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『クロサギ』平野紫耀“黒崎”の人情派の一面と共に明らかになりつつある桂木との関係性

『クロサギ』平野紫耀“黒崎”の人情派の一面と共に明らかになりつつある桂木との関係性の画像
Paravi配信ページより

 10月28日、TBS系金曜ドラマ『クロサギ』の第2話が放送された。King & Prince・平野紫耀主演としてスタートした“新生・クロサギ”は、第1話で見せた、つかみどころのない飄々としたキャラクターが好評だったが、第2話では抱えてきた闇の部分がクローズアップされた。

 本作は、詐欺によって家族を失った主人公・黒崎高志郎(平野紫耀)が、「人を騙し、金銭を奪うシロサギ」「色恋を餌にするアカサギ」といった詐欺師だけをターゲットとする「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」となって、本当の「敵」を探し出し打倒していく物語。同名マンガを原作としており、2006年に放送・2008年に映画化された山下智久主演シリーズとは違って、2022年の日本を舞台に「完全版」として新たにドラマ化されたものだ。

 第2話冒頭は、ドラマの後半戦かと思ってしまうほどの緊迫するシーンの連続だった。黒崎が家から出てくるところを、東京中央署の警部補・神志名(井之脇海)が監視するシーンは、「警察は黒崎を“クロサギ”だと怪しんでいる」という黒崎のピンチを象徴していた。まだ第2話である。展開のスピード感だけでなく、第1話で黒崎に翻弄された警察の本気ぶりが感じられる一幕だった。第3話のYouTube予告映像には「初めての敗北!?」の文字も踊り、ますますスリリングな展開となっていきそうだ。

 今回、黒崎が“餌”として狙いを定めたのは、“好きな人と出会わせる”という「出会わせ屋」業で詐欺を働く探偵の川中幹夫(新納慎也)。元は芸能プロダクションにいたため、芸能界には特別なコネクションがあると謳い、「そんなに売れてない芸能人」なら実際に会わせてやることもあるが、多くの場合は、芸能人に恋焦がれる一般人の憧れにつけこみ、金銭をだまし取る詐欺行為を行っていた。

 総額200万円ほどをだまし取られた被害者・江本美知留(八木莉可子)に対し、「そんなに(アイドルに)会いたかった? 金の力で無理やりなのに?」と最初は理解できない様子の黒崎だったが、「すごくいい子たちなんですよ。メンバーもずっと仲良くて、お互いに助け合って。見てると、私も頑張ろうって思えるんです。仕事で疲れてても、励まされて元気をもらえて。だからもし会えたら『ありがとう』って伝えたかったんです」と、“推し”への愛を熱弁する姿に、なにかしら感情を揺さぶられた様子の黒崎は、川中を“喰う”ことにする。

 飄々としてドライな詐欺師という顔の奥に人情派の一面があることが、第2話ではよりはっきりと描かれた。第1話で被害に遭い、黒崎に助けられた吉川辰樹(船越英一郎)には、その後仕事は見つかったかを訊ね、「求人詐欺ってのもあるから気をつけたほうがいいよ」とアドバイスを送る。吉川に「そういうとこなんだよなぁ」と、黒崎が金目当ての詐欺師とは思えないと指摘すると、「相変わらず騙され体質ですねぇ」とはぐらかしながらも、もらったおはぎを美味しそうに頬張る。

 黒崎が大家となるアパートに長年住む独居老人・天野(津嘉山正種)に対しても、通販商品の契約詐欺にかかったのを知ると、詐欺を行った業者にクレームを入れてしっかり慰謝料として金を取り戻しただけでなく、「会ったこともない誰かに騙されたって、傷つくことはないよ。向こうは天野さんのこと、な~んにも知らないんだから」と声をかけ、さらに「俺は天野さんを知ってるよ? 毎日アパートの周りを掃除してくれていることも」と伝えた上で、天野がまったく交流のなかった他の部屋の住人との関係を取り持つ。詐欺被害の“原因”となった天野の孤独を解決してやり、黒崎はひっそり微笑みながら立ち去るのだった。

 川中から金を取り戻した後の黒崎と美知留の会話からも、黒崎の内面の優しさが伝わってきた。美知留が詐欺被害に遭ったことを改めて反省し、「バカでした。私なんかが(推しのアイドルに)会えるわけないのに……」と落ち込んでいると、黒崎は「そうだね。多分、推しの彼には江本さんの思いは一生伝わらない」ときっぱりと断言しつつも、「でもさ? その思いって、江本さんにとっての大事なものでしょ? だってすごいことじゃん。その人が幸せになれば自分も幸せになる。そんな存在がいるなんて。推しの彼は江本さんたちの幸せのために頑張ってるんでしょ」と、優しく江本の“推し活”を肯定するのだ。その言葉に美知留は笑顔を取り戻す。このシーンは、トップアイドル平野演じる黒崎だからこそ心なしか説得力が増しているように感じた。

 また、第2話は黒崎に詐欺のイロハを教えた師匠・桂木(三浦友和)との関係性もより深掘りされた。第1話クライマックスでは、黒崎の一家崩壊につながった、詐欺界の重鎮・御木本(坂東彌十郎)による企業セミナー詐欺の「設計図」を考案したのが桂木であることが、シロサギ・白石陽一(山元耕史)の口から明らかになった。第2話冒頭では、桂木のほうから黒崎に「これ持ってきた男(白石)に聞かれたよ。そのこと(御木本の企業セミナー詐欺の設計図を書いたのが桂木であること)をお前は知っているのかってな」と話を向ける。互いに牽制し合うようなかたちで終わったが、ドラマの核ともいえる話題であり、このひやひやするやりとりは今後の展開への期待感を高めるには十分だった。

  さらに第2話中盤では、その特殊な関係性がわずかながら紐解かれる。黒崎がクロサギになった経緯がダイジェストながら明らかになり、(おそらく御木本の件のあとに)桂木に鬼の形相で切りかかろうとしたこと、その後、桂木に「この世界で生きたい。詐欺師になりたい。だから俺に詐欺を教えてくれ」と土下座したことが判明。そこで桂木は黒崎に「詐欺を覚えて御木本を喰う……か。で、最後は俺なんだろ?」と告げていた。桂木が黒崎にとって復讐の相手でもあることは、お互いが了承済みだったのだ。

 4日放送の気になる第3話だが、やはり桂木に注視したい。第2話では警察の動向をなにかしらの方法で把握している描写があったり、御木本と黒崎について話す場面もあるなど、“フィクサー”ぶりがうかがえたが、桂木の真意はいったいどこにあるのか。

 警察との攻防もヒートアップすることだろう。東京中央署・神志名が着実に黒崎に近づいており、第2話ラストシーンではついに2人が対面。とぼける黒崎に神志名がパンチをお見舞いするシーンで終わったが、ここまで過激になる神志名の素性も気になるところ。今夜放送の第3話も見逃せない。

■番組情報
金曜ドラマ『クロサギ
TBS系毎週金曜22時~
出演:平野紫耀、黒島結菜、井之脇海、中村ゆり、宇野祥平、時任勇気、山本耕史、坂東彌十郎、船越英一郎、三浦友和 ほか
原作:黒丸・夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:木村秀彬
主題歌:King & Prince「ツキヨミ」
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
公式サイト:tbs.co.jp/kurosagi_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/11/04 12:00
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