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「性加害問題」渦中のジャニーズが流した「言い訳だらけ」な釈明文書に疑問の声

「性加害問題」渦中のジャニーズが流した“言い訳だらけ”な釈明文書に疑問の声の画像
ジャニーズ事務所

 元SMAPの中居正広と香取慎吾が、4月30日放送の『まつもtoなかい』(フジテレビ系)で6年ぶりの共演を果たした。

 番組の初回を飾るのに十分すぎるゲストで、真裏に絶好調のTBS日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』がありながらも視聴率は世帯平均で10.5%、個人7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録(※『ラストマン』は世帯13.1%、個人7.8%)。見逃し配信では2日で120万回再生を突破し、Twitterで世界トレンド1位となるなど大反響を呼んだ。

 一方、2人の古巣であるジャニーズ事務所は揺れに揺れている。

 今年3月に英BBC放送がドキュメンタリー『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』を放送したのをきっかけに、ジャニーズ事務所創業者である故ジャニー喜多川前社長の所属タレントに対する性加害疑惑が再燃。そして大きな潮目となったのが、元ジャニーズJr.が実名顔出しで日本外国特派員協会で記者会見を開き、生々しい性加害の“実態”を告発したことだった。ドキュメンタリーにも協力した「週刊文春」(文藝春秋社)による追撃も始まり、被害者の声を続々と掲載している。

 一連の報道は、海外からも関心を持たれているが、ジャニーズは一部の取引先に対し、釈明の文書を送付したという。

 文書では、「本件につき、問題がなかったなどと考えているわけではございません」などとしながら、「社員及び在籍タレントに対して相談の窓口を設け、ヒアリング及び面談」を実施し、元所属タレントに対しては「外部専門家の相談窓口の設置、個別対応を行う準備」を進めていると説明。他にも社外から取締役を迎えるほか、タレント育成などについても「専門家や中立性のある窓口への相談が可能な体制・制度」を準備中としている。

 ただ、釈明文書の一部の表現に広告代理店関係者は苦言を呈す。

「文書にはまず最初に『当事者であるジャニー喜多川が既に故人であることに起因して、全ての事実を確認することが難しい状況である』とあり、冒頭から言い訳がましい印象を受けますね。また、事務所の言い分では過去にも“ヒアリング”を行ったほか、元ジャニーズJr.の告発会見後にも“ヒアリング”を実施したそうですが、『現時点では問題となる点は確認されておりません』と付記。あくまで社内のヒアリングレベルで調査がちゃんと完了していないのならば、わざわざ言及するべきことではなく、“疑惑”を払拭したい姿勢がちらつく。最後にも『弊社タレントは皆、それぞれが日々の並々ならぬ努力や研鑽によってのみ輝いている』と強調しており、“デビューするためにはジャニー氏の性加害を受け入れる必要がある”という認識がジャニーズJr.内で共有されていたという告発内容を暗に否定しようとしている印象で、報道や告発を真摯に受け止めていると言いながら、その実、しっかり弁解もしているという内容には疑問を感じますね」

 さらに「文春」報道によれば、「所属タレント向けの相談窓口」を担当するのは元V6の井ノ原快彦、TOKIOの国分太一と松岡昌宏、関ジャニ∞の村上信五、Hey! Say! JUMPの山田涼介、Sexy Zoneの菊池風磨と、すべて所属タレントだという。第三者機関の調査などはなく、専門家ではないタレントが相談窓口となる方針に、性加害疑惑を調査するつもりがあるのか、世間では疑問の声が上がっている。

 ジャニーズタレントを起用しているスポンサーの多くは様子見を決め込んでいるが、一方でテレビ報道については不自然な動きもあった。

「この文書が各テレビ局にも送られていたのもあるのだろうが、一連の報道にきわめて消極的だった各テレビ局が、ジャニーズ事務所が『告発を真摯に受け止める』とする文書を送付したというニュースを一斉に取り上げた。元ジャニーズJr.の告発会見はNHKが翌日の夕方のニュースで簡単に取り上げた程度だったのが、なぜかこの内部文書についてはNHKは昼と夜に2度報じたり、民放の報道でも積極的に紹介。“ジャニーズ事務所はちゃんと対応に動いてますよ”というアピールになるからだろうが、一方でジャニーズ事務所はジャニー氏の性加害疑惑について公式に一度も具体的に言及したことがない。文書でも『各方面よりご指摘の件』『本件』などと言葉を濁している。本当に報道や告発を真摯に受け止め、真剣に調査・対応を進めているのであれば、ジャニーズ事務所側も記者会見を開いて公に説明するべき。“何かをしているポーズ”だけであれば、世間を納得させることが難しいだけでなく、所属タレントを守ることにもつながらない」(芸能記者)

 ここにきて、中居と香取の共演を黙認したのも、騒動の矛先をかわす狙いがあったのだろうか。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2023/05/05 11:00
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