箱根駅伝は治外法権、高校サッカー選手権はお荷物? 日テレ2大正月スポーツ中継の明暗
#日本テレビ #箱根駅伝
例年お正月に長時間のスポーツ中継で有名なのは『箱根駅伝』と『全国高校サッカー選手権』。ともに日本テレビ系列が総力を挙げて放送しているが、大きな明暗が分かれている。
今年で99回目の開催を数える「東京箱根間往復大学駅伝競走本選」。東京・大手町から箱根・芦ノ湖までを大学生がタスキをつないで走り抜ける“駅伝の総本山”として有名だ。
「過去にはテレビ東京が系列局などで中継した時期もありましたが、録画だったり一部走行区間の映像が無いなど完全な形での中継ではなかった。現在のように日本テレビが中継を始めたのは1987年から。山の中腹にアンテナを立てたり、全国の系列局から中継車を借りてくるなどお正月の風物詩として定着させようと奮闘。中継技術面の進化はのちに他のスポーツ中継や報道中継にも転用されるようになった」(民放テレビ局関係者)
近年、地上波民放テレビ局はこぞって制作費削減が叫ばれ、中継放映権など「とにかくお金がかかるスポーツ部署はテレビ局の中でもお荷物扱いとなり肩身が狭い」(同)ところへと押し込められている。
ところが『箱根駅伝』は「治外法権」だという。
「番組は1月2日の往路、3日の復路ともにサッポロビールが冠スポンサーとして提供、他の企業もスポンサードしておりとにかく『箱根駅伝』はカネになる番組なんです。さらに、お正月に早朝から午後までの約7時間を生放送で一気に埋めてしまい、なおかつ高い視聴率も見込める。そのメリットは一石二鳥どころの話ではありません。この先、巨人戦が仮に地上波から姿を消しても『箱根駅伝』だけは確実に残るコンテンツです」(日テレ関係者)
情報番組担当者も「年明け一発目の放送だと、まだ世の中もあまり動いていないからコンテンツが不足がち。そこで『箱根駅伝』の話題をやるとしっかり埋められる。使い勝手のいい内容だから助かる」とうなずく。
一方で、同じ日本テレビ系と独立局などが共同制作し、年末から1月上旬まで中継される『全国高校サッカー選手権』は事情が違う。
「中継は各地域の放送局が任意に中継カードを選んで生放送、あるいは録画で放送します。全国ネットでやれるのは準々決勝以降が多く、一部放送局は録画中継になります。系列を超えてのスタッフ、アナウンサーが集まるため、司令塔を担う日本テレビ側の負担は大きい。かといってトーナメント方式のため、負ければ数日で仕事が終わるスタッフも多い。そして今、一番問題なのは、全国一律で中継をするのではなく放送カードがバラバラなこと。春・夏の甲子園大会のように毎日同じ会場で数試合する形を取らないと、そろそろ継続が無理。しかも、世界で活躍して日本代表に入る選手の大半は今やJリーグチームのユース出身が多く、高校サッカーには参加しない。そのため資料映像として将来価値がでる可能性もあまりなく、局内でも『高校サッカーは手放すべきだ』との声も根強い」
どちらもお正月を飾るスポーツだけに何とか発展的に行き残ってほしいものだが……。
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