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『100よか』佐藤健“直木”の殺人犯が明らかになった一方さらなる被害者が…物語は佳境へ

『100よか』佐藤健“直木”の殺人犯が明らかになった一方さらなる被害者が…物語は佳境への画像
ドラマ公式サイトより

 TBS系金曜ドラマ『100万回言えばよかった』が、最終回を目前に物語は佳境へ入りそうだ。主人公の相馬悠依(井上真央)が、運命の相手だと思っていた恋人・鳥野直木(佐藤健)を突然失い、そこに幽霊となった直木を見ることができる刑事・魚住譲(松山ケンイチ)が現れ、3人で直木の失踪の理由を追っていく本作だが、3月3日放送の第8話では、ついに直木を殺した犯人が明らかになった。

 第8話までで、生前の直木が巻き込まれたとみられる高原涼香(近藤千尋)殺害事件のおおよそは明らかになった。買い物依存症の涼香は、「ちーちゃん」こと武藤千代(神野三鈴)の「仕事」をやっていた関係で「ちーちゃん」から金を無心していたが、かつて涼香とは「仕事」仲間である尾崎莉桜(香里奈)はそれを知って、千代に関わるのは危険だとやめさせようする。しかし翌日、涼香の番号から「こうなりたくなかったら黙ってなさい」というメッセージが届き、莉桜が慌てて涼香の部屋に駆け付けると、そこには変わり果てた姿の涼香が。千代の命令で、息子の田中希也(永島敬三)が殺したのだった。

 莉桜は千代への恐怖から事件について口を閉ざす一方、悠依を事件から遠ざけようとする。悠依と直木は家庭の事情から広田勝(春風亭昇太)が里親となり、広田家で育ったが、莉桜も一時期里子としてともに時間を過ごしたことがあった。そして直木が殺されたのは、自分が巻き込んでしまったからだった。莉桜はある日突然、広田家を飛び出して行方不明となったが、家に残された莉桜の私物の中には500万円もの大金もあった。勝に莉桜を見つけ出して返してほしいと頼まれていた直木は、莉桜の同級生である涼香を見つけ出し、涼香を通して莉桜と会おうとしていたのだった。

 莉桜は「あんたはこっち来んな」と悠依に警告するが、悠依は19年前に莉桜・涼香と3人で遊園地で遊んだ記憶がよみがえり、莉桜が当時、何らかのトラブルに巻き込まれており、自分は莉桜のおかげでそこから守られていたのだと気づく。そして悠依は今度は莉桜の力になりたいと伝え、莉桜はすべてを打ち明けようと悠依と会う約束をする。しかしそこに千代が現れ、莉桜はやむなく千代のもとへと去っていった。

 だが莉桜は諦めていなかった。千代の家に身を寄せ「仕事」をしていた少女・莉果(佐藤ひなた)に、逃げるよう伝える。悠依の存在を知らせ、悠依を頼れば安全だと伝えたのだろう。そして莉桜は家の中にある「顧客名簿」を探し出し、古いスマホで写真に収める。だが、そこに現れたのは千代。希也に殴られ、意識を失った莉桜はワンボックスカーでどこかへと連れて行かれる。その先で希也が待ち合わせたのは、なんと直木が働いていた洋食屋ハチドリのオーナー・池澤英介(荒川良々)だった。

 英介は、以前から視聴者に“クロ”とみられていた。悠依が遊園地で莉桜・涼香と遊んだ日、莉桜は用事ができたとして悠依だけを帰したが、悠依は帰り道、白のバンに乗った莉桜と目が合う。その運転をしていたのが、涼香が「グーミー」と呼んでいた、ぶどうグミを食べる男で、顔は映らなかったが、明らかに英介だったからだ。そして第7話ラストでは英介がぶどうグミを食べる姿もあった。

 千代の家から逃げ出した莉果が証言したことで、魚住たち警察は千代に事情聴取を行うが、金の流れや顧客の情報など、少女たちに「仕事」をさせていたことを裏付ける証拠が何ひとつなく、千代にはすっとぼけられてしまう。さらに、涼香と直木が殺された件の重要参考人である希也と莉桜が発見されるが、希也は死んでおり、莉桜も意識不明の重体だった。警察は、希也と莉桜が車の中で練炭自殺を図ったとみなし、車中に、直木が莉桜に返そうとしていた500万円や、直木殺害の凶器とみられる剪定バサミなどが発見されたことから、希也を涼香と直木の殺害犯と判断する。しかし、それでは直木がわざわざ勝の家で殺害されたことの説明がつかず、さらに千代と事件の関わりが無視されている。

 だが、捜査を続けた魚住は、希也が過去に傷害事件を起こした際の身元引受人が英介だったことを掴む。直木も、自分の遺体が山中で発見された際、英介が「なんであんなところに……」とつぶやいていたことを思い出し、疑問が浮かぶ。そして、面会謝絶の莉桜の病室の前に不審者が現れるが、医師のハヨン(シム・ウンギョン)によれば、その不審者の特徴は英介のものと一致していた。ハヨンから、悠依が不審者らしき男と一緒にいたとの連絡を受けた魚住は、慌てて悠依に連絡する。

 病院で英介と会った悠依は、勝の家に行かないかと誘われ、何も知らない悠依はついていってしまう。勝の家を子どもたちが集まる施設につくり変える計画を話し始めた英介は、もう少しで自分の夢が実現すると語ったあと、突然「直木にもそう言ったんだよ!」と叫ぶ。どこか異様な様子の英介に戸惑う悠依。そこに、魚住からの連絡が入る。英介が直木を殺した可能性があることを知らされ、魚住たちが駆け付けるまで英介に気づかれぬよう振るまえと指示されるが、悠依はぶどうグミを食べる英介の姿を見て、19年前、莉桜らを連れて行った白いバンの運転手のことを思い出す。そして、今いる居間こそ直木殺害の現場ということもあり、感情が高ぶり、思わず「どうして……」と英介を問いただしてしまう悠依。勘付いた英介は、悠依に迫る。とっさに悠依は、幽霊の直木がその場にいるフリをし始め……というところで第8話は終わった。

 莉桜が顧客名簿を探していたとき、希也は莉桜の問いかけに対し、涼香を殺したことは認めたものの、直木については返事をしていなかった。ということは、やはり英介こそ直木殺害の犯人だろう。次回は、なぜ直木は殺されたのか、その理由が明らかになりそうだ。

 第8話では、千代の言いなりになっていた希也が、実は母親にうんざりしていたらしいことも明らかになった。莉桜を殺して自首しろと命じられた希也は、自分に汚れ仕事を他人に押し付け、自分だけは「クリーン」でいようとする千代を「あの女」と呼び、英介に「あの女の顧客名簿を持ってる。あいつの悪事を暴きたい」と持ち掛けていた。その希也が死んだということは、これも英介による犯行だったと考えられる。千代は、莉果が家から逃げたことを受けて、残された少女たちに大金を渡しながら「好きなところへ行きなさい。ただし、ここでのことは内緒ね」と、先手を打っている。莉桜を消そうとし、希也までが死んだことで、千代を追い詰められそうな関係者はどんどん減っている。はたして魚住たちは千代を逮捕できるのか。

 第8話は、事件の真相に一気に迫りつつある一方、幽霊の原田弥生(菊地凛子)が“成仏”するという展開もあった。自分が起こした交通事故に、ハヨンの夫・ウジンを巻き込んで殺してしまったことを悔いている弥生は、「思い残しがあるのは幽霊だけじゃない」というハヨンの言葉を思い出し、「ウジンにもっと言いたいことがあった」というハヨンの「思い残し」を叶えたいと考え、ウジンに瓜二つだという魚住にウジンを演じさせる。酔っぱらって眠気に襲われたハヨンは、ウジンが夢に出たと勘違いし、ようやくウジンに伝えたかったことを伝え、満足そうに「愛してる」と言って寝てしまう。ハヨンの「思い残し」を叶えることこそ、弥生の「思い残し」だった。弥生は「よかった」「これで向こうに行ける」と言って、消えてしまった。

 第9話の予告映像では、悠依が直木に「待って、ダメ。行かないで」とすがり、魚住が「僕の体、使えって言ったでしょ!?」と直木に迫る場面もあった。死の真相が明かされるとともに、直木のタイムリミットも迫るのだろうか。最終回を目前に、どのような展開を見せるのか、今夜放送の第9話も必見だ。

■番組情報
金曜ドラマ『100万回 言えばよかった
TBS系毎週金曜22時~
出演:井上真央、佐藤 健、シム・ウンギョン、板倉俊之、少路勇介、穂志もえか、近藤千尋、桜 一花、平岩 紙、春風亭昇太、荒川良々、松山ケンイチ ほか
脚本:安達奈緒子
音楽:河野伸
主題歌:マカロニえんぴつ「リンジュー・ラヴ」
警察監修:志保澤利一郎
里親監修:岩朝しのぶ
医療監修:冨田泰彦、藤田浩
プロデュース:磯山晶、杉田彩佳
演出:金子文紀、山室大輔、古林淳太郎
編成:中西真央、吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:tbs.co.jp/100ie_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/03/10 12:10
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