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日刊サイゾー トップ > エンタメ > アイドル  > キンプリの「非・王道ジャニーズ」な挑戦
キンプリ学

“攻め”のKing & Prince―「ツキヨミ」「ichiban」などから考える音楽的挑戦

リリースの度に挑戦を続けてきたキンプリ

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 アルバム『Made in』には他にも、Kroiが手がけたスペイシーなファンク「Last Train」や、軽快なホーンをフィーチャーしたポジティブなソウルナンバー「A Little Happiness」といった多彩なジャンルの曲が並んでいる。一方でキンプリらしい王道ラブソングやヒャダインによるノベルティ・ソングまでをも網羅した、振り幅の広さが印象的な1枚だ。また9月にリリースされた「TraceTrace」はクールなエレクトロナンバーで、Adoらへの楽曲提供でも知られるボカロPの伊根が作詞作曲を、 アレンジは、HYBE LABELS JAPANによるオーディション番組『&AUDITION – The Howling -』でプロデューサーを務めたことでも話題を呼んだSoma Gendaが手がけている。アンドロイドダンスが新鮮な1曲で、メンバーはここでもラップを披露するなど、リリースの度に挑戦を続けてきた。

 ジャニーズのグループは、デビュー曲が最初の数年間のパブリックイメージを作るといっても過言ではなく、キンプリの場合「シンデレラガール」で見せた王道ジャニーズ路線のイメージが世間的には強かっただろう。しかし、1stアルバムのリード曲にクールなファンクナンバー「Naughty Girl」を据えたあたりからしても、彼らは早くから随所で音楽的なチャレンジを見せていた。ドラマや映画、CMのタイアップ曲ではその世界観に寄り添いつつ、R&Bやヒップホップに接近した楽曲も年々増えていった印象がある。

 また「Magic Touch」でのメルビン・ティムティム、「ichiban」「ツキヨミ」でのRIEHATAといった世界的ダンサーとのタッグも、彼らのレベルを更に押し上げることとなった。そんな矢先の今回の発表で、2023年5月22日を最後に5人でのパフォーマンスのその先を見ることは叶わなくなってしまった。何があったのかはわからない。ただ一つ言えるのは、どんな未来が待っていても彼らがこれまで作り上げてきたものが変わるわけではないということだ。5人の挑戦の軌跡は、これからもジャニーズ史に燦然と輝き続けるだろう。

椎名和樹(音楽ライター)

音楽ライター。ロック、J-POP、アイドル、ヴィジュアル系などジャンルレスな知識と豊富なライブ経験を生かして執筆中。研究対象はフェス、ランキング、音楽番組、90年代カルチャーなど。ハンバーガーマニアの顔も。

Twitter:@sheena_kazuki

しいなかずき

最終更新:2022/12/07 16:32
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