪くも大手事務所との良好な関係性は必要不可欠です。それに加えてテレビ局や女性誌を発行している出版社などにとってみれば、報道の対象となるだけでなく、貴重な取引先でもありますからね。それでも、今回ばかりは無視できない案件ですし、ジュリー社長の謝罪動画を公開した時点で、ジャニーズサイドも覚悟はしていたでしょう」
実際、ジャニーズ事務所の記事を専門に書く、いわゆる“ジャニ担記者”を置いている「スポーツニッポン」や「サンケイスポーツ」「東京中日スポーツ」も5月15日発行の紙面の一面で、「性加害問題」「謝罪」などのインパクトある見出しをつけて大々的にジュリー社長の謝罪動画に関する記事を掲載した。
TBSの報道番組『news23』では謝罪動画の公開に先立ち、ジャニー氏による性加害の被害者の証言などを詳しく報じ、メインキャスターの小川彩佳アナが「報道機関がどれだけこうした被害を報道してきたのか。少なくとも私達の番組ではお伝えしてこなかったという現状があります」とコメントして注目を集めた。
そうした中、業界内外で注目を集めていたのが、“謝罪”発表の翌日・15日の夜に放送された日本テレビ系報道番組『news zero』だ。同番組の月曜日は、嵐の櫻井翔が曜日キャスターを務めているためだ。
櫻井“キャスター”がこのニュースについてどう反応するかが注目されていたが、蓋を開けてみれば「スルー」。同番組では、ジュリー社長が発表した動画を流し、これまでの経緯を説明するなどニュースとして扱ったが、有働由美子キャスターは「この件については、番組で話し合って、私が話します」と宣言。「まずは性被害については、被害者のケアを最優先にしてほしい。そして、エンタメを通じてたくさんの夢を見せてきてくれたジャニーズだからこそ、ファンや私たちが迷いなく夢を見続けられるようにしてほしい。そのためには今回の説明にとどまらず、プライバシーを守ったうえでですが、情報をオープンにする社会的責任を果たしていくべきだと思います」と訴えた。さらに「私たち『zero』も性被害は絶対に許さないという姿勢で、しっかりと向き合っていきたいを思います」と語ったものの、当該ニュースを報じる場面で櫻井の姿はなく、コメントを発することもなかった。
この番組の姿勢に、視聴者からは「櫻井さん、情けない。どの面下げてキャスターとして出てるのか」「どうして担当日キャスターの櫻井は画面から消えたのだろう。逆にこういう姿勢に違和感を感じてしまう」「ジャニーズの問題、櫻井さん話せないならキャスター降りるべき」「さすがに櫻井をスルーさせるのは違和感すぎだわ。ニュースキャスターの肩書きなんだよね?」など厳しい声も飛び交っている。
同局の別の情報番組のスタッフは語る。
「まあ、予想通りの展開ですね。当初は櫻井さんが話すプランもあったようですが、事務所の都合でなくなったようです。日テレとしても、GP帯にも深夜帯にも主演ドラマがあったりとジャニーズとはべったりですから、“仰せのままに”状態だったでしょう。『番組で話し合った』結果、有働さんが矢面に立つしか選択肢がなかったのでしょうが、それでもキャスターを名乗るなら、事務所の意向を無視してでも、なにかひと言話すなり、それでなくてもその場に居合わせるべきでしたけどね。いかにもこの問題から逃げたという印象を視聴者に与えてしまいましたし、『news zero』自体、報道番組としての姿勢を問われることになります。すぐ近くに関係者がいたわけですから」
もっとも、世間の反応とは裏腹に、同局内では今回の『news zero』の件はさほど注目されてもいないという。
「ハッキリ言ってしまえば、“大事の前の小事”といった感じです。というのも、うちは今夏にジャニーズタレントとのコラボでおなじみの『24時間テレビ』を控えていますからね。ただでさえ、毎年のように『偽善の押し売り』だの『チャリティ番組なのに出演者にギャラが出るのはおかしい』だのと視聴者から厳しい声を受けているわけですが、今年は“ジャニーズ問題”で大揺れになるのは間違いない。やっとコロナ禍が沈静化の兆しを見せ始めたのに、もっと深刻な問題が浮上したということで局内は戦々恐々ムードですよ」(前出の情報番組スタッフ)
今年のメインパーソナリティはなにわ男子が担当。「恒例の番組内スペシャルドラマにもなにわ男子のメンバーが出演すると聞く」(芸能記者)とのことだが、今年の番組テーマは「子ども、環境、SDGsなど、未来に向けて考えるべき社会問題」とのことで、まず先にジャニー氏の性加害問題を考えるべきとの声も出ており、ますます『24時間テレビ』の是非が問われている。せっかくの大役を掴んだなにわ男子だが、貧乏クジを引かされた格好となるかもしれない。
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