
佐々木譲の大河小説が韓流映画に! 悪と善との境界に立つ『警官の血』
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原作をリスペクトした台詞とキーアイテム

刑事になって間もないミンジェは、警察組織のルールは遵守すべきだと考えている。正義感の強い若者ゆえに、ミンジェは暴力団とも深く関わっているパク・ガンユンの過度な違法捜査には抵抗を感じるようになる。組織のルールを守るようにと正論を吐くミンジェに対し、パクはまるで我が子を教え諭すように語る。
「警察はいつも境界線上に立つべきだ。黒と白、どっちに染まってもダメだ」
黒にも白にも染まらずに、個人が境界線上に立つ続けることは可能だろうか。よほど強靭な精神の持ち主でなければ、到底無理だろう。チェ・ミンジェは亡き父親が手がけていた麻薬捜査の難しさを思い知らされる。
とはいえ、上司であるパクの言動がすべて正しいとは限らない。「反面教師」的な役割を果たすことにもなる。実績を残し続けるパクは警察組織内で重宝されていたが、裏社会とのズブズブの関係性が表面化すると、上層部はあっさりと彼を切り捨ててしまう。これは警察組織に限らず、どの企業でも言えることだろう。組織は組織防衛が第一であり、個人までは守ってはくれない。では組織が守ってくれない場合、個人は誰に助けを求めればいいのだろうか。
原作と同様に、主人公一家に伝わる「警笛」が重要なアイテムとして映画にも登場する。父親が使っていた形見の警笛を、チェ・ミンジェはお守りとして身に付けていた。ミンジェはその警笛を鳴らすことで、組織よりも信頼できる大切な存在を知ることになる。そして、亡くなった父が今も自分を見守ってくれていることを、ミンジェは実感する。
父親代わりとなるパク・ガンユンは、「黒と白、どっちに染まってもダメだ」と言った。この場合の黒と白は、裏社会と表社会を指しているが、組織と個人とに言い換えることも可能だろう。組織と個人、その境界線上に立ち続けることが大人の社会人としてのあるべき姿ではないのか。父親の面影を探し続ける主人公を描いた本作を観て、そんなことを感じた。
『警官の血』
原作/佐々木譲 監督/イ・ギュマン
出演/チョ・ジヌン、チェ・ウシク、パク・ヒスン、クォン・ユル、パク・ミョンフン
配給/クロックワークス PG12 10月28日(金)より新宿バルト9ほか全国公開
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