『ロンバケ』配信の“改変”を批判も…北川悦吏子氏「セリフのカット」指摘に混乱のワケ
#フジテレビ #北川悦吏子
人気脚本家の北川悦吏子氏による“告発”が波紋を呼んでいる。
北川氏は、1996年放送のフジテレビ系月9ドラマ『ロングバケーション』が現在TVer、FODで配信されていることについて、無断でオンエアと内容を変更しているとして批判しているのだ。
木村拓哉と山口智子の共演となった同作は、世帯視聴率が常に25%以上、最終回は36.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)をたたき出したという伝説の月9ドラマ。全話の脚本を担当した北川氏の出世作でもある。
フジテレビ開局65周年イヤーの一環で、TVerおよびFODにて「フジテレビ春の名作ドラマ祭り65」が3月1日より展開されており、4月10日スタートの『風間公親-教場0-』で主演を務める木村の作品も、『ロングバケーション』と『ラブジェネレーション』の2作が3月10日から配信が始まっており、間もなく配信を終了する。
名作の配信ということもあり、『ロングバケーション』はTVer総合ランキングでトップ3に食い込む日があるなど、多く視聴されている様子。北川氏もそのことは素直に喜んでいるが、4月1日、「ただ、一つだけ、言わせてください。ロンバケの企画者であり、いわば原作脚本、ドラマの大元を作った人間として、言わせてください」としてTwitterで批判を展開した。
「北川氏によれば、セリフがカットされていたり、劇伴の音楽が変更されているなど、放送版の内容と違う部分があるとのこと。セリフも劇伴も、当時限られた尺の中でどのセリフを残すか、どの音楽がこのシーンに当てはまるか悩み、苦労の末に完成されたものであり、『配信されるお知らせもなければ、内容の変更のお知らせもありません。それが、今の常識です』『少なくとも私は、(内容変更が気になって)配信が見られません』『私たちが作ったものとは、少し違うものです』『私の心の叫び、みたいなものです』と連投ツイートで訴えました。『配信するために、音楽や諸々の権利関係のクリア、尺調整、いろんな方々の手を煩わせていると思います。 ご苦労様です。感謝します』としてはいますが、無断で“改変”されたことに納得がいっていない様子がうかがえます」(芸能記者)
確かに、苦労してつくりあげた作品が勝手に修正されていたのだとしたら、物申したくもなるだろう。実際に配信版は放送とは微妙に異なっているのだが、北川氏が挙げた「セリフのカット」の例が、かえってファンを混乱させてしまったという。
「北川氏は、第2話終盤、南(山口智子)のもとに元婚約者から届いた『結婚しました』のハガキに瀬名(木村拓哉)が先に気づき、南に見せないようにする場面を挙げ、『瀬名が朝倉から来た「結婚しました」というハガキを破って半分食べるところ。南が「結婚しま…?!」と言うと瀬名が「せん、じゃないかな?」と言うのですが、そのセリフは配信ではカットされています』と指摘。これに、ファンからも『ここ名シーンなのに』『なぜ、この大切な台詞をカット?』と怒りの声が上がりましたが、一方で『TVerではそのセリフありました。他の配信サイトでしょうか』『TVerではカットされてなかったけど…』といった反応も。実際、TVerで観てみても、該当部分はちゃんとあり、カットはされていないんです」(テレビ誌記者)
なぜこんなことになったのだろうか。
「該当場面が第2話の終盤残り2分のシーンだったこと、そして北川さんに同意するコメントの中に『その場面でいきなりTVerが切れて、え?なんで?となりました』という“証言”があることを考えると、セリフのカットではなく、配信プラットフォームの不具合だったのでは。たとえばTVerでは途中で突然フリーズしてアプリが落ちたり、読み込み中のまま固まってしまうなどの不具合がたまに起こります。終盤に差し掛かったところで最後まで再生されず番組が強制終了してしまった……といった不具合であれば、北川さんが“セリフがカットされた”と勘違いしてしまった可能性もあるでしょう」(同)
ただ、配信にあたって修正が入ったのは事実のようだ。
「北川さんは3月11日にもセリフのカットの指摘をしていますが、これは事実でした。第1話の冒頭、南が瀬名の部屋に押し掛けた場面で、寝てるところを起こして悪かったと南が謝ると、瀬名が今日はピアノのコンクールがあるのでちょうどよかったと気を利かせるのですが、それを聞いた南が『私にとっては……結婚式に花婿に逃げられた、人生でたぶん最低最悪の日?』などと語る場面が配信版ではまるっと抜けており、すぐに『じゃあね』と去っていこうとするという編集に変更。第2話のパチンコ屋のシーンでは、放送とは違って、パチンコ台の画面にモザイクがかかっている場面もありましたね。水着女性のイラストが問題だったのでしょうか」(同)
中でも大きな違和感を抱かせているのがBGMだ。
「第1話で南が瀬名の部屋を去る場面で、放送では挿入歌の『Deeper and Deeper』が後ろで流れていたのが、配信版では途中まで無音で、そこから別のサントラ曲に変わるという謎の変更がありました。第2話でも、放送とは別の劇伴に変わっている場面があったり、不可思議な改変になっているんですよね。北川氏は劇伴の変更について『微妙に気持ち悪い』と苦言を呈しており、このよくわからない変更が最大の違和感だったのでは。しかし、劇伴は基本的にドラマのために制作されたものであり、『ロンバケ』の場合はフジテレビ系列のフジパシフィックミュージックが権利を握っているはずで、問題の『Deeper and Deeper』も第2話では普通にTVer版で聴けるので、権利的にアウトだったわけではないはず。第2話のパチンコ屋の場面で久保田利伸さんのカップリング曲がちょっとだけ流れるのも変更されてません。なので余計に違和感が際立っています」(同)
こうした数々の改変があったことで、変更のなかった第2話のハガキのくだりも北川氏はうっかり「カットされた」と勘違いしてしまったのかもしれない。
何も気にならず素直に楽しんだ視聴者もいれば、放送時の記憶と大きく違ったとして違和感を抱いた視聴者もいる今回の配信版『ロングバケーション』。フジテレビ側の事情も理解している様子の北川氏からすれば、せめて事前に一言断りが欲しかった……というのが一番の本音といったところだろうか。
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