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長澤まさみ『エルピス』主題歌のオートチューンの意味と、エンディング映像の“変化”に注目

長澤まさみ『エルピス』主題歌のオートチューンの意味と、エンディング映像の“変化”に注目の画像
ドラマ公式サイトより

 長澤まさみ主演、大根仁監督、渡辺あや脚本、佐野亜裕美プロデュースということで話題の月10ドラマ『エルピス—希望、あるいは災い—』(カンテレ制作・フジテレビ系放送)。物語が折り返し地点に差し掛かる中、謎めいていた主題歌の情報が一部明かされ、注目を集めている。

 架空の大手テレビ局「大洋テレビ」を舞台に、エースの座から転落した女子アナの浅川恵那(長澤まさみ)と、若手テレビディレクターの岸本拓郎(眞栄田郷敦)が10年以上前に起こった八頭尾山連続殺人事件における冤罪疑惑を追及する社会派エンターテインメントとなる本作。事件を追い求めていく過程で、報道加害、局内政治、再審制度の実情などさまざまな問題も浮き彫りになりつつ、浅川と岸本が「正しいこと」に突き進み、時に挫けるリアルな姿を描いている。

 長澤、眞栄田に加え、鈴木亮平、三浦透子、梶原善、岡部たかし、筒井真理子、六角精児ら実力派キャストによる演技も見どころの本作は、第3話ではサプライズで永山瑛太が謎の登場を果たすなど、さまざまな話題も振りまいているが、主題歌とエンディング映像もまた、初回から注目されていた。

主題歌は「オートチューン」と歌詞にも注目

 主題歌を担当しているのはMirage Collective。同じく佐野プロデューサーが手がけた『大豆田とわ子と三人の元夫』(同)では、STUTS制作の主題歌「Presence」を毎話さまざまなバージョンとゲスト・アーティストで展開し、映像もそれぞれ別パターンを用意するという凝った仕掛けが大きな反響を呼んだが、今回のMirage Collectiveは、STUTSが音楽プロデュースを手がける集団ということ以外は当初、情報は伏せられていた。

 Mirage Collectiveによる主題歌「Mirage」もまた複数のバージョンが展開されつつあるが、11月21日放送の第5話で「Mirage Op.3 – Collective ver.」が発表され、男性ボーカルがYONCE(Suchmos)であることが判明。また、『まめ夫』主題歌の「Presence」でもSTUTSとタッグを組んだbutajiが今回も作詞・作曲で関わっているほか、作詞にはYONCEも関わっていることも明らかになった。さらにこの「Collective ver.」には、butajiがコーラスで参加しているほか、長岡亮介(ペトロールズ)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、荒田洸(WONK)といった豪華なミュージシャンが参加していることも発表された。

 「Mirage」には女性ボーカルが参加しているバージョンもあり、「Mirage Op.2」として15日にリリースされているが、こちらの正体についてはまだ謎のまま。主演の長澤まさみでは、あるいは歌手としても活動している三浦透子では、との声も出ているが、オートチューンによって歌声が加工されていることもあり、判断は難しいところだ。

 だが、この“オートチューン”という部分がまた意味深だ。これまでの「Mirage」「Mirage Op.2」はいずれもオートチューンが施されているが、第5話で流れた「Mirage Op.3 – Collective ver.」ではYONCEの歌声をそのまま耳にできる。

 第5話はちょうど、八頭尾山連続殺人事件において松本死刑囚が逮捕された決定的な要因となった目撃証言について、実は偽証であるという「一発逆転のネタ」を掴むという展開があり、謎めいていた事件のベールが少しずつはがされてきた。また、最初はやる気のなかった岸本が真実を追い求めることに目覚め、それによって、一時は正義に突っ走っていたものの、再審請求が突然棄却されるなどのキナ臭い動きに“巨大なもの”を感じて諦めていた浅川もふたたび立ち上がるという回でもあった。このタイミングで主題歌の歌声からオートチューンが外されたことは、ストーリーとリンクしている可能性もあるというのは考えすぎだろうか。

 「Mirage」は歌詞についても気になる部分がある。「この道の先に悲しみが待っていようと 未来より 昨日より 一層燃え盛る魂」「誰にだって口に出せないことがあって塞いでいる」といった歌詞からすると、やはり『エルピス』のストーリーが反映されたものと思われるが、そうなると「夜が明けなくてもあなたがいるならば どんな罪を背負い込んでも 生きてゆける」「あまりに強い火に身を滅ぼす異教徒」「きっと下される裁き」という終盤の歌詞は非常に不穏だ。今後の展開を想像するヒントとなるかもしれない。(1/2 P2はこちら

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